コンサート
【インタビュー】綾野ましろ

ライブは私にとって、いつも新しい挑戦

アニメ「Fate/stay night[Unlimited BladeWorks］」のオープニングテーマ「ideal white」や、「D.Gray-man HALLOW」のエンディングテーマ「Lotus Pain」などで、新世代アニソンシンガーの旗手として注目を集めている綾野ましろ。昨年は4月のバースデーライブに続き、6月から10月にかけて5カ月連続でワンマンライブを開催。さらに11月には赤坂 BLITZ 公演を成功させるなど、精力的にステージに立ち続けた。高校時代からライブハウスや路上ライブで歌い、デビュー前からライブ・アーティストになりたいと思っていたという彼女にとっても、ターニング・ポイントとなる1年だったようだ。

綾野　「定期的にライブをやりたい」とずっと思っていたんですよね。実際、ライブを続けることでファンのみなさんとの距離も縮まったし、お互いに「綾野ましろのライブはこういうふうに盛り上がるんだな」というのがわかってきて。以前はMCがちょっと苦手だったんですが、ライブハウスでもリラックスして話せるようになったし、たくさんライブをやってよかったなと思いますね。

今年最初のシングル「starry」も、まちがいなくライブ映えするナンバーだ。アニメ「グランクレスト戦記」オープニングテーマとしてオンエア中のこの曲は疾走感に溢れたバンドサウンド、壮大なストリングス、エキゾチックなメロディがひとつになったアッパーチューン。高いテクニックが求められるこの曲を、繊細な表現力と圧倒的なダイナミズムによって見事に表現している。

綾野　「グランクレスト戦記」は騎士、魔法師が戦乱を収めるために戦う物語。アニメ・サイドからのオーダーに沿いつつ、自分らしい歌い方、表現を模索しながら制作したのが「starry」です。基本はロックですが、ヨーロッパ的な雰囲気や民族音楽的なところもあって、「自分の音楽の幅が広がった」という手応えがありました。「グランクレスト戦記」の原作のファンの方にも楽しんでもらえると思いますし、ライブでも盛り上がるだろうなって。

「物語は動き出す」「夢のままでは終われないから」というポジティブな意志に満ちた歌詞も印象的。理想的とは言えない世界のなかで、決して絶望することなく、光ある未来へ向かって進んでいく――「starry」が描き出すストーリーは、北海道で音楽活動をスタートさせ、紆余曲折を経てアニソン・シーンに辿り着いた綾野ましろの軌跡とも重なって見える。

綾野　「誰より傷ついたはずなのに／誰よりも優しいその笑顔は」という歌詞が印象的でした。世の中を嘆きながらも希望を見出そうとするところも、よくわかるなって。私自身、すごく突き抜けて明るいタイプではないと思ってるんです。歌を歌うときも、みんなを引っ張るというより、寄り添っていたいというか…。たとえネガティブな感情であっても、それを肯定して、いっしょに前に進んでいきたいという気持ちがすごくあるんですよ。それは「starry」の歌詞にもつながっているし、ウソ偽りなく歌える歌詞だなって思います。

4月22日(日)には東京・EX THEATER ROPPONGIで『綾野ましろ One-man Live 2018「STORIES」』を開催。誕生日＜4月23日(月)＞の前日に開催されるこのライブで彼女は、さらにパワーアップしたステージを繰り広げてくれるはずだ。

綾野　誕生日の前夜祭みたいな感じになるのかな（笑）。EX THEATER ROPPONGI には以前、地元（北海道）の先輩のTEAM NACSの舞台を観に行ったことがあるんですが、「ステージに立ったらどんな感じなんだろう？」って今から本当にワクワクしてます。ライブハウスだったら、その場のテンションで押し切っちゃうのもカッコいいと思いますが、4月のライブは全席指定なので、ショー的な要素も必要になるだろうなと思っていて。スタッフのみなさんと話し合いながら、演出の部分もしっかり詰めたいと思っています。

デビュー5年目を迎えた綾野ましろ。シングル「starry」と4月のワンマンライブでスタートする2018年は彼女にとって、さらなる飛躍の年になりそうだ。

綾野　今年もライブをたくさんやりたいですね。大きい会場もライブハウスも好きだし、とにかく経験値を増やしていきたいので。ライブは私にとって、いつも新しい挑戦。「届くか、届かないか」というギリギリのラインに挑んで、超えていくことが大事なんです。

インタビュー・文／森朋之
構成／月刊ローチケ編集部　2月15日号より転載

アヤノ マシロ
北海道出身、札幌在住の女性シンガー。TVアニメ「Fate ／stay night」主題歌「ideal white」で2014年にデビュー。

綾野ましろ One-man Live 2018「STORIES」
4/22(日)18:00　EX THEATER ROPPONGI

全席指定 ¥5,500

※入場時ドリンク代別途必要
※3歳以上有料