【インタビュー】ビッケブランカ

2024/7/15(月・祝)

ビッケブランカ

ホールツアーはサステイン感、スケール感がテーマ。

テレビドラマ『獣になれない私たち』の挿入歌としてヒットを記録した2018年のシングル「まっしろ」以降、ビッケブランカは日本のポップミュージックシーンで常に異彩を放ち続けている。

テレビアニメ『ブラッククローバー』(2020年)のオープニングテーマに起用された「Black Catcher」は、Spotifyで「海外で最も再生された国内アーティストの楽曲」に3年連続で名を連ねるなど、国内のみならず海外でも注目は高まる一方だ。

ピアノを基軸に昭和歌謡やハードロック、ソウル、サイケポップなど様々な要素が混在した振り幅の大きな音楽性で知られているビッケブランカ。影響を受けたアーティストにはSMAP、マイケル・ジャクソン、エルトン・ジョン、ビリー・ジョエル、ミーカを挙げ、その音楽性はクイーンやエルトン・ジョン、ベン・フォールズ・ファイヴを彷彿とさせる。

そんなビッケブランカが、9月の愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホールを皮切りに、12月の福岡・福岡国際会議場メインホールまで全6都市を巡る『VK Blanka HALL TOUR 2024』の開催を発表。「新しい曲がたくさんあるので、どんなふうに披露できるのか楽しみ。今回はホールツアーなので『広がり』を感じてもらいたい。サステイン感、スケール感がテーマです」と彼は語る。

しかもこのホールツアーは前作『FATE』(2021年)からおよそ3年ぶりにリリースされる、通算4枚目のニューアルバムの楽曲を軸にセットリストが組まれる予定だ。

彼は、「主に海外で、多くの経験をしてスケールの壁が壊れてきています。それを体現できるような内容になりそう」と新作を予告。「自分で運転をして、景色をたくさん見ること」からインスピレーションを受けているというビッケブランカの楽曲が、異国の地で目にした様々な景色によってどのように変化しているのかが楽しみだ。

実際、今年1月のバンクーバー公演を皮切りに、2月のニューヨーク公演まで全9都市を回る北米ツアーから帰国した彼は、「たくさんのアイデアと曲を作りたい衝動が湧き制作した」と語っていた。

5月5日にリリースされた新曲「Never Run」は、その新たなインスピレーションにより生み出されたもの。思えば昨年10月にリリースしたEP『Worldfly』も、サウジアラビア、イタリア、フランスでのイベントに出演し、現地で受けたインスピレーションをサウンドに落とし込んだ楽曲を収録。その直後にはポーランドとスペインのイベントにも参加するなど、インプットとアウトプットを繰り返しながら作品のクオリティを着実に進化/変化させていったのである。

「(ツアーでは)新曲が多くなる気がしているから、MC中に一緒に踊りを考えませんか?」と彼。おそらく本ツアーは、これまで以上にオーディエンスとの一体感をもたらすこと必至だ。

ちなみに曲作りにおいて、彼の自宅スタジオがもたらした変化も大きい。

「自宅スタジオで全てを完成させることができるようになったんです。まるでインディーズの頃と同じような宅録を、グレードアップした場所で今やれることが、フラッシュバックも相まってとても楽しいです」と明かしている。

「ここ数年海外でライブをする機会をたくさんもらえましたが、まだまだ行ったことがない国もあるので、ワールドツアーをやってみたいです。日本国内のライブももっと大きい会場でやってみたいし、イベントにもたくさん出ていきたいです」

今後の抱負について、そう語ってくれたビッケブランカ。「海外遠征」による新たな刺激と、「自宅録音」という原点回帰的なソングライティングが融合したニューアルバムは、おそらく彼の活動におけるマイルストーンとなるはず。それを携えての今回のホールツアーは、彼のキャリアにおける新たな節目であり、ファンにとってはその「音楽的旅路」を共に体験する貴重な機会となるだろう。

プロフィール

ビッケブランカ

'14年より始動。'18年発表の「まっしろ」がドラマ挿入歌として話題を呼ぶ。'24年1月から1カ月間で9都市を回る北米ツアーを開催した。

公演情報

VK Blanka HALL TOUR 2024

  • 9/27(金) 愛知・ Niterra 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
  • 10/12(土) 北海道・札幌共済ホール
  • 10/16(水) 大阪・オリックス劇場
  • 10/31(木) TOKYO DOME CITY HAL
  • 11/23(土・祝) 宮城・トークネットホール仙台 大ホール
  • 12/8(日) 福岡国際会議場メインホール

インタビュー・文/黒田隆憲
構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載

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