【インタビュー】ベランダ

2026/10/15(木)

ベランダ

いいアルバムだから
もっといろんな人に聴いてほしい

趣深いメロディーを響かせる歌声、心を揺さぶる轟音ギターに心地よいグルーヴ、他にはないアンサンブルで魅了する京都発のロックバンド、ベランダがリリースから10年を迎えるタイミングで名盤と名高き1stアルバム『Any Luck to You』をレコード化することを発表した。代表曲である「最後のうた」や「Let’s Summer」等が収録されており、フロントマンである髙島颯心はバンドとして大きなキッカケになった1枚だったと振り返る。

「リリース前はわりと地味な活動をしていて、“結成から2年間で作った曲が溜まってきたから発表する”みたいな気持ちで出したんですけど、想定以上に話題にもなってくれて。くるりの岸田さん、アジカンのゴッチさんとかが反応してくれたのもそのときで、“こんなことが起こるんだ”ってビックリもしました。今でもライブで一番やっている曲たちが入ってるんですよね」

多くのバンドにとって1枚目となる作品は格別の輝きを放っているが、それはベランダも同じ。技術や知識を超えた何かがそこにはある。

「もう10年も経っていますから、青さが恥ずかしいみたいなことはまったくなくて。単純にいいアルバムだからもっといろんな人に聴いてほしいっていう思いしかないですね。やっぱり、今の僕ではたぶん書けないんですよ、この曲たちは。特に歌詞が強いバラード調な『最後のうた』は一番そう思いますね」

そんな名盤が新たな形で届けられることになったが、そこにはレコードという媒体に対する愛着もあったという。

「何かしらのアルバムをレコードとして出したいという話は以前からしていて。ちょうど来年1月が『Any Luck to You』のリリースから10年になるし、ふさわしいのはこれかな、と。やっぱり、レコード自体が好きなんですよ。普段はサブスクも使いますけど、家でちゃんと音楽を聴こうと思ったらレコードになるし。あえてひと手間かけることで生まれる特別感は贅沢だと思いますよ」

また、レコード化を記念し、11月には東京と大阪でワンマンライブも開催される。3rdアルバム『Spirit』ではエクスペリメンタルロックと言えるようなアプローチも見せるほど、音楽的に幅を広げ、進化を遂げているベランダがあらためて『Any Luck to You』と向き合うわけで、見逃すことのできないプレミアムな夜になるのは間違いない。

「内容はまだあんまり詳しく決めてないんですけど、『Any Luck to You』の曲は全部やります。ただ、いわゆるアルバム再現ライブをする気はなくて。どちらかと言うと、今の僕たちがもっている技術等を使って『Any Luck to You』の曲を皆さんにお届けする、っていう方が近いかもしれないですね。だから、そのままだと面白味がちょっと少ないから、リアレンジする曲が出てくるかもしれないし。やっぱり、ちょっと捻りたくなっちゃうんですよ。意外性があった方が面白いだろうし」

「ライブを自分たちが楽しんでやるのはもちろんだけど」と前置きし、そこから続けたのは長年に渡って応援し続けてくれているファンへの感謝。ただレコード化するだけでは終わらず、実際にワンマンライブをおこなうことはその意味合いが強いのだ。

「話していてあらためて思ったのは、マイペースなベランダについてきてくれたお客さんが少なからずいるので“そういう人たちに向けて何かやりたい”ということなんですよね。当日はその気持ちも伝えられればと考えています」

プロフィール

ベランダ

京都で結成された髙島颯心(Vo/Gt)、中野鈴子(Ba/Cho)、田澤守(Gt/Cho)によるロックバンド。軽妙にフックを利かせながらも親しみやすい装いでパッケージされた楽曲は、ライトリスナーから音楽フリークにまで幅広く支持され得るポテンシャルをもつ。

公演情報

“Any Luck to You” Vinyl Release Tour

  • 11/10(火) 19:00 東京・渋谷WWW
  • 11/27(金) 19:00 大阪・梅田シャングリラ

インタビュー・文/ヤコウリュウジ
Photo/篠塚ようこ
構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載

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