【インタビュー】TK from 凛として時雨

 

TK from 凛として時雨

むき出しでぶつかり合う2組の競演

 

凛として時雨のTKによるソロプロジェクト、TK from 凛として時雨。緻密に整理整頓しながら作り上げている印象があったソロの楽曲は、3rdアルバム『white noise』で、自身をさらけ出すような体温を感じさせるものへと感触を変えた。同時に、美しさが前に出ていたライブもヒリヒリさや温度感が増していったように思う。一昨年からスタートした自主企画イベント『error for 0』でも、ソロながらバンドが持つものと限りなく近しい、衝動的な熱量のぶつかり合いが見物だ。

「これまでゲストに迎えた方々に共通することは、取って代わる人がいない孤高な存在ということ。だから『error for 0』は、果たして1人で、リスペクトしている方々と対等に音楽ができるのか? という自分に対する挑戦でもあるんですよ。(今回のゲストの)ACIDMANは、キレイな和音を弾くバンドで、最初に聴いた時、こういう音楽が日本にもあるんだと衝撃を受けたのを覚えています。今でも和音からなる彩りある世界観を一貫して持つ彼らと、一緒にできることが嬉しいですね」

「自分にできるのか?」という部分は、TKの原動力の源でもある。

「自分が苦しんだり、本当にやるべきなのか? という葛藤があることくらいしか、自分自身を震わせることができないでしょうし。自分が戦わないといけないようなことでないと、観にきている人に対して、何かを感じてもらうということもできないんだろうなって。だから常に戦っていないといけないなと思っています」

今回、サポートメンバーとして、ベースに吉田一郎、ピアノに世武裕子が新たに加わった。

「2人とも僕と同じ年齢なので、さらにバンド感が強くなるんじゃないかな? と。僕とBOBO(D)、一郎君の並びは少し暑苦し過ぎる可能性がありますが(笑)、そこも楽しんでもらえたら。『error for 0』では、むき出しでぶつかり合うということが自分のやりたいこととしてありますね」

12月には、アコースティック編成でのホール公演の開催も決定。

「編成も含めて、少しいつもとは違った形にしたいなと。12月なので、クラシカルな要素も合わせてできればと考えているところです」

 

プロフィール

ティーケーフロムリントシテシグレ

凜として時雨のフロントマンでVo&GのTKによるソロプロジェクト。

 

公演情報

 

TK from 凛として時雨 presents “error for 0 vol.4”

 

10/25(木)19:15 大阪・なんばHatch

11/1(木)19:15 東京・新木場STUDIO COAST

 

 

 

TK(凛として時雨)“Acoustic fake show vol.1”

 

12/14(金)18:30 東京・めぐろパーシモンホール 大ホール

 

 

インタビュー・文/松坂愛

構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載