【インタビュー】高橋優

2025/12/15(月)

高橋優

1分1秒をじっくり味わえる、濃厚であっという間に過ごせるライブにしたい

高橋優がメジャーデビュー15周年を迎えた。『15周年』に対して「応援してくださる皆さんと、支えてくださるスタッフや友達、家族への感謝の気持ちがあります」と率直に語る高橋。12月10日にリリースされた15周年記念ベストアルバムのタイトル「自由悟然(じゅうごねん)」には、『混沌の時代にもがきながらも是非を見極め、然るべき自由を求め唄い続けた15年』という意味が込められているという。様々な経験を経てきた現在の彼にとって、物事の是非を見極めるポイント、そして『自由』とは。

「物事の是非のポイントは、良き心と書いて、良心です。自分の中で疑問を抱いたり怒りを感じたり、良心に訴えかけられて行動せずにはいられないことがあったりするんですけど、それが自分の心のコンパスですね。自由は、遊園地の入口に立って、さぁここから何に乗ってもいい、何を食べに行ってもいい、という瞬間の気持ちです」

この15年を振り返ると、東日本大震災、コロナ禍など未曾有の出来事が起きた。それは高橋優の音楽にも大きな影響を与えている。

「2011年の9月に『LIVE福島 風とロックSUPER野馬追』に6日間、出演させていただいた経験があって。そのときにいただいた拍手とか、福島県の皆さんから送られてきた声援というのは、本当に人間の原点というか、音楽を本当に欲している方々のそれに感じたんですよね。あの経験が割と僕にとっては、楽曲を作る上でもライブをする上でも根底にあるリアルなんじゃないかなって思っています」

「福笑い」や「明日はきっといい日になる」など幅広いリスナーを惹きつける楽曲を生み出してきた高橋。彼自身がターニングポイントに挙げたのは、「こどものうた」だ。

「MCやラジオ番組などでよくお話しをさせていただく機会があるんですけど、僕はそんなに上手な話し手ではなくて。だったら喋るように曲を書いてみようと試したのが『こどものうた』だったんですね。自分の中で新しい作り方が芽生えた最初のきっかけになった曲です」

さらに新曲「未刊の行進」も収録されている。テーマは、人々の人生そのものだ。

「このインタビューを読んでくださっている方は、人生が本になってない方のほうが多いと思うんですね。僕自身は、人生が刊行されている人達、テレビ番組や記事になっている人達の人生だけが特別だという考え方を全然もっていなくて。日の目を見てない人生だったとしても、たまたま出版されていないだけで、“実は特別で奇跡的な物語なんじゃないかな”と考えるのが好きだし、『未刊の行進』はそういう僕らの人生の続き、行進していくもの、そんな思いで書きました」

そして12月からは、高橋優 15th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE TOUR 2025-2026「自由たる覚悟、然として奏ず」がスタート。特別なツアーになることは間違いない。

「底抜けに楽しいステージにしたいと思っています!ベストアルバム『自由悟然』を携えてのライブになるので、きっとどこかで聴いたことのある楽曲や、ライブに来てくださったことがある方であれば必ずご存じの楽曲のオンパレードになるんじゃないかなと。1分1秒をじっくり味わえるような、濃厚であっという間に過ごせるライブにしたいですね」

15周年の節目を迎えた高橋優。デビュー当時と現在で『人前で歌うこと』に対するスタンスはどう変わったのだろうか。

「デビュー前の方がもうちょっと斜に構えていた気がします。今は、初めての人と話すときもちょっとだけ心に余裕ができた気がするし、不特定多数の人たちの前で歌うときも、以前よりはだいぶ腹が座ったかなとは思います。まだまだですけど」

プロフィール

高橋優/たかはしゆう

秋田県出身のシンガーソングライター。'10年に「素晴らしき日常」でメジャーデビューをはたす。

公演情報

高橋優 15th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE TOUR 2025-2026「自由たる覚悟、然として奏ず」

  • 12/26(金) 18:30 秋田・あきた芸術劇場ミルハス 大ホール
  • 12/27(土) 16:30 秋田・あきた芸術劇場ミルハス 大ホール
  • ’26/1/9(金) 18:30 東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
  • 1/24(土) 17:30 大阪・フェスティバルホール
  • 1/25(日) 16:30 大阪・フェスティバルホール
  • 1/31(土) 17:30 香川・サンポートホール高松 大ホール
  • 2/15(日) 17:30 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
  • 2/21(土) 17:30 宮城・東京エレクトロンホール宮城
  • 2/23(月・祝) 17:30 岡山・倉敷市民会館
  • 3/7(土) 17:30 富山・新川文化ホール ミラージュホール
  • 3/8(日) 17:30 長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール
  • 3/20(金・祝) 17:30 三重・クラギ文化ホール(松阪市民文化会館)
  • 3/21(土) 17:30 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
  • 4/11(土) 17:30 群馬・高崎芸術劇場 大劇場
  • 4/18(土) 17:30 福岡・福岡市民ホール 大ホール
  • 4/19(日) 17:30 佐賀・鳥栖市民文化会館
  • 4/25(土) 17:30 岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール
  • 4/26(日) 17:30 青森・弘前市民会館 大ホール
  • 5/9(土) 17:30 静岡・静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
  • 5/13(水) 18:30 神奈川・カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)
  • 5/17(日) 17:30 福島・いわき芸術文化交流館アリオス アルパイン大ホール
  • 5/24(日) 17:30 千葉・市川市文化会館 大ホール
  • 6/6(土) 17:30 京都・文化パルク城陽 プラムホール
  • 6/7(日) 17:30 奈良・なら100年会館 大ホール
  • 6/13(土) 17:30 島根・出雲市民会館
  • 6/14(日) 17:30 広島・上野学園ホール
  • 6/20(土) 17:30 沖縄・アイム・ユニバース てだこホール 大ホール
  • 6/27(土) 17:30 熊本・熊本県立劇場 演劇ホール
  • 7/4(土) 17:30 北海道・旭川市民文化会館
  • 7/5(日) 17:30 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)

インタビュー・文/森朋之
構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載


プレゼントキャンペーン


お気に入り登録して最新情報を手に入れよう!

高橋優

国内アーティスト