【インタビュー】syudou
2026/6/15(月)

難しいことを自然にやっているように見せる
セクシーさを表現したい
2020年、Ado「うっせぇわ」の作詞・作曲・編曲を手がけ、その名を広く知らしめたsyudou。ボカロPとしてキャリアを築きながら、「へべれけジャンキー」「爆笑」など自身が歌う楽曲でも強烈な個性を放ち、近年はアニメやドラマとのタイアップ、ライブへと活動の幅を広げてきた。そんな彼が7月20日、TOYOTA ARENA TOKYOで『syudou Live 2026「プライド」』を開催する。
タイトルに掲げた『プライド』は、昨年の日本武道館公演のタイトルだった『美学』と並び、彼の歌詞にもたびたび現れてきたキーワードの1つだ。インターネットを主戦場にしてきた時期を経て、今年から素顔を見せるなど活動のあり方を大きくシフトさせていく中でも、「絶対に手放したくないもの」。それをあらためて提示するために掲げたタイトルだという。しかも今回は会場がTOYOTA ARENA TOKYO。格闘技好きとして知られる彼にとって、この場所がもつ意味も大きい。ただし、そこで目指すのは力を誇示するような在り方ではない。彼が今のライブでキーワードとして強く意識しているのは『セクシーさ』だ。
「曲自体は勢いのあるものだとしても、それをさらっとやる。歌も含めて、難しいことを自然にやっているように見せたくて。そういうしなやかさこそがセクシーだと思うんです」
そう考えるようになった背景には、長年の夢だった武道館公演の実現があったという。
「達成感はあったんですけど、同時に、それだけでは届かないものもたくさんあるなとも感じたんです。そこから意識が大きく変わりましたね。“俺の曲を聴け”ではなく“どうしたら聴いてもらえますか”という気持ちで、曲作りも活動もライブもするようになりました」
YOASOBIのAyase、ツミキ、すりぃといったクリエイターたちの存在も、syudouの活動スタイルに大きな影響を与えた。
「もっといろいろやれるでしょ、みたいな話をお互いによくしていて、それに触発された部分はかなりあります」
自分のいる界隈では当たり前に共有されている魅力が、別の場所ではまだ知られていない。逆に、自分が知らなかった刺激的な表現も世の中にはたくさんある。そうした『世間の広さ』を実感したからこそ、自分の核さえ見失わなければ、それ以外は変えていけると思えるようになった。
「今年から素顔を出したのも、ライブのタイトルに漢字ではなくカタカナを掲げたのも、そんな気持ちの延長線上にある気がしますね」
そんなsyudouの現在地を映し出すのが、新曲「あーあ」だ。酒や男の情けなさという、彼がこれまでも繰り返し向き合ってきたモチーフを扱いながら、サウンドメイクやメロディ、歌い方には今の感覚でのアップデートが施されている。編曲・サウンドプロデュースに川谷絵音を迎えたことも象徴的だ。打ち込み主体の感覚から、生音の揺れや不完全さがもつエモーションへ。そこには近年の彼の関心の変化がはっきり表れているのだ。
「歌詞もそう。ダークでネガティブな感情を描くにしても、ただ激しくぶつけるのではなく、軽さや余白を入れることで、僕の考えるセクシーさを表現したくて。“俺はこうだ、俺の歌を聴いてくれ”みたいな自己主張をするのではなく、どっしり構えて“いい曲ができました”くらいのスタンスでいる方が、結果的にモテると思うんですよね」
冗談めかしながらも、そこには彼が目指す表現の本質がにじんでいる。格闘技的な高揚感と、研ぎ澄まされたセクシーさ。その両方を携えた『プライド』は、彼の『これから』を最も鮮やかに目撃できる一夜になりそうだ。
誌面連動Q&A
- Q.
手土産を選ぶポイントは?
A.
「筋トレをしていたり、身体に気を使った生活をしている方に脂質や糖質・塩分の多いものを贈るのは抵抗があるので、なるべく身体に良いものを選ぶようにしています。最近はGOLD'S GYMで販売されている冷凍のプロテイン大福にハマっていますね。大福アイスみたいな感じで甘くて美味しくて。1個あたりタンパク質は15gほど入っていますし、脂質も少ないのでいいんですよね。とにかく、脂質の低いものを選ぶように意識しています!」
プロフィール
syudou/しゅどう
インターネット上での活動をはじめ、「ビターチョコデコレーション」、「キュートなカノジョ」、「爆笑」、「インザバックルーム」など多くのヒット作を発表。独自のダークな世界観を武器にファンをさらに拡大中。
公演情報
syudou Live 2026「プライド」
- 7/20(月・祝) 18:00 TOYOTA ARENA TOKYO
インタビュー・文/黒田隆憲
構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載