街と音楽が溶け合う2日間。熱狂のサヌキロック2026(3月21日)
2026/04/30(木)
『SANUKI ROCK COLOSSEUM』(以下、サヌキロック)は、2010年から徳島出身のコミックバンドである四星球が発起人となり、FM香川と四国のコンサートプロモーターのDUKEが主催するライブサーキットイベント。香川県高松市の常磐町商店街を中心として、通称『ことでん』こと高松琴平電気鉄道の瓦町駅周辺でおこなわれている。会場となるのは、約200m範囲内にあるfesthalle・オリーブホール・DIME、MONSTER・TOONICE・SUMUS cafe。全体的に約10分で移動が出来るという誠に好立地な距離感。また、『786FM香川ステージ Supported by レクザム』と名付けられたステージが、常磐町商店街と南新町商店街、田町商店街が交差する南部3町ドーム下に設営されている。公開生放送、トークライブなどがおこなわれる場所であり、発信基地としての意味合いもあるため、観客が必ず通るドーム下に設営されているのはイベント的にも商店街的にも活気という意味では本当に大きな存在である。しかも、バンドライブが無料観覧できていた瓦町駅地下広場特設ステージが去年6年ぶりに復活して、今年も両日共に朝10時30分からライブがおこなわれていた。無料ライブ、要はチケットつまりリストベルトを持っていなくても、フリーで自由に行き来が出来る場所があるだけで、大きな宣伝告知に繋がるわけだし、それも、その場所は地元民が多く行き来する駅地下広場というのは効果絶大である。そんなサヌキロックが3月21・22日の2日間で開催された。
初日朝10時にはすでに観客たちが商店街周辺を歩きだしている。地元民とサヌキロック観客どちらかは一目瞭然だが、何の違和感も無く混ざり合って商店街を普通に行き来しているのは素敵なことだ。例年出演者たちに食事替わりに支給される商店街で使えるクーポン券も、去年からチケット購入者の一部の方に特典として配布された。お弁当やケータリング、もしくは食事無しのイベントだって普通の中、それが地元商店街に落とせる専用クーポン券というのは、まさに地域密着型。その上、観客にまで普及しているとなると、より商店街周辺で開催されていることに意味が出てくる。また、飲食店を中心に、サヌキロックとコラボしたメニューを提供していたり、サヌキロック限定商品&サービス、リストベルトを提示すると受けられる特典もある。徳島の四星球は毎年お馴染み『三びきの子ぶた』(地元民いわく『三ぶた』)四星シュー、香川の古墳シスターズは『CREPE DE GIRAFE』焼き芋フローズン、高知のChimothy→は『祝い餅 つくし』おもちもしーと、地元四国発バンドはもちろんコラボしているし、食べ物に留まらず『福本文照堂』と印鑑コラボしているのには驚いた。個人的には、『ごはん屋さん たまも食堂』オカモトショウガ焼き丼には、ついつい吹きだした。フェスやイベントでのバンドコラボ商品も全国的に定着してきたが、商店街ならではの昭和的土着感があるのは、昭和生まれ人間としてはほっこりしてしまう。何より令和キッズにとっても新鮮なはずだ。リストベルト提示特典では、『美肌空間ミーレ』コラーゲンマシン等各マシン2000円以上ご利用の方550円引きには、イベント中に美肌メンテナンスケアをする人がいるのだろうかと思わず笑ったが、これくらい遊び心を持って商店街がサヌキロックに挑んでくれているのは嬉しい限り。そして、南新町商店街と田町商店街にはサヌキロック出演者たちの物販ブース、常磐町商店街には毎年8月に国営讃岐まんのう公園で開催される『MONSTER baSH』(以下、『モンバス』)のブースなど、商店街どこを歩いても音楽を感じられるのもワクワクする。
11時には、商店街内に特設されたFM香川ステージでの公開生放送『サヌキロックレディオ2026』で、四星球により開幕のカウントダウンがおこなわれて開始という流れに。去年は四星球が初めて初日に出場しないという或る意味大事件が起きるが、後輩の古墳シスターズがしっかりと代役を務めて、良い意味で新時代を感じさせてくれた。しかし、やはり発起人という立役者の四星球がどっしりと存在してくれると安心感がある。ステージ前には多くの椅子が用意されているにもかかわらず、ほとんどの観客が立って観ているのは、11時10分から各所でおこなわれるライブにダッシュで行く気満々なのが丸わかりで微笑ましかった。四星球の北島康雄は、FM香川始めDUKE・商店街スタッフがサヌキロック特製法被を着ていることにも触れる。今年初の試みだが、おもしろいもので、スタッフが同じ衣装なだけで統一感一体感はより出るし、それが法被というのも商店街という和の雰囲気に合って誠に良い。ステージ後方には、四星球まさやん特製の段ボールラジオスタジオがフォトスポットとして毎年飾られている。高松在住の古墳シスターズの横断幕が商店街に昨年から飾られていたが、もう1パターン今年は増えて、異なる2パターンの横断幕が飾られているのも象徴的だった。11時10分、開幕宣言が無事に執りおこなわれて、本格的にスタート。12時からオリーブホールで出番の四星球と共にオリーブホールへと急ぐ。
オリーブホールトップバッターは、地元高松在住の板橋末っ子の会。同じ地元の古墳シスターズと仲良く、彼らの登場SEとして『そんで何かの間違いで』が使われている。四星球のモリスから、家族もいて働きながら活動しているなどプチ情報を教えてもらいながら推薦される。初登場の喜びを全員全霊でぶつけながら弾き語っているが、物販で用意したTシャツが多過ぎて家が圧迫されており、嫁にブチギレされたなど、いちいち哀愁がある。その哀愁が衝動へと昇華されているのも事実。場内は観客で一杯であり、MCでは爆笑する観客も、曲が始まると真剣顔で聴いている。ラストナンバーは気持ちが込められ過ぎて時間を押してしまうが、次に控える四星球の康雄から押しても良いと許可をもらったとのこと。楽屋では崩れ落ちて、落ち込みまくっていたが、全てを曝け出すスタイルは本人いわく『リアルロックンロール』とのこと。朝から濃ゆい、それも地元ミュージシャンからの濃さというのは気持ち良いものだ。
四星球は8時半入りでリハーサルをしていたとのこと。なので、板橋末っ子の会に時間を押しても大丈夫と言った訳だし、本来はリハーサルをしなくても良いのだが、サービス精神で敢えてリハーサルを実行。私服の自然体で『ふざけてナイト』などを演奏して歌うが、余裕すら感じさせるほどで、もはや貫禄が出てきている。若手と思っていた彼らも、康雄とU太は今年43歳の学年で、全員が40代。四国の有名ローカルスーパー『マルナカ』テーマソングを以前サヌキロックで披露していたが、今年も観客からリクエストが入り、急遽披露することに。でも、メンバー全員がコードやリズムや歌詞を覚えておらず、スマホで調べながら披露していく。リハーサルとはいえ、この観客とのフランクなやり取りも地元四国のライブハウスならでは。
その場で着替え始めて、本編でのコンセプトテーマは、『サヌキロックコロシアム』にちなみコロシアム=闘いの場ということで、自分との闘いに。30分で16曲・30分で1kg痩せる・30分で十二支全て登場・30分他人の曲というクジを引いて、30分で十二支全て登場という自分との闘いに決定。オープニングは、U太扮する鳥・まさやん扮する猪が観客フロアの後方に設置された猿のポールを折り返し地点に観客の上を運ばれるレース。スターターでウサギのミッフィーちゃんが登場して、うさぎ繋がりで『ラヴィット!』オープニングテーマのサンボマスターが流れるなどなど、いちいち説明していたらキリがないが、とにかく観客たちは大喜び。サヌキロックにコミックバンドの四星球がやってきたということで、1曲目は初期楽曲『我ら吉野川同盟』。若き衝動の楽曲だが、今は40代のメンバーが顔を白塗りにしたり、尋常じゃ無く飛び跳ねたりする様は朝イチから胸にくるものがある。『UMA WITH A MISSION』で馬が登場したり、新曲『どんなもんだい』では曲中でサヌキロックや高松の音楽事情にまつわる問題が出題される。
どうしても四星球に関しては事細かにライブレポートを書いてしまうが、長年、四星球のライブを観てきて、康雄のMCを聴いてきた身としては、敢えてネガティブな部分に触れてポジティブへと導くことに、彼は長けている。この日も繊細な動員問題へと触れて、だからこそ来ている観客のみなさんは多くのバンドを観るために多くのライブハウスに観に行ってほしいと語りかける。ずっとサヌキロックが続くことを祈ってのことであり、それはU太まさやんが観客の上で鳴らしていたり、康雄がスピーカーの塔の上からダイブジャンプしたりという死力を尽くしてのライブを観ると、観客たちも感じるものがあったはず。サヌキロックを心から楽しむ四星球は、またもや新曲『あんぽんたん』も披露して、始まったばかりなのにサヌキロックのクライマックスを魅せると終盤戦へ。ライブをやる限りは自分らでトドメを刺すつもりであり、オープニングにもかかわらずフィナーレのつもりでぶつかってくれる。最後は、康雄をまさやんがギューッとしてマウストゥマウスでチューということで、十二支も全て揃い踏み。サヌキロックのスタートを再び康雄が高らかに告げる。楽屋ではサヌキロック創設メンバーの元FM香川スタッフも訪れて、四星球を讃えている。四国の四国による四国のための祭が全国各地から訪れた観客を巻き込んで今年も走り出した。
高松ライブハウス界の父と呼ばれる高松DIMEバンドーエイジ店長の顔を見がてら、地元北海道のZepp Sapporoで結成15周年のワンマンライブを終えたばかりのTHE BOYS&GIRLSへ。東京や大阪といった大都市だけでなく全国各地でムーブメントが起きていることに、こうやって全国各地のバンドを観ることで気付かされる。それもいわゆるコバコと呼ばれるコンパクトなライブハウスから起きるということで、一番コバコなTOONICEへ。天井が低く舞台と観客フロアの目線も一緒で密着度が尋常ではなく高い。サヌキロック初出場の京都の若手ポンツクピーヤが昼間からロックンロールライブをぶちかます。超満杯の中、ロックンロールの自由を示してくれたように感じた。
14時30分。瓦町駅地下広場では、四国は高知出身の八生がひとり弾き語り観客と対峙している。3月26日リリースの1stフルアルバムから、じっくりと聴かせる歌を弾き語っていく。『四国に住む中で感じるのは人との関わりが深くて濃いこと』という四国の人間ならではの四国評も参考になる。地元企業CMで今後流れる予定である楽曲も披露された。
すぐ近くのfesthalle。同じく四国は香川の高松在住である古墳シスターズ。サヌキロックでfesthalleの舞台に上がるのは初めてのことで、とてつもない気合いが伝わってくる。板橋末っ子の会による登場SEも先程板橋のライブを観ただけに、バンドマンのバトンが繋がっているようで、いつも以上にグッとくる。
ギターボーカルの松山航・ギターの松本陸弥 ・ベースの小幡隆志・ドラムのラースとメンバー全員が一斉に音を鳴らした瞬間、バンドの塊をぶつけられて浴びた気になる。バンドがバンド感を魅せるのは当たり前なのだが、毎年毎年ぶ厚くなっているし、四国の中でも地元香川県高松市代表という気概が届いてくる。難しいことも何も言わず、兎にも角にもロックンロールで表現。festhalleという大きなライブハウスが似合う。序盤で松山はギターを置いて、PAにもギター使わない宣言をする。こういう無鉄砲向こう見ずさが痛快だ。彼らにとって商店街は普段から歩いている街並みであり、その場所を色々な街から来たたくさんの人が笑いながら歩いているのは、最高の喜びなのだろう。
festhalle・地下広場という瓦町駅エリアから、商店街エリアのオリーブホールに戻る。15時20分。セックスマシーン!! ボーカルの森田ことモーリーは、自慢の100mケーブルで観客フロアどころかライブハウス場外まで飛び出てしまう大必殺技でお馴染みだが、この日は断線したということでオリーブホールのロングケーブルを借りることに。本番ギリギリまでリハーサルをやるのはわかるのだが、リハーサルの時点で5分押しているという超素晴らしきアホ展開(褒め言葉)。のっけから観客フロアに降りて観客とハイタッチしたり超ハッピー空気。四国のバンドとの縁にも触れて、四星球に関しては初めて逢った時は溢れる情熱しかわからなかったと笑いつつ、古墳シスターズとは4月4日神戸を皮切りに6月19日まで全国9ヶ所スプリットツアーをすることも話す。18時から三ぶたで超先行チケット発売も発表されるが、その模様は、また後程。スプリットCDも発売されることから、収録曲である古墳のカバー『季節を待って』へ。『君を失ってWow』では、3階のオリーブホールから観客を引き連れて階段を下り商店街へと向かう。しかし、そこは借り物ケーブルであり途中で切れてしまいオリーブホールにはモーリーの歌声が返ってこなくなるアクシデント。でも、バンドは止まるわけがなく、モーリーが返ってくるまで鳴らし続ける。慌てて階段を駆け上がり戻ってきたモーリーは、会場入り口で待っていた四星球のU太へ千切れたケーブルごとマイクを渡して、新しいマイクで歌い出す。まさしくショーマストゴーオン! 来年は商店街まで飛び出す宣言も忘れない。『サヌキロックは続く!』という〆も格好良かった。
16時30分。FM香川ステージ。先程までライブをぶちかましていたセックスマシーン!!と古墳シスターズが舞台上で先輩後輩トーク。途中、トイレで舞台上から姿を消す松山。この何でもありな自由フリータイムは痛快である。18時からは予告していた様に、三ぶたでスプリットツアー決起集会として超先行チケット発売も。メンバープレゼントが当たるクジ引きもあったりするが、何が凄いって、別に三ぶたは貸し切り営業ではなくて、普通営業ということ。普通にお菓子を買いに来て、普通に喫茶使いをしている方々もいる。でも、サヌキ観客と普通観客が自然に混ざり合っている。この街の寛容寛大さは尋常ではない。
すっかり夕方。オリーブホール。会場に着くとWeezerの『California Kids』が聴こえてきて思わずニヤリとしてしまう中、登場したのは大阪寝屋川のthe paddles。実は前身バンド時代を含めると約12年のキャリアがあるバンド。
ボーカルの柄須賀皇司は、「よう喋って、よう歌って、バンドでバーンとやるだけ!」と彼ららしい言葉で叫び、彼ららしいシンプルなロックを奏でる。
そして、festhalleに移動。TRACK15も大阪のバンドだが、サヌキロックにお馴染みの様に受け止められている。『今日楽しかった人?!』に観客全員が手を上げる。『香川好きな人?!』・『サヌキロック好きな人?!』にも観客全員が手を上げる。続いて、岡山のUNFAIR RULE。サヌキロックにはバンド始めたてから出ており、念願のfesthalleでの出番。高松の商店街を歩いている人はニコニコで温かさを感じるし、凄く大事で大切な街だとも語る。この3組の西日本バンドからは、サヌキロックに毎年感謝しながら駆け上がっている印象を感じた。
17時30分。ハシリコミーズ。サヌキロック初出演。細かく言うと、ボーカルのアタルは昨年ひとりSUMUS caféで弾き語っている。しっかり段階を踏んで出演しているのは誠に良い。Frankie Valli『Can't Take My Eyes Off You』が登場SEで鳴るが、観客フロアは東京の噂のヤングバンドを早く観たいという期待感が凄い。1曲目『本当の綺麗が分からない』から、その場の空気をアタルの歌が掴んでいるのが分かる。四星球やセックスマシーン!!といったお兄さんバンドマンたちの顔も見える。当の本人たちは東京から渋滞に巻き込まれながら19時間もかけて高松に到着したそうだが、そんな疲弊は一切感じさせない。『ダンスタイム! 狭いけどダンスタイム!』…、そんな言葉も粋でスマート。『50になったら』はセンチメンタルなスローバラードでもあるが、こんな活きの良い20代が50代になったらと想像してしまうし、サヌキロックは若手登竜門的イベントだが、50代まではいかなくても40代バンドは出ているわけで。振れ幅があり深みがある祭である。
18時30分。SUMUS café。畑山悠月。北海道のバンドKALMAとしてはサヌキロックに出演しているが、今回はひとり弾き語り。現在まだ25歳だが、高校生時代から活躍していたため、キャリアは長い。本番前で会場前に佇む畑山に出逢うが、大人の雰囲気を感じたし、自信すら伝わってくる。1曲目『春のシモキタ』から弾き語りに収まりきらない歌声が耳にぶち込まれる。KALMAの曲ではなく畑山の曲や、1年3ヶ月ぶりとなるKALMA新曲『春の魔法』も披露されていく。現在東京在住だが、昨夜は一足早く高松に着き、TOONICEで弾き語りワンマンライブもおこなったという。19時にライブが終わるが、20時20分には高松空港から東京へと戻る。ライブを終わって、すぐにギターと機材を片付けて、ひとり荷物を持って飛び出していく。そんな強行軍でも高松に来たかったという想いは、バンドマンの鑑でもあった。カフェの弾き語りにも物語がある…、だからサヌキロックは全てから目が離せない。
19時30分。MONSTER。高知のChimothy→。四国ヤングバンドの激戦区を勝ち抜き、四国代表道をまっしぐら進む3人。事前インタビュー担当もあり、朝から商店街で挨拶もしてくれたが、とにかくキラキラしている。『最後Chimothy→ぶちかまします!』と意気込むようにギラギラもしている。1曲目から『弾けろ~!』と弾けまくった3人が飛び込んでくる。去年からライブを観ているが、1年ごとの成長が何よりも楽しみな四国ヤングバンド。
四国ヤングバンドを観た後は、ハシリコミーズ『50になったら』ではないが、40代バンドたちへ。瓦町地下広場の鶴。鶴は何とサヌキロック初年度2010年から出場している。そんな鶴が当時から歌っていた『踊れないtoフィーバー』を歌う。いくつになろうと踊り歌い、『正解はないのだ』と伸びやかに届けてくれる姿にはグッとくるしかない。
そのまま19時45分festhalle。9mm Parabellum Bullet。2026年1月1日から菅原卓郎・滝 善充・中村和彦の3人で動き出して、1月8日に新体制での初ライブをおこなったばかり。結成22年にして新体制となり、ギターの滝がドラムを叩き、サポートメンバーを入れず、3人で乗り越える姿はもはや少年漫画の世界…。ATARI TEENAGE RIOT『Digital Hardcore』のお馴染みSEで登場した3人は天高く両手ガッツポーズを魅せて、1曲目『The World』へ。滝が的確に丁寧にドラムを叩きリズムビートを刻んでいく。シンバルを片手で押さえながら、片手で叩き込んでいく姿には熱くなるしかない。続く『Black Market Blues』とスピーディーにどんどん3人は突き進んでいくのみ。今日の出番は9番手、今日でライブは10本目。そんな新体制9mmは、festhalleをひっくり返していく。3人は、その場で無邪気に音鳴らして遊んだりと、音を楽しんでいる。どう考えたって、新体制の準備は大変だったはずなのに、そんなことを全く感じさせない。何よりも新曲『踊る星屑』が一番キレッキレなのも素晴らしい。中村がベースを振り回しながら自身も振り回されながら弾いている。3人全員が狂い弾き狂い叩き…。まだまだ音の響きが残っている中、3人は舞台を去っていく。まさに全力を出し切った感じ。拍手は鳴り止まない。
『おもしろいね、9mm』
アンコールで舞台に再登場した菅原は、そう笑っていた。Tシャツの胸には9、背中にも9という数字がデザインされている。9mm Parabellum Bulletを胸に刻み背中に背負う…、そんな感じすらした。最後の最後まで3人が暴れ楽しんでいる。こうしてサヌキロック初日は終わっていった。
(取材・文/鈴木淳史)
(写真提供/主催)