【インタビュー】SOIL&“PIMP”SESSIONS

2019/12/16(月)

 

世界基準で通用する正確なリズム／ビートを追求

 

大阪と横浜で5時間にわたる主催イベント『TAKE5』を開催し、10月にはヨーロッパ・ツアーを敢行するなど、2019年も精力的なライブ活動を展開してきたSOIL&“PIMP”SESSIONS。そのどれもが貴重な経験だったとアジテーターの社長は語る。

「大阪の『TAKE5』は、メンバー関連のプロジェクト＋ソイル本体＋お笑いという、かなりチャレンジな内容だったと思うのですが、とても楽しかったです。一方で横浜は、いま紹介したい若手との対バン形式の5時間で、全く違う趣でしたね。ヨーロッパ・ツアーに関しては、ロンドンではRonnie Scott'sという60年続くレジェンダリーなジャズクラブでの3デイズで、ありがたいことに3日間ともソールドアウトでした。箱に長く通ってらっしゃる、耳の肥えた年配の常連の方も多くいらっしゃって、その方々が笑顔で楽しんでくださっていたので嬉しかったです。一方でアムステルダムはADE（AMSTERDAM DANCE EVENT）の最終日で、世界中から集まるDJや音楽関係者で各会場が盛り上がっているなか、我々も気持ちよくセットを終えることが出来ました」

約一年半ぶりとなる新作『MAN STEALS THE STARS』は、豪華な客演陣を招いた前作『DAPPER』からは一転して、インスト主体の作品に。また、「未来からやって来た詩人の物語」を描くという、コンセプチュアルな作風にも注目だ。

「（インスト主体になったのは）ごく自然な流れだと思います。国内外のツアーを経て、バンドの調子も非常にいいなかで、現在の自分たちが作りたい音を素直に形にしました。原点回帰というわけではなく、自分たちのルーツの延長線上にある音だと思います。タブゾンビが作ってきたデモを聴いたときに、丈青が『ブレードランナーみたいだね』と言った一言が、今回のコンセプトのスタートです。そのテーマのもと、一曲目のタイトル・トラックでフィーチャーした詩人の山崎円城さんが書いてくださった詩に『Man Steals the Stars 星を盗む者』という一節があり、そこからこの詩人の物語が広がっていきました」

新作は「2020年代のモードを予見した意欲作」とも銘打たれ、熟練の域に達した各プレイヤーの力量と、常に音楽シーンの先端を注視するリスナー的（DJ的）な感性の共存した、カッティング・エッジな作品性にますます磨きがかかっている。

「世界基準で通用する正確なリズム／ビートと、そこから生まれるグルーヴを最も重要視しました。丈青がかなり緻密に音楽的なディレクションをやってくれています。シンセの音色は時代感が出るので、新しさももちろんですが、時間が経って古臭くならないような普遍性を意識して作っています。そして、現代のジャズ・シーンにおいては、ドラムの音色とリズム・パターンが新しさへと繋がるので、FUYUくんや石若駿くんをゲストにお招きして、新しい風を吹かせてくれたのも大きな意味があったと思います」

1月からは、新作を携えてのリリース・ツアー『TOUR 2020“MAN STEALS THE STARS”』を開催。ファイナルのマイナビBLITZ赤坂まで、全国11ヶ所を回る。

「いまのライブ・バンドとしての状態は、一言で言うなら『緻密』ですかね。演出について話し合っているところで、現時点では全く未知数なのですが、これまで積み上げてきたライブの歴史に根ざしながら、新しいサウンドをご提案できると思います」

 

 

公演情報

 

TOUR 2020“MAN STEALS THE STARS”

 

1/17(金)19:00 Live House浜松 窓枠

1/18(土)19:00 福井CHOP

1/26(日)18:00 仙台darwin

2/1(土)18:00 札幌cube garden

2/8(土)18:00 大阪味園ユニバース

2/9(日)18:00 京都磔磔

2/11(火・祝)18:00 名古屋ボトムライン

2/21(金)19:00 広島CLUB QUATTRO

2/23(日・祝)18:00 鹿児島CAPARVO HALL

2/24(月・休)18:00 福岡DRUM Be-1

3/4(水)19:00 東京・マイナビBLITZ赤坂