【インタビュー】凛として時雨

2025/12/15(月)

凛として時雨

僕たちもこの日を外から見たいくらい興奮しています

アニメ『グノーシア』のエンディングテーマ「Loo% Who%」を含む4曲入りのEP「Lost God of SASORI」を10月に発表。現在は全国10会場を回る全国ツアー『失神蠍 TOUR 2025』を開催中の凛として時雨。ファイナルとなる12月27日には、実に12年ぶりとなる日本武道館でのワンマンライブ『Tornado in Budokan』が決定している。メモリアルな1日を控えた現在のバンドについて、ボーカル兼ギターのTKに話を聞いた。

「現在のバンドの状態はとても良いです。最高に熱量があって、次に何が飛び出すか分からないような不安定さももち合わせているのが時雨の変わらないところです。ツアーのリハーサルも、このままライブができるのかっていう瞬間が個人的には色んな部分に見えてますから(笑)。会場やオーディエンスの熱量がない中ではどうしても完璧な演奏だけをシビアに見つめてしまいますから、絶望することも多いですけど。ツアーで最初の音を叩き込んだ瞬間に、足りなかったものが僕たちの音に混ざり合うような感じがするんです。武道館については、何が自分にとって特別なのかと聞かれれば難しいんですけど、不思議な会場ですよね。魔物みたいに感じるときもあるし、守られているような感覚もある。音を出し尽くした先にきっとそこが特別な場所になるんだろうなって」

さらに2026年3月には自主企画の対バンイベント『トキニ雨 #17』の開催が決定。2003年から不定期に行われていて、今回は約2年半ぶり、17回目の開催となる。

「もともとは今の事務所の社長が、右も左も分からないくらいのときに、何か自主企画をやっていった方が良いっていうので始まったイベントなんですよね。“まさかこんなに続くとは”という気持ちもありつつ(笑)。僕たちはイベントに誘われることも少ないですし、だからこそこの場所(イベント)があるのはとても大きな意味があるんです」

全5公演が発表された今回の『トキニ雨 #17』には、キタニタツヤ、9mm Parabellum Bullet、-真天地開闢集団-ジグザグ、[Alexandros]、クリープハイプという、人気と実力を兼ね備えた多彩なラインナップのゲストの出演が決定。盟友的な存在から下の世代まで、それぞれの関係値も実に様々だ。ワンマンやフェスとは異なる、対バンだからこその熱量が味わえるに違いない。

「時雨はワンマンを突き詰めているからこそ、こうやって交わる場所で受けられる刺激や衝撃に飢えている部分はあります。フェスで一緒になることはあっても、やっぱり2組で作り上げるものって密度が全然違うと思うんです。それを共有したいなって。あと、対バンって『VS』のような意味合いもあると思うんですけど、どこかで相手が僕たちのために演奏してくれてるって思っちゃうんです。だからリハーサルとかはいつも特等席で堪能しています(笑)。演奏を贈り合って1つの音楽の塊になるような感覚があります」

失神レベルの爆音と繊細な感情表現を兼ね備え、日本を代表するスリーピースバンドとなった凛として時雨のライブと、対バンツアーだからこそ感じることのできるケミストリー。ぜひ会場に足を運んで、存分に堪能してほしい。

「今回の『トキニ雨 #17』には本当に素晴らしいアーティストが参加してくれることになりました。僕たちもこの日を外から見たいくらい興奮しています。武道館も楽しみにしていてほしいですが、その先にもこんなイベントを用意できてうれしいです」

プロフィール

凛として時雨/りんとしてしぐれ

男女ツインボーカルから生まれるせつなく冷たいメロディと、鋭く変幻自在な曲展開が唯一無二の3ピースバンド。メンバーはTK(Vo/Gt)、345(Vo/Ba)、ピエール中野(Dr)。

公演情報

凛として時雨 「トキニ雨 #17」

  • 3/8(日) 18:00 Zepp Haneda(TOKYO)
  • 3/15(日) 18:00 Zepp Fukuoka
  • 3/21(土) 18:00 Zepp Nagoya
  • 3/22(日) 18:00 Zepp Osaka Bayside
  • 3/26(木) 19:00 Zepp Haneda(TOKYO)

[GUEST]

  • 【3/8】キタニタツヤ
  • 【3/15】9mm Parabellum Bullet
  • 【3/21】-真天地開闢集団-ジグザグ
  • 【3/22】[Alexandros]
  • 【3/26】 クリープハイプ

インタビュー・文/金子厚武
構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載

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