【インタビュー】Saucy Dog

2025/10/15(水)

Saucy Dog

大きな会場にも挑んでいける自信がある
みんなで一丸となって楽しめる予感

年またぎの主催ツーマンツアー、ホールワンマンツアー、各所フェスやイベントへの出演と、今年上半期のSaucy Dogは精力的なライブ活動が続いた。他ジャンルのアーティストとの競演でも自身のスタイルを崩さず、凛とした姿勢で歌と演奏を届ける彼らのライブは、観客をたちまち楽曲の物語へと没入させる。今回は石原慎也に話を伺った。

「他のアーティストがすごくいいライブをしていると萎縮しちゃうタイプなので(苦笑)、いつも“自分は自分だ”と言い聞かせて平常心を保っています。やっぱりどのアーティストも、かっこいいからこそ今そのポジションにいると思うんです。自分も肩を並べるうえで恥ずかしくない仲間でいたいし、リスペクトをもって関わっていきたいですね」

8月公開の『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』の書き下ろし主題歌「スパイス」では“苦しいことやつらいことも、自分の人生を味付けしてくれるスパイスだと思えば心が軽くなる”という石原の人生観や小さい幸せに目を向ける視点、のびやかなメロディがリスナーの心を力強くも優しく鼓舞した。それとは一転、10月24日公開の映画『恋に至る病』に書き下ろした主題歌「奇跡を待ってたって」はSaucy Dog史上最もシリアスな、不屈の愛情が綴られたロックバラードだ。

「この映画を観て、自分の大切な人が誰かに傷つけられていたら俺も許せないかもなと思ったんです。許せないならどうするだろう…と考えながら、長尾謙杜さん演じる主人公・宮嶺に自分を重ねていきました。山田杏奈さんが演じる景の選択もひとつの恋のかたちだし、自分も境遇が違えば道を踏み外すかもしれない。ふたりの気持ちを曲に落とし込みました」

「奇跡を待ってたって」は映画の内容を色濃く反映しつつ、行動力で着実に理想の場所を掴んできたSaucy Dogの姿も重なる。ギターのアルペジオの弾き語りから始まり、ドラマチックな展開を見せるサウンドデザイン、楽曲の情感を時に繊細かつ大胆に表現するボーカルは、ライブでもバンドの進化を発揮するだろう。

「自分から能動的に動いたことで失敗したことはほとんどない…というか失敗は次どう動くべきかの判断材料だと思うんですよね。全力で挑戦しないと分からないことがたくさんあるので、まず行動に起こすようにしています。この曲はかなり攻めたアレンジにもなったので、しっかり演奏していきたいですね」

2026年1月には結成の地・大阪にて初のドーム公演を行う。会場の京セラドーム大阪は石原が音楽の専門学校に通っている頃、アルバイトスタッフとして何度も出勤した場所だ。

「当時自分より年下のアーティストが出ていて、おこがましくも“俺も早くこの舞台に立ちたい”と羨ましくて悔しかったんです。裏道やゴミ捨て場まで覚えている会場に、念願叶ってバンドで帰れるのは感慨深いです。とはいえ決まったときは大丈夫かしら…と思いました(笑)。でもそこからメンバーとスタッフの気合いがさらに増して、今年のホールツアーもいい空気で回れたんです。“京セラドームに見合うバンドにならないと”という使命感もあって、より1本1本大切にライブができました」

当日はバンド結成の地とリスナーへの『恩返し』として、祭典のような1日を目指す。

「お客さんには京セラドームならではの景色を見てもらいたいし、人気曲もたくさんやりたいですね。今のSaucy Dogなら、大きな会場にも挑んでいける自信があるんです。みんなで一丸となって楽しめる予感がしています」


誌面連動Q&A

  • Q.
    手土産を選ぶポイントは?

A.
「贈る相手の好きなものや喜びそうなものを考えながら選ぶようにしています。人数もたくさんいて食べ物を選ぶ場合は、量が多くて個包装されているものですね(笑)。差し入れをいただいて自分が気に入ったものは写真を撮って思い出せるようにもしていますよ。相手の喜ぶ顔を想像しながらプレゼントを選ぶ時間が大好きです」

プロフィール

Saucy Dog/さうしーどっぐ

’13年結成の3ピースバンド。心に寄り添う繊細な感情を表現した歌詞に多くの共感を呼んでいる。メンバーは石原慎也(Vo/Gt)、秋澤和貴(Ba)、せとゆいか(Dr/Cho)。

公演情報

Saucy Dog DOME LIVE 2026

  • ’26/1/4(日) 16:00 京セラドーム⼤阪

インタビュー・文/沖さやこ
構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載


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