【インタビュー】四星球(SANUKI ROCK COLOSSEUM 2025)

2024/12/15(日)

四星球(SANUKI ROCK COLOSSEUM 2025)

ライブを通じて商店街を丸ごと楽しめる
『SANUKI ROCK COLOSSEUM』

『SANUKI ROCK COLOSSEUM』は、2010年から四国在住のバンドである四星球(すーしんちゅう)が発起人となり、FM香川と四国のコンサートプロモーターのDUKEが主催しているサーキットイベント。香川県高松市の常磐町商店街を中心として、通称「ことでん」こと高松琴平電気鉄道の瓦町駅周辺でおこなわれている。会場は約200m範囲内のライブハウス6店舗であり、約10分で全体的に移動できる距離である。2024年には15周年を迎えて、2025年には丸15年を迎えてと、すっかり根付いてきたが、四星球の3人(北島康雄、まさやん、モリス)に改めて成り立ちを聴いてみることに。

北島康雄、以下康雄「当時のサーキットイベントは大阪や名古屋のイメージが強くて、まだ地方には無かったんです。当時、『MONSTER baSH』(DUKEが国営讃岐まんのう公園で開催の夏フェス。以下モンバス)を盛り上げるラジオ番組をFM香川で担当していて、打ち合わせの時に香川のライブハウスの話をしていたら、FM香川の方が地図を書いて説明してくれたんですよ。商店街の中にライブハウスがたくさんあるので、ライブサーキットが出来るのではと言ったら、年明け3月には実現していました。商店街だと屋根があるのも良いし、各ライブハウスのキャパ住み分けも出来てましたね。自分たちのアイデアが実現したなと」

まさやん「自分たちだけでやるより、DUKEと一緒にやった方が大きな祭になるなという想像はありました。それで今の形になりましたけど、自分たちだけでやってたら15年はやってないです」

モリス「大学生の時から香川に住んでいたので、商店街の中で各ライブハウスの距離が近いのは知っていましたが、都会でやっているライブサーキットを出来るとは思ってなくて。でも、地元バンドが無料で観れる瓦町駅地下広場で早い時間からライブしていたり、そこから地元バンドとモンバスのつながりが出来たりもしましたね」

当時、全国的に“シャッター商店街”という現象があり、高松の商店街も寂しくなりかけていた時期だったという。だからこその意義もあった。

まさやん「初年度で一番憶えているのは、高松の人たちが凄い喜んでくれたことですね。『これだけの人たちが商店街に集まるのは初めて観るよ!』と言ってくれて。商店街が寂しくなってきた時だからこそ盛り上げていく希望というか」

モリス「高松の街中の商店街の中にライブハウスがあるので、街の良さも知ってもらえる。僕は未だに高松に住んでいるので、商店街の人たちとも仲良くなって、呑み会に呼ばれては、『来年どうするんだ?!』と相談されています(笑)」

康雄「商店街の中で出来ているのが一番デカいですね。雨が降っている日でもストレスが無く開催できるのは商店街の強みですから。うどん屋や眼鏡屋といった商店街のお店も会場にしてライブやトークもおこなっているし、お客さんもライブを何本観るかというよりは、商店街を楽しもうになってきている。出演バンドマンたちも弁当を支給されるのではなくて、替わりに商店街で使えるクーポン券を支給されるので、空き時間に商店街を楽しんでいるんですよ。今年はチケット購入者の一部の方にもクーポン券が特典としてつくみたいなんで、より商店街を楽しんでほしいです。あと、『これオフィシャルなん!?』みたいなアンオフィシャルみたいなイベントも増えてきていて(笑)。ライブが終わった夜にサウナやバーでイベントとか、DUKEと街が繋がってるからこそ、線引きが薄くて自由度が高いことが出来ている」

瓦町駅地下広場という場所名が話の中でも出てきていたが、例年ここに特設された会場が無料開放されている。といっても、それは2019年までの話であり、コロナ禍以降は休止されたまま。しかし、2025年は6年ぶりに復活するという。

康雄「無料会場の地下の魅力は多方面にあって、そこから初出演のバンドもいますし、お客さんとの新しい出逢いが一番ある場所かなと思うんです。入場リストバンド交換所も、そのあたりにありますし、リストバンド交換開始の時間には地元四国のバンドがライブをやっていたりするんですよ。いざ始まると、わざわざ無料会場にはなかなか行かない中で、少しでも地元四国のバンドを観てもらえるように、DUKEが考えてくれて。タイムテーブルも考えて組まれてるし、愛があります」

まさやん「地下でのライブはストリートライブに近いですね。僕たちがライブする時も四星球を知らない人も観に来ていますし、そうすると自分たちを観に来てくれているライブハウスのライブよりも、自分たちがギラついている感じがするんです。ステージも剥き出しだし、ステージ上の音も気持ち良いし、外で大きな音を出していると悪いことをしている感覚もあるのか(笑)、とにかくめちゃくちゃ盛り上がるんですよ。昼間に最初のライブをライブハウスでして、夜は地下で締めたい」

モリス「リストバンドをしたライブキッズも通りすがりの人も色々な方がいるので、カオスというか、独特の緊張感があるんです。何か奇跡が起こりそうな気がするんですよ。『いつ地下は復活するの?』と本当に多くの人に聴かれましたね」

ここまで街と融合して化学反応を起こしているライブサーキットは全国他を観てもない。

康雄「日頃からライブハウスの人たちが商店街の人たちと良いお付き合いをして頑張ってくれているのかなと。だから、このイベントは街の人に好かれているのかな。バンドは、そこに甘えさせてもらっています。初めの何年かは自分のアイデアなのもあり、仲良いバンドを呼びたいとか思ってましたが、今は出逢いの場だと想えています」


誌面連動Q&A

  • Q.
    手土産を選ぶポイントは?

A.
北島 以前に手土産を渡したことがある人の場合、過去に持っていって喜んでもらったものを持っていくようにしています。初めての場合は地元のものですね。地元の徳島でオススメなのは棒ういろです。ライブ会場に持っていくことが多いので、食べてノドに影響するようなものは良くないかなと思うので。棒ういろは小さくてパッと食べられるのでいいですね。

まさやん 地元の徳島の名物の大野海苔を持っていくことが多いですね。自分はお酒をいただくことが多いんですけど、手土産を持っていくとしたら、相手の人が飲む人かどうか把握できていないことも多いのでお酒は難しいなと。でも海苔だったらお酒を飲まない人でも楽しめるし、大野海苔は味が濃い目なのでお酒を飲む人のおつまみにもなります。だから徳島のもので万人ウケするということで、大野海苔を持っていくことが多いです。

モリス 僕は地元・香川のものを手土産にすることが多いです。知り合いがやっている店のものを持っていくことが多いですね。「美味しかったら買いたい」となったら紹介できたらいいなって思っているので。

プロフィール

四星球/すーしんちゅう

’02年に結成。メンバーはシンガー:北島康雄、ベース:U太、ギター:まさやん、ドラム:モリス。徳島県を拠点に活動する

公演情報

SANUKI ROCK COLOSSEUM 2025 -MONSTER baSH × I♡RADIO 786-

  • 3/15(土) 11:30 香川県高松市内各会場 (festhalle/オリーブホール/ DIME/MONSTER/TOONICE/SUMUS café)
  • 3/16(日) 11:30 香川県高松市内各会場 (festhalle/オリーブホール/ DIME/MONSTER/TOONICE/SUMUS café)

インタビュー・文/鈴木淳史
構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載


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