【インタビュー】sajou no hana
2024/5/15(水)
パステルカラーの種類のようにいろんな表情を全公演で見せる
今年より、バンド編成からボーカリストのsanaを中心とした音楽プロジェクトへ移行したsajou no hana。前メンバーであるクリエイターの渡辺翔とシンガーソングライターのキタニタツヤと共に活動した期間があったからこそ、sanaはポジティブに新しいスタートを切れたという。
「翔さんとキタニさんは、私がライブのMCで困っても、『ボーカリストとしての自覚を持たなきゃいけない』と全然助けてくれなかったんですよ(笑)。でもそのおかげでメンタルも鍛えられて、1人でいろんなステージに立ててこれたと思います。これからもお2人が作った最高の楽曲たちは残りますし、1人になったからこそ精力的にライブができるようにもなりました」
3月にはワンマンライブ『Red』を開催。新体制初であり、sajou no hanaにとってデビュー直後の2019年以来2度目のワンマンライブゆえに、sanaには喜びと同等のプレッシャーがあった。
「初ワンマンの自分の出来の後悔や、あれから5年も空いてしまったという申し訳なさ、新体制になった不安もあったし、この5年の間に新たに出会った人たちにも『これがsajou no hanaのワンマンだ』と堂々と見せられるライブがしたいという使命感が大きくて、途轍もない緊張のなか当日を迎えました。でもいざステージに出てみると、お客さんの『待ってました!』という熱に圧倒されましたね。『sajou no hanaの曲を愛してくれていた人がこんなにたくさんいたんだ!』と1曲目からアドレナリンが一気に出てきました」
当日は前体制から馴染みのサポートメンバーや、キタニのバンドメンバーらがバックバンドを務め、sajou no hanaの持ち味であるダイナミックなバンドサウンドを実現させた。
「やっぱり生バンドは最高ですね。生演奏の音と振動を浴びると血が沸き立つ感覚があるし、それぞれの楽器の音を聴きながらその上に乗って歌うと、声にも熱さや勢いが出てくるので、心が満たされました。ライブに一体感が生まれたのは、お客さんも私と同じようにあの生演奏を体感しているのも理由の一つだと思うんです」
今年9月にはこのメンバーで初のツアー『Pastel』を回る。ツアータイトルは、今後リリース予定の楽曲のキーワードから引用した。
「『Red』は生命力や情熱、祝祭感をテーマにライブ作りをしたので、ツアーでは淡い色合いを感じられる楽曲にスポットを当てられるといいのかなと思っているところですね。パステルカラーにはたくさんの種類があるので、『Red』を経たうえでのいろんな表情を全公演でお見せしたいです。もっとライブならではのアレンジにも磨きを掛けて、もっとお客さんと一緒に歌える場面も作りたいですね。東京は2デイズ開催なので、1日目と2日目で違いも見せられればと思っています」
『Red』を満員の会場で成功に導いたことで、さらに具体的な目標も見えてきた。未来を語るsanaの瞳は、爛々と輝く。
「sajou no hanaの楽曲は教会やプラネタリウムにも合うと思うので、今後そういう場所でもライブをしたいですし、長年の夢である海外公演も実現させたいですね。これだけ自分が意欲的にいられるのも、難解な楽曲やいろんなタイプの楽曲を歌えるようになったのも、3人で活動していた時間があったおかげなんです。ワクワクドキドキしながら活動できているので、どんどんいろんなことに挑戦していきたいです」
プロフィール
sajou no hana/さじょうのはな
'18年に渡辺翔、キタニタツヤ、sanaの3人で結成。'24年よりボーカルのsanaを中心とした音楽プロジェクトに。数多くのアニメ主題歌を手掛ける。
公演情報
sajou no hana“1st LIVE TOUR 2024”『 Pastel』
- 9/7(土) 東京・Spotify O-Crest
- 9/8(日) 東京・Spotify O-nest
- 9/28(土) 愛知・ell.SIZE
インタビュー・文/沖さやこ
Photo/村上宗一郎
構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載