【インタビュー】錦戸亮
2024/6/15(土)

独立して5年、
30代ラストの集大成としての“生前葬”ツアー
1月期に『不適切にもほどがある!』にゲスト出演、4月期は『Re:リベンジ-欲望の果てに-』にレギュラー出演しながら、2月~4月にかけては自身の全国ツアーをおこなうなど精力的に音楽活動を展開。ツアー最終日には、次に開催するホールツアー『錦戸亮 A-LIVE “歌葬”』の告知がされ、場内が騒然となった。コンセプトはまさかの“生前葬”。
「生前葬とは言っても別に死期が迫っているとかそういうのではなくて(笑)、集大成的なところに落とし込めたらという意図で考えました。ベスト盤を出しているわけではないけど、好きなように集大成的なことができたらいいなと」
ライブで流れた告知映像は、自身のキャラクターイラストがメキシコの死者の祭り風の派手なガイコツに変わっていくというポップなものだった。
「生前葬という言葉から、縁起が悪い、暗い印象を持つ人もいるかもしれない。でも全然そういったネガティブなものではないというのを表したかったのと、あとは国内外に限らず、僕が思うポップで可愛いものを取り入れたかったから。名前もモチーフも、いろいろ考えた結果、このタイトルとコンセプトになりました。最初は黒い服で来てもらおうかなとかも考えたけど、それは別にいいかなって(笑)」
節目節目で活動を振り返るのが集大成であるとするならば、錦戸にとって独立後5周年となる今年は、ソロとしては初の節目の年となる。
「11月に40歳になるので、30代でやる最後のライブとなる。メキシコの死者の日のお祭りが11月の1、2日で、僕の誕生日が3日。この流れは偶然なんですけど、また新たな年度が始まるのにちょうどいいタイミングでした」
ファンクラブ限定ライブやイベントも含めて、年に1~2回はツアーをおこなってきた。自身が新たに生み出してきた曲と、独立前に参加していた曲も、ライブを重ねながら披露する機会が増えてきている。
「以前の曲を少しずつっていうのは、やっぱり自分自身のメンタルによるところが大きかったと思う。自分だけで作った曲と共作と両方あって、やっぱり独立したてのときは完全にひとりで歌っていた曲にしか意識がいっていなかった。時間が経って、自然にメンタル的にそういう方向になっていったんだと思います。自分がやりたいと思ったら実行できるっていう、そういう今の環境もありがたいですしね。もしかしたら、音楽活動以外に家を作るとか唐突にそんなことを始めるかもしれない。今、映像の仕事が増えてきているのも、別に計画していたわけじゃないですから。オファーがあって自分がやってみたいと思ったことは、今後も積極的に受けていくし、特に制限することなくやっていくつもりです」
独立後の5年間は、やってみたいこと、できることを一つひとつ、その都度ベストを尽くしながら積み上げつつ、模索してきた年月でもあった。
「ひとりというのは身軽でもあるので、自分さえ動けば、やろうと思えばすぐに実行に移せる。でもすべて自分でやっているわけではないですし、任せられるところは任せながら、自分で決断したいところは自分で決めています。ライブをやるごとに、試してみたいことが生まれて、もっとこうしたらどうかな? というのがいろいろ出てくるんですよ。オーケストラの音が欲しいなってなることもあるし、かといって足していくだけじゃなくて引き算もする。今回のライブに関しては……言うてもコンセプト的には葬式ですし、そんな楽しみにしなくていいですから。何があるかわからんなぁってぐらいの軽い気持ちで、多くを求めずに遊びに来てください(笑)」
プロフィール
錦戸亮/にしきどりょう
'19年よりソロアーティストとしての活動を開始。俳優としても数多くの映画やドラマに出演している。
公演情報
錦戸亮 A-LIVE "歌葬"
- 9/12(木)18:30 神戸国際会館 こくさいホール
- 9/15(日)17:30 相模女子大学グリーンホール
- 9/16(月・祝)17:30 Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
- 9/23(月・休)17:30 市川市文化会館
- 9/27(金)18:30 グランキューブ大阪
- 9/29(日)17:30 福岡サンパレス ホテル&ホール
インタビュー・文/根岸聖子
構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載