【インタビュー】緑黄色社会
2026/9/15(火)

誰も置いていかない僕ららしい
ライブツアーにしたい
2026年は4月に2度目の『緑黄色大夜祭』を地元・愛知県で開催。幅広いファン層をもつ緑黄色社会が『地元のお祭り』の新形態を具体化した手応えはかなりのものだったようだ。
長屋「初の愛知県開催、規模拡大、出店、お祭り感の演出等、初めてのことも多く、当日お客さんが入るところを見るまでは不安でいっぱいでしたが、2日間で緑黄色大夜祭というお祭りを心から楽しんでくださったお客さんを見て本当にやってよかったと思いました」
年の後半は待望のニューアルバム「あたまご」のリリース、ツアーもスタートする。今年リリースした「章」「晴々」はそれぞれ彼女たちのもち味であるポップスバンドがもつスケール感を今のスキルやセンスで更新した重要作。「章」はドラマ『月夜行路 -答えは名作の中に-』主題歌として書き下ろされた楽曲で、大人になるほど自分以外の何かのために生きてしまう、そんな日常の中で自分自身の物語を取り戻すドラマに寄り添った。
peppe「長屋を含め、3人のメンバーが30代になってからこの作品と出会えたことも良いタイミングだったかもしれません。歳を重ねていくからこそ気づくことなど、20代では等身大に思えなかった描写も歌詞に書かれていたりするのですが、よりドラマの主人公の2人との距離感が近い存在で演奏したり届けることができたと思っています」
穴見の作曲による曲調は90年代の王道ミドルチューンの趣きも。
穴見「まさに当時の楽曲には時代を超える普遍性と、時代を彩る流行性が両立されたいいバランスの曲が多いと思っています。だからこそ今でもカラオケで歌われる曲が多いし、その時代に生まれてなかった人も聴いていると思うんです。“僕たちにはそういった楽曲制作を目指せるのでは。目指すべきなのでは”という思いが何年か前からずっとあり、そこに立ち向かったのが『章』です」
また、フジテレビ系『バレーボールアジア選手権2026』中継テーマソングとして書き下ろされた「晴々」は久しぶりに疾走感も爆発力もある楽曲に仕上がっている。
小林「制作のプロセスは曲が先でした。歌詞は長屋と僕の共作で、テーマに関しては、バレーボール選手に実際にインタビューをおこない、そこで受け取った言葉をもとに固めていきました。今回僕たちが表現した『晴々』は、見上げた青々としたそれではなく、いま頭上を覆っている分厚い雲のその上に広がる『晴々』です。雲の隙間から覗くそのわずかな光の先まで、駆け上がって伸ばした手のさらにその向こうまで、自分の手で掴みに行く人たちの背中をもうひと押しできるような歌詞を目指しました」
ブレイクビーツ的なビート感や楽器が束になって押し寄せるようなアレンジも新鮮。
穴見「スポーツなど、アグレッシブなイメージに合う音楽といえばMixture Rockみたいなところがどこかにあって。Dragon Ashさんやhide with Spread Beaverさんを中学生の頃から今までずっと聴いてきているので、影響されているのかなと思います。そんなイメージをどう工夫したら、令和・緑黄色社会に化学反応を起こすことができるのか試行錯誤しました」
リリースされたばかりのニューアルバム「あたまご」は既発のシングル曲とアルバム曲が必然性をもって共存する、緑黄色社会らしい試行が結実している。そんな手応えを感じるなか、前作「Channel U」以降のバンドの変化をこう語る。
peppe「『音楽寿命』というワードを思いつきました。昨年のアジアツアー、そして緑黄色大夜祭を経て“音楽寿命が伸びたな”と思う瞬間がたくさんあったのですが、その感覚と似たようなものを今作には感じています。決して期限を設けて音楽を鳴らしているわけではないですが、バンドとして歩みをとめないようにするためにもそういう気持ちをもつ、もてるということは大事なことなのかもなと結成15周年を前に思ったりしています」
ちなみにこの少し不思議な「あたまご」というワードが意味するところは?
長屋「これまでにたくさんの曲を作ってきました。最近曲に対して、子供のように愛おしく思う気持ちが芽生えてきたように思います。産みの苦しみなどと表現することも多いですが、苦しんだり悩んだりたくさん手をかけた分とても愛おしく思います。自分が作った曲だけでなく、他のメンバーの作った曲に対しても同じ気持ちを抱きます。そのような気持ちから『たまご』というワードが出てきて、その『たまご』はどこから生まれるのか考えたとき、私たちの『あたま』だと思いました。私たちの『あたま』から生まれた『たまご』、それが『あたまご』です。『あたまご』はあくまで私たちが生んだ、作り出したところまでをイメージしているのですが、その先は聴き手次第で如何様にも育てていってほしいなと思います」
そんな愛しい楽曲たちが存在感を示すアリーナツアーもまもなくスタート。
小林「なんだかツアーがあるごとに言っているような気がしますが、緑黄色社会の史上最大規模のツアーになります。僕たちの『あたまご』の世界に皆さんを誘えるような空間になると思います。演出やステージセットも、これまでにはやってこなかったアプローチで進行しています。かといって、ライブに来ていただくお客さんは何も気を張ることなく手ぶらで来て楽しめるような、誰も置いていかない僕ららしいライブツアーになると確信しています」
プロフィール
緑黄色社会/りょくおうしょくしゃかい
長屋晴子(Vo)、小林壱誓(Gt)、peppe(Key)、穴見真吾(Ba)の同級生3人と幼馴染で結成された愛知県出身の4人組バンド。愛称は『リョクシャカ』。
公演情報
緑黄色社会 ARENA TOUR 2026 "あたまご"
- 9/19(土) 18:00 千葉・LaLa arena TOKYO-BAY
- 9/20(日) 16:00 千葉・LaLa arena TOKYO-BAY
- 10/10(土) 18:00 マリンメッセ福岡A館
- 10/11(日) 16:00 マリンメッセ福岡A館
- 10/23(金) 19:00 大阪城ホール
- 10/24(土) 16:00 大阪城ホール
- 11/13(金) 19:00 愛知・IGアリーナ
- 11/14(土) 16:00 愛知・IGアリーナ
- 12/5(土) 18:00 神奈川・横浜アリーナ
- 12/6(日) 16:00 神奈川・横浜アリーナ
インタビュー・文/石角友香
構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載