【インタビュー】夏川りみ
家族愛をテーマに今の自分の気持ちを歌に込めています
夏川りみが「家族」をテーマにしたカヴァーアルバム『あかり』を発表した。彼女にとっては名曲を次世代へと歌い継いでいくカヴァーアルバムは、歌い手としてのライフワークの一つ。『あかり』も今のこの時期に響いてくる名曲が並ぶ作品だ。
「20周年でオリジナルアルバム『美らさ愛さ』を作り終えた後くらいから、次はカヴァーアルバムを作りたいな、家族愛をテーマにした歌を歌いたいなというイメージはありました」
コロナ禍という状況の中で〝家族〟というテーマがより鮮明な形になっていったという。
「これまではツアーであちこちを飛び回っている時間が多かったのですが、コロナによって家族で一緒にいる時間が増え、子どもが〝おとうさんとおかあさんと一緒にいられる〟と喜んでいました。私自身、家族は大事だなと実感していたので、今の自分の気持ちとも重なるなと感じました」
ファンからの要望、スタッフからの提案などであがってきた多くの候補の中から選ばれた8曲が収録されている。選曲の基準を彼女はこう語る。
「実際に自分の声を乗せてみて、しっくり来るかどうかを重視しました。もう一つ大切にしたのは、この曲を歌いたいという気持ちが自然に湧き出てくるかどうか。歌詞を大事にして選びました」
1曲目の「うたのうた」では夫であるパーカッション奏者の玉木正昭氏がパーカッション、10歳の長男がドラムという編成で、家族の共演が実現した。温かな歌と温かな演奏が染みてくる。
「スタッフから『息子さんにドラムを叩いてもらうのはどうですか?』との提案があり、本人に確認したら、『やりたい!』というので共演することになりました。いつか親子でステージで共演できたらいいなと思っていたのですが、まさかこんなに早く実現するとは思っていませんでした。今の私たちの思いを一つの歌の中に込めることができて、幸せですね。この歌がたくさんの人に届いたらいいなと思いながら歌いました」
「いのちの歌」「INORI」など命の尊さが伝わってくる曲も目立っている。脈々とつながる家族愛と身近な家族愛との対比も絶妙。「INORI」から「結婚しようよ」の流れも秀逸だ。リズミカルでキュートな「結婚しようよ」からはシンガーとしての彼女の新鮮な魅力も見えてくる。
「希望の光が見えてくる流れにしたかったのです。以前、『結婚しようよ』の中国語の歌がCMで使われていて、かわいらしい歌だなと感じていました。夏川りみの『結婚しようよ』は誰も想像できないかなと思い、あえてチャレンジしました」
『あかり』というアルバム名は先行配信された「しあわせのランプ」がヒントになったとのこと。
「人々の心に少しでも光を灯せないかなという思いから、『あかり』に決めました。これから先の未来に光が射すような作品にしたかったのです。まだまだ大変だけど、前を向いていこうねという思いを歌に込めて届けられたらうれしいです」
現在はアルバムと同じ『あかり』というタイトルがついたツアー中で、6月まで続いていく。
「みなさんの前で歌える喜びを感じています。みなさんの元気な姿が見たいです。カヴァー・アルバムの曲も何曲かやる予定ですし、沖縄の曲もやります。〝一緒に歌って声を出して〟とはまだ言えないんですが、最後にはみなさんと心を一つにして、楽しいイメージを持って、ハッピーになっていただけたらと思っています」
プロフィール
ナツカワ リミ
'99年デビュー。'01年リリースの「涙そうそう」が大ヒットを記録し、過去にNHK紅白歌合戦に6度出場。
公演情報
夏川りみConcert Tour 2021『あかり』
4/24(土)14:30/17:30 愛媛・松前総合文化センター[公演延期]
4/25(日)14:30/17:30 香川・レクザムホール(香川県県民ホール) 小ホール[公演延期]
5/7(金)18:00 神奈川・鎌倉芸術館 小ホール
5/9(日)15:00 埼玉・大宮ソニックシティホール 小ホール
5/15(土)15:00 宮城・登米祝祭劇場
5/16(日)15:00 福島・喜多方プラザ文化センター 大ホール
5/22(土)16:00 奈良・たけまるホール
5/23(日)16:00 滋賀・シライシアター野洲(野洲文化ホール)
6/4(金)17:00 愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
6/12(土)15:00/18:00 群馬・伊勢崎市文化会館 小ホール
6/17(木)18:30 東京・EX THEATER ROPPONGI
6/19(土)15:00 秋田・大曲市民会館
6/20(日)15:00 山形・シェルターなんようホール(南陽市文化会館) 大ホール
6/26(土)15:00 COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
※公演が中止・延期になる可能性がございますので詳細は各公演の公式HPをご確認ください。
インタビュー・文/長谷川誠
構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載