【インタビュー】中島美嘉

2025/5/15(木)

中島美嘉

大人が安心して泣ける場所を作りたい

近年、国内外のフェスへの出演やアコースティック編成など様々なジャンルのライブ活動を精力的に行う中島美嘉。今年は6都市に渡る初のアジアツアーを5月11日のソウル公演で完走したばかりだ。

「数年前から海外のライブオファーはいただいていたのですが、ちょうどコロナ禍となってしまい、海外渡航ができない年が続きました。ようやく自由に出国できるようになった今、待っていてくれたファンへの感謝も込めて、各国を回るアジアツアーの開催を決めました。ファンの方の熱量が本当に高くて、待っていてくれた気持ちが伝わってくるのがすごく嬉しいです。ファンの皆さんと一緒に作っているライブだなと感じます」

ツアーを通じて実感したのは「音楽に言葉の壁は無い」ということ。

「言語は違くても、私のライブを通して皆さんの気持ちを代弁し、寄り添うことができたらと思っています」と、音楽のボーダーレスな力をリアルに体験した彼女が日本のファンに届ける次なるツアーは2017年からスタートした、ピアノとコントラバスのみで聴かせるアコースティックライブ『Mika Nakashima Premium Live Tour 2025』。「大人が安心して泣ける場所を作りたい」というコンセプトを発端にもつライブに込めた、そもそもの想いをこう語る。

「大人になると、泣くことを我慢したり気持ちをコントロールしないといけないことばかりかと思います。このライブに来てくれた時だけは、感情を解放して私にぶつけて欲しいんです。皆さんの思いを私が代弁することで、安心して泣いたり笑ったりできる、そんな空間を作りたい。という思いからこのライブを企画しました」

また、バンド編成とは違うシンプルな編成ならではの醍醐味を聞くと……。

「ピアノの河野伸さんとコントラバスの海老沼崇史さんは、長年バンドメンバーを務めていただいているので、絶大な信頼があります。テンポを合わせるクリックがなく、3人の呼吸だけで演奏しているので、1曲1曲気持ちを込めて、その時でしか表現できない歌を届けられているんじゃないかなと思います。それがとても楽しいです。その反面、どうしても音数が少ないので“どうお客さんを盛り上げることができるか”など、空気感をつくることが難しい部分でもあります」

当初はファンクラブ会員に向けた小規模なライブから始まったこのアコースティックライブも今や全国のホールを巡る規模感に進化を遂げたが、変わらないのは選曲だという。

「今回は、軸となる作品はありませんが、これまでのアコースティックアルバムからの選曲や新たなカバー曲などを予定しています」

アルバム曲やファンからのリクエスト、さらに新たなカバー曲も追加されそうな嬉しい予感も。そこには長年のファンも新規のリスナーも分け隔てなく『大人が安心して泣ける場所』を守ろうとする彼女の意思が通されているのだ。アジアツアーを終えたばかりだが、「絶賛ライブに向けて準備中です!今まで応援してくれているファンの皆さんも、初めて来てくれる方にも楽しんでいただける内容になっているかと思います!是非会場に足を運んでいただけたら嬉しいです」と、熱のこもったメッセージをくれた。中島美嘉のライフワークとも言える、アコースティックツアーで、歌をまっすぐ受け止めて、疲れた心を涙と笑いで溶かす時間を共有したい。

プロフィール

中島美嘉/なかしまみか

'01年に自身がヒロインを務めたドラマ『傷だらけのラブソング』の主題歌「STARS」でデビュー。歌手、女優、そしてファッションリーダーとして多方面で活躍している。

公演情報

Mika Nakashima Premium Live Tour 2025

  • 7/30(水) 19:00 東京・イイノホール
  • 7/31(木) 19:00 東京・イイノホール
  • 8/8(金) 18:30 宮城・宮城野区文化センター パトナホール
  • 8/16(土) 16:00 兵庫・神戸朝日ホール
  • 8/17(日) 16:00 兵庫・神戸朝日ホール
  • 8/23(土) 16:00 愛知・今池ガスホール
  • 8/24(日) 16:00 愛知・今池ガスホール
  • 8/30(土) 16:00 広島市南区民文化センター
  • 8/31(日) 16:00 福岡・電気ビルみらいホール
  • 9/4(木) 19:00 東京・サントリーホール ブルーローズ
  • 9/5(金) 19:00 東京・サントリーホール ブルーローズ

インタビュー・文/石角友香
構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載


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