【インタビュー】松下洸平

キャッチボールがライブの楽しさ。一生懸命に届けたい

2021年にシングル「つよがり」で再デビューし、昨年1stアルバム『POINT TO POINT』を発表した松下洸平。ライブ／ツアーも精力的におこなうなど、俳優としての活動と並行し、アーティストとしても着実に歩みを進めている。

「まだ成長過程にいると自分では思っていますが、難しさと楽しさの両方を痛感した2年間でした。パフォーマンスのためのスキルや体力が足りてないと感じることもありますが、必要なものをひとつずつ身につけることで、確実に良くなっているはずだという思いもあって。何よりも皆さんが曲を覚えてくれて、ライブで一緒に盛り上がってくれるのが純粋に嬉しいです」

シングル「ノンフィクション」を含む2ndアルバム『R&ME』からも“アーティスト・松下洸平”の新たな進化が伝わってくる。彼のルーツである“R&B”と自分自身(ME)を絡めたタイトルは、音楽に対する強い思いが込められているという。

「R&Bやソウルが感じられる楽曲も多いし、“今の自分を表現したい”という気持ちもあって。このアルバムを作ったことで、音楽と自分は切り離せないと改めて感じました」

先行配信された「君を想う」は、「僕のもう一つのルーツであるJ-POPを意識した楽曲」。音楽性の幅もさらに広がり、色彩豊かな作品に仕上がっている。

「『You＆Me』や『Wake』はセッションしながら制作したんですよ。プロデューサーの方と一緒にスタジオに入って、曲の構想から一緒に考えて。初めての試みだったし、すごく楽しかったですね。ピアノ1本と歌だけの曲もあるし、楽曲の幅も1枚の中で広がりがある仕上がりになったと思います。前作のときよりも、自分がやりたいことや楽曲の方向性を明確に伝えられたのもよかったです。制作自体もスムーズでした」

松下自身の生の感情や経験が反映された歌詞も深みを増している。歌詞を書くことで、俳優活動にも様々なフィードバックがあるようだ。

「音楽活動を本格的に再開して、自分でも歌詞を書くようになってから、身の回りのことや周囲の人をよく見るようになったんです。人がどんなことで悩み、どんなことで感動するのかをより深く考えるようになったし、自分自身の感受性も高まっている気がして。そのなかで感じたことは芝居にも活きていると思うし、表現の引き出しが増えたのではないかなと」

2024年1月から3月にかけて、全国ツアー『KOUHEI MATSUSHITA LIVE TOUR 2024 ～R&ME～』を開催。3/13(水)、14(木)のファイナルは、東京ガーデンシアターでおこなわれる。

「“声出し”できるツアーは今回が初めて。お客さんの歌声を聴けるのは本当に楽しみです。音楽を同じ空間で共有して、キャッチボールできるのがライブの楽しさだと思っていて。僕らもお客さんから受け取るものがたくさんあるし、だからこそ“一生懸命に届けたい”という気持ちがより強くなるんですよね。ファイナルの東京公演は、前回のツアーよりもさらに大きい会場。すべてのライブがそうですが、その場所でしか見られない景色を体感してほしいですね」

今後の活動について、「まずは知ってもらうことが大事だと思っています。皆さんに楽しんでもらえるライブの空間作りもそうだし、楽曲制作においても、しっかり人の心に届く作品を作っていきたい」と語る松下洸平。アルバム「R&ME」と全国ツアーによって、アーティストとしての魅力はさらに強く浸透していきそうだ。