【インタビュー】幾田りら
2023/4/15(土)

深みや輝きを増した歌声が聴ける1stワンマンツアー
シンガーソングライターとして、そしてYOASOBIのボーカルikuraとしても活動をする幾田りら。昨年末は、milet×Aimer×幾田りら×Vaundyのコラボレーションで紅白歌合戦に出場するなど、活躍が目覚ましい彼女が1stアルバムをリリース。自らの心象風景を描き出した作品であることからタイトルを「Sketch」とした。
「一番古い曲は『ヒカリ』で、最も新しいのは『吉祥寺』という曲です。その間に約2年の歳月が流れ、個人としてもシンガーソングライターとしてのクリエイティブにも変化を感じます。楽曲集として作品を振り返ると、私にとって楽曲制作が心の日記であり、“ありのままの自分自身を自由に描ける場所”だと再確認しましたし、これからもそう在り続けたいという願いを表題に込めました」
とくに、チルなトラックが心地よくどこかノスタルジックな気分にさせる「吉祥寺」など、いわゆるアルバム曲で自身の成長を感じたという。
「私のいろんな一面を知っていただき、クリエイターとしての新たな挑戦も感じていただけるような遊び心のある曲を目指して、3つの新曲を書き下ろしました。それ以外も、“もっといろんなことをしてみたい!”という気持ちで制作に取り組みましたし、イメージをちゃんと形にできた喜びや手応えを感じる瞬間も多かったです。出来上がった曲を聴き、『こんなテイストの曲も作れるんだ!』と自分を発見するような気持ちにもなりました」
本作には、9曲ものタイアップソングが含まれる。彼女への注目度の高さをかいま見せるものだが、難しさを感じるアーティストも少なくない。幾田はどう向き合っただろう。
「テーマや原作がある場合も、自分のこととして、偽りのない言葉を紡ぎたいと考えています。テーマを深掘りしながら、自分と重なり合う部分を探していくことが大事だと思いますね。『蒲公英』は、NHKドラマ10『大奥』の主題歌として書き下ろした1曲なんですが、作品に寄り添うことで “死に際に何をもって幸せだったといえるか”という問いと、現時点での答えに辿り着くことが出来たと思います。作品から自分自身の生き方を導いてもらえるような体験は、タイアップならではですね」
音楽活動と、大学生生活を並行してきた彼女は、この春、晴れて卒業した。様々な経験から深みや輝きを増した歌声を、1stワンマンツアー『SKETCH』でたっぷりと響かせてくれるに違いない。
「ツアーが決まったとき、真っ先に頭に浮かんだのは“やっと会える!”でした(笑)。自分の曲をお客さんの前で歌うのは約3年ぶりで、初めて私のライブに来てくださる方も多いと思います。待っていてくださった皆さんに、大きな感謝を届けられるライブにしたいですね。そのためにも、歌を1対1で届ける気持ち、“今そこにいるあなたに歌っている”と感じてもらえるような歌を心がけたいです。これは活動を始めたばかりのライブから大切にしてきたことなので、ワンマンツアーでも『一人残らず目を見るぞ!』と意気込んでいます」
最後に、ライブを楽しむコツを尋ねたが、幾田自身が本ツアーを誰よりも心待ちにしていることがひしひしと伝わってきた。
「楽曲を聴き込んで、『もしかしたらここで一緒に歌うかも?』『ここで手拍子するかも?』と想像していただけたら、それだけで飛んで喜びます。そうでなくても、心と体を音楽に預けて楽しむ準備をしてくれたらそれだけで最高です。最高で最強の思い出を一緒につくりましょう!」
プロフィール
幾田りら/いくたりら
東京都出身のシンガーソングライター。「小説を音楽にするユニット」YOASOBIのボーカルikuraとしても活動。
公演情報
幾田りら 1stワンマンツアー『SKETCH』
- 7/5(水)19:00 愛知・Zepp Nagoya
- 7/6(木)19:00 大阪・Zepp Namba(OSAKA)
- 7/10(月)19:00 神奈川・KT Zepp Yokohama
インタビュー・文/橘川有子
構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載