【インタビュー】La'cryma Christi

2025/7/15(火)

眠っていた喜びの細胞にスイッチを入れることができれば！

1990年代から2000年代のヴィジュアル黄金期を彩ったバンドが一堂に会するイベント『CROSS ROAD Fest』にヘッドライナーとして2日間出演することがアナウンスされるや否や、バンド再始動がSNSで大いに話題となったLa'cryma Christi（以下ラクリマ）。その後、12年ぶりにワンマンライブツアーをおこなうことも発表して、さらに世間を驚かせたラクリマのTAKA（Vo）にバンド再始動について話を聞いた。

「私はしばらく音楽から離れていたので、歌は軽く口ずさむ程度で歌ったりするぐらいだったのですね。ある時、夢枕にKOJI（Gt/食道がんで死去）が立って『TAKAさん、身体持ってるなら歌ってよ。みんな喜ぶよ』と言うんです。3回もそういうことがありまして。そうしたらHIRO（Gt）から『KOJIの三回忌の追悼ライブで歌ってほしい』という連絡がきたので、そういうことかと思い、昨年シークレットで出演して2曲だけ歌ったんです。歌ってみたら、自分のなかで細胞が喜んでいる感じがしたのですね。KOJIも、そしてお客様もとても喜んで下さっているなというのをその時深く感じまして。それが、再びバンドで歌いたいなと思ったきっかけです」

いま歌いたいという思いが心から溢れている。その気持ちをラクリマのメンバーに伝える時、TAKAは「日本を輝かせたいんだけど、一緒にやってくれる？」という言葉を一緒に添えた。

「日本を輝かせるって、そこまで大それたことはできないかもしれないけど、音楽の力、ラクリマというバンドをやることによって、皆さんの細胞のなかに眠っている喜びを覚ますことはできると思ったのです。私たちの音楽を聴いてくれた世代は10代20代の頃に私たちと出会い、いまは日本の中核を担う30代40代50代になられている方が多くて、皆さん家庭であったり社会に出たことで、いろんなものに押しつぶされたり悩んで憂いている。私たちがライブをすることによって、その方々の10代20代の頃に感じたワクワクした気持ちや感動。眠っていた喜びの細胞にスイッチを入れることができれば“なんかあの人ウキウキしてるな”というのが周り、家庭や会社に伝導していって、この日本という国、ひいては世界、地球を輝かせることにつながっていくのかなと思うんです」

そのスイッチを入れていくのが今回のツアー『La'cryma Christi LiveTour 2025-2026 Night Flight ～final call～』の目的となる。ライブは“キリストの涙”を意味するバンド名にちなんで、2025年のクリスマスイヴからスタート。2026年1月まで全4公演を実施する。

「私たちの楽曲の特徴として、ここではないどこか。日本にいながらにしてアジアや南国、イタリアなど様々な世界を時空を越えて巡っていく。そんな情景が浮かび上がる楽曲や歌詞が多いので、夜間飛行（Night Flight）でそのような旅に誘いながらも、単に過去の曲で郷愁を味わって終わるのではなく、過去の喜びを使っていまの細胞を輝かせていきます。夜間飛行のチケットを買ったら、それを手に最終案内（final call）に間に合うようにプレーン（会場）に搭乗して頂き、一緒に旅立ちましょう」

タイトルにある「final call」には最終案内という意味とともに「ラクリマとしての最後のツアー」という意味も込められているという。これがラクリマを観る最後のチャンス。ツアーではラクリマのツインギターを再現するために、KOJIの代わりはサポートメンバーが務める。

「4人でLa'cryma Christiという形ではありますけど、KOJIの魂とともにステージには立ちます。チケットを手にした時から無限大に続くワクワクを日々の糧にして当日を迎えて下さい」

誌面連動Q&A

• Q.
  手土産を選ぶポイントは？

A.
「ジョイントライブの時にはヒロに栗饅頭を持っていきました。ラクリマとちょっとかけて(笑)」