【インタビュー】10-FEET(京都大作戦2025)

2025/3/15(土)

10-FEET

上質な疲労だからこそ、窪みに入る思い出や幸せがきっとある

夏フェスシーズンの到来を告げる存在でもある『京都大作戦』が7月5、6日に京都府立山城総合運動公園にて開催される。今ではバンドが主催するフェスの先駆け的存在として定着しているが、そもそもは10-FEETが結成10周年を迎えたタイミングでの記念イベント的なものであった。

TAKUMA「当時、フェスなどの広い会場を埋めるような動員力が僕らにはなかったんですけど、憧れだったHi-STANDARDのAIR JAMみたいなことをやってみたいと思い、仲間や先輩にお願いをして。アニバーサリーの1回きりのイベントになる予定でした。ただ、その第1回目が台風で中止になってしまったのですが、仲間がもう1回リベンジしようと言ってくれて、同じラインナップが1年後のオファーを受けてくれたんです。そういう物語を出演者みんなが共有してくれ、観に来てくれた人も楽しんでもらえたようで、来年も再来年もやってよ、という声があったんです」

NAOKI「第1回目が無事に開催できてたら、1回だけで終わってたかもしれない。続けていけるとは思ってなかったんですよ」

KOUICHI「みんなの後押しがあって続けていけたイベントですね」

その後も悪天候やコロナの影響で中止になることもあったが、今回で16回目の開催となる。しかし決して慢心することなどなく、京都大作戦へ向き合うと必ず背筋が伸びるという。

KOUICHI「周りのバンドマンから慣れたもんやろってたまに言われるんですけど、全然そんなことなくて(笑)。毎度、気が引き締まるし、自分らにとってもホンマに1年の中でとても大事なイベントの一つだと思っているんで」

NAOKI「毎年そうなんですが、時期が近づいてくると緊張感が凄く増してきますね」

常に真摯に向き合う10-FEETが旗を振っているからであろう、『京都大作戦』にはカッコよさと温かさが同居する特別なムードも漂っている。

NAOKI「大作戦はへんにカッコつけるのが似合わないというか。あと、いい意味でバンドもお客さんも理解し合えてる、許せる部分があったり。僕らもたまに調子に乗ってステージに乱入しちゃうんですけど(笑)、ああいうのも喜んでくれるやろ、とやってたりするんで」

KOUICHI「出てもらってるバンドマンやアーティストが、自分の出番が終わっても大作戦を楽しんでくれているのが嬉しいですね」

TAKUMA「仲間たちが特別なライブをしようとしてるのを目にしたり、体感することが多くて。これまでの物語を踏まえて参加させてもらいます、みたいな想いを受けとったりもしますね。もちろん、そうしなくちゃいけないわけではないし、楽しんでくれるだけで十分なんですけど、そういう傾向は毎年感じてます」

また、今回のサブタイトルは「~暑さも雨もお茶のこ祭祭~」。暑さや雨は野外ライブにおいて望ましいモノではないが、だからこそ味わえるモノもある。

KOUICHI「学生のとき、雨でも部活をやったりしてましたけど、ああいうのってテンションがアガったりもするじゃないですか。そういう状況だからこその楽しみというか」

NAOKI「そういった天候をプラスとして捉えると、記憶に残りやすいですよね。あのときの大作戦は雨が降って(地面が)田植えやったね、みたいなことを楽しそうに振り返ってる人もたくさんいますし」

TAKUMA「屋内でやるより思い出に残るような気がします。外でやったらたぶん疲れるし、移動も大変な場合が多いし、風にさらされたりもするし。でも、例えば遠足で普通のおにぎりがめっちゃ美味いのはその疲れによって食べ物を欲する気持ちをより増幅させてくれてるからだと思うんですよね。そういった上質な疲労だからこそ、窪みに入る思い出や幸せがきっとあるんじゃないかっていう」

多少の疲労を感じたとしても、足を少し伸ばせば各ステージで10-FEETの呼びかけに応じたアーティストたちが大熱演を繰り広げている。そこで感じる喜びは何物にも代えがたいに違いない。

TAKUMA「毎年来てくれている常連みたいな人っていうのは、そういうことをすでに知っちゃってて。疲れることもわかってるんやけど、それでも行ったら楽しいという……ある種、Mも入ってるロック大好きド変態みたいな(笑)。ただ、自分らもライブに対してそういった想いがあるというか。あれも上質な疲労やろうし。気が合うからああいうところで一緒にやってるんでしょうね、そういう人たちと」

最高を毎年のように塗り替え続ける『京都大作戦』。2日間の体験はいつまでも胸を離れることがないはずだ。

NAOKI「僕たちが本当に自信を持って自慢できるような仲間やアーティストを誘わせてもらってますし、初めて観るアーティストでも絶対に圧倒させるような、惹きつけられるような人しか出てないんです。新しい出会いもある場なので、それを現場で感じてほしいですね」

TAKUMA「野外フェスならではの程よい疲労を感じられますし、悪くもなく良すぎもしない会場へのアクセス(笑)。間違いなく暑いし、そこは上手にやってほしいところなんですけど、なんせ来てくれるお客さんのノリが良かったり、親切な人が多いなって凄く感じるんですよ。そういったことも含めてオススメですね」

KOUICHI「迷わず行けよ、行けばわかるさ!」


誌面連動Q&A

  • Q.
    手土産を選ぶポイントは?

A.
KOUICHI「お酒を飲むバンドマンが多いので、京都のライブハウスに遊びに行く時の手土産はだいたいビールですね」

TAKUMA「僕は栄養ドリンクばっかりですね」

NAOKI「京都にマールブランシュという店があるんですけど、そこの『茶の菓』というお菓子がめちゃくちゃ大好きでオススメです。京都のお店でもあるので、毎回手土産にしています」

プロフィール

10-FEET/てんふぃーと

TAKUMA(Vo./Gt.)、NAOKI(Ba./Vo.)、KOUICHI(Dr./Cho.)からなる京都出身のスリーピースバンド。

公演情報

京都大作戦2025

  • 7/5(土) 11:00 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
  • 7/6(日) 11:00 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

インタビュー・文/ヤコウリュウジ
構成/月刊ローチケ編集部 3月15日号より転載


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