【インタビュー】Kroi

2025/10/15(水)

アリーナでも楽器の音、演奏をつぶさに伝えるライブを。

ファンク、ソウル、R&B、ヒップホップ、ロックなどを独自に融合・昇華させつつ、ポップシーンに痛快な風を吹かせるキャッチーさを併せもつKroi。今夏はTVアニメ『SAKAMOTO DAYS』第2クールオープニングテーマ「Method」、映画『九龍ジェネリックロマンス』主題歌「HAZE」という対照的な2曲が話題になった。今回はバンドから関将典（Ba）、長谷部悠生（Gt）、益田英知（Dr）が新曲、そして来年の初のアリーナツアーについて答えてくれた。まず、「Method」はアニメのOPとしては新鮮な生のバンド感が印象的な仕上がり。

長谷部「タイアップの作品で音を足しすぎるとライブで音源より迫力が出てないことに悩んだりするんですけど、「Method」はレコーディングする前に5人で演奏してみて、そのセッションを軸にアレンジやソロの構成を決める今までになかったやり方で。セッションらしいセクションを音源に落とし込めました」

一方「HAZE」は白昼夢的な世界観とアレンジにKroiの新しい色気も感じられる。

関「アジア圏独特の湿度感やオリエンタルな空気感みたいなものを作品から感じていましたし、自分たちもそこに魅力を感じていて。ここ数年台湾や韓国でライブをやらせていただく機会が増えたので、その街に感じた魅力みたいなものをこの場をお借りしてじゃないですけど、楽曲に落とし込んで表現できるっていうのはすごくいい機会でした」

アジアの街の空気感を尋ねると「室外機がすごい数くっついている台湾のビル、あれに惹かれるんですよね。ビル自体が古いというのもあるんですが、全体的に色褪せていて、でも日差しは強いあの感じ」と益田はいう。

2025年は初のアコースティックツアーに続き、現時点では初のホールツアーが終了したばかりで、ライブも新たなアプローチが続いた。

関「伝える熱量だったり音圧はもちろん違うんですけれども、根底にあるのは楽しむことや楽しんでもらうこと。そのアコースティックライブで得たノウハウや新しいアレンジは今後にも活きていく感覚があるので、ホールツアーもその後にあるアリーナツアーにももちろん活きてくるんじゃないかなと思います」

ちなみに2025年2月の初アリーナを振り返ると？

益田「会場が大きいから音響もそんなに聴きやすい環境ではないとは思っていて、そういうところで楽器好きな我々の音がどのぐらい表現できるのかはかなり未知数だったんですけれども、実際にやってみると熱量やプレイは伝わることがよく分かったんです。なのでこれからもチャレンジしていきたいと素直に思えたし、技術的にももっともっと練習して上手くなって、伝えるところを多くしたいですね」

関「演出に関して言えば実はもう動いていて。ぴあアリーナMMとも武道館ともまた違った経験はもちろんしていただきたいので、その辺はぜひとも楽しみにしてほしいですね。新しいリリースに紐づいてないツアーなので、何かしら新しいアクセントになるものを代々木第一体育館と大阪城ホールまでに生み出せたらいいなと」

長谷部「大阪城ホールでレッチリ（レッド・ホット・チリ・ペッパーズ）のライブを見たことがあるんですが、そのとき、屋台が出てお祭りみたいになってたんですよ。だから俺もなんかやりたい。これを読んでいる人、実現しなかったら本当申し訳ないんですけど…。現状2025年8月の自分はお祭りにしたいですね」

誌面連動Q&A

• Q.
  手土産を選ぶポイントは？

A.
長谷部「手土産というのは、自分が良いと思ったものを相手に渡す『エゴの押し付け』だと思っています。自分では買わないものをもらえるのが手土産の醍醐味なので、普段から自分が“良かった”と感じたものを脳内にストックしています」

関「レコーディングのときの差し入れの定番は、行きつけのコーヒースタンドで販売されているコーヒーと、その系列である焼き菓子のお店のドーナツです。どんなシチュエーションでも多すぎず少なすぎず、ちょうどいい塩梅の量を贈る意識をしています」

益田「手土産を選ぶときは“相手が笑顔になるものはなんだろう”ということを第一に考えるようにしています。ハッピーな気分になってほしいので、カラフルなものを選ぶことが多いですね。私は押し付けではなく、寄り添うタイプです(笑)」