【インタビュー】柴咲コウ
2025/7/15(火)

過去を振り返り、未来に思いを馳せ。時空を超える“邂逅”を!
2023年7月に芸能活動25周年を迎えた柴咲コウは、それまでは意識して分けてきた“お芝居”と“音楽”という2つの表現方法の融合に挑み始め、同年11月には映画やドラマで自身が歌ってきた代表曲に加えて、彼女が出演した作品の主題歌や挿入歌のカバーを織り交ぜた集大成的なアルバム『ACTOR’S THE BEST ~Melodies of Screens~』をリリースし、4年半ぶりの全国ツアーを開催。自身の“四半世紀を巡る旅”をテーマにしたツアー後に「お芝居と音楽の融合を継承して磨き上げる」ことを宣言。昨年11月には“循環”や“円”をコンセプトにしたEP『響宴』をリリース。全国12都市にわたるコンサートツアー『ACTOR’S THE BEST~響宴~』を開催した。
「お芝居をやってきたことと歌を歌い続けてきたことの融合を考えた時に、私ができるのはストーリー性のあるライブを届けることかなと思ったんですね。だから、本編はMCを一切なしで、心の揺れ動きを躍動感を持って表現する相手役として、パフォーマーさんに入ってもらった。私は主人公と想定した一人の女性を纏うことで、ふたりのラブストーリーを作ることができた。自分が出演してきた作品の主題歌や挿入歌を集めたアルバムやEPを踏まえた上で、1つの象徴的なライブになったと思いますね」
元宝塚歌劇団の帆純まひろと澄風なぎが語り部やパフォーマーとして出演し、開演前には場内が森の香りのようなフレグランスで満たされるなど、これまでにない演出を敢行。五感を刺激するツアーの後半では彼女が「1年前くらいに出会って、夜な夜なYouTubeで聴いている」というハンドパンがバンドに加わり、サウンド面でも多彩さが増した。そんなツアーを終えた彼女は「音楽とお芝居の融合」に確かな手応えを掴んだよう。
「あんまりお芝居の要素が強すぎると独りよがりになってしまうから、ショー的な面白さや余白は大切にしたいと思っていて。でも、普遍的な人生観や愛をストーリーとして伝えるということは今後もブレずにやっていくと思う。年に一回なのか、2年に一回なのかはわからないけど、やっと“やる意義”が生まれた気がして。その時その時でテーマは変わるけど、これまでの自分の曲と新曲をミックスさせて、1つのストーリーを奏でるというスタイルがしっくりきたし、音楽もお芝居もずっとやってきた自分だからこそできる表現なのかもしれないなと思えた。『響宴』で“ACTOR’S THE BEST”の土台ができた実感があるし、今はそこをもっと磨いて、定期的に届けたいという思いが強くなっていますね」
彼女が「ライフワークになってきた」と語る『ACTOR’S THE BEST』シリーズが、3年連続で開催されることが決定した。今年はさらに規模を拡大し、パシフィコ横浜国立大ホールやNHKホールを含む全国17都市で開催。「偶然の出会い」や「思いがけない巡り会い」を意味する“邂逅”というコンセプトが冠に掲げられている。
「普遍的な昔の曲も歌うというベースがありつつ、自分自身は時の流れとともに動いていて。“今”という時点はどんどん変わっているわけですよね。その“時間”という流れの中で、何をどうしていくか?というのがテーマであり、私たちの宿命でもある。その中で、過去を振り返ってみたり、未来に想いを馳せてみたり。ちょっと時空を超えていくかもしれないし、自分と他者、男と女という対にもフォーカスしたいなと思っています。私が歌っていることを知らない人もいるのが課題ではあるんだけど、昔の曲を大切にするのと同時に、今の自分の音楽表現も諦めずに追求したいと思っていて。新曲のラインナップを増やしながら、飽きない魅力的なライブをやりたいと思っているので、ぜひ生で観てほしいですね」
誌面連動Q&A
- Q.
手土産を選ぶポイントは?
A.
「インスピレーションは大事ですね。雪化粧されていてココナッツっぽい白いわらび餅を差し入れた時、すごく品が良いので現場には合わないかなと思ったんですけど、20代前半の若いスタッフにすごく好評でした。ただ、すごくお腹が空いている時ならご飯系や総菜系がいいでしょうし、TPOを考えるのも大事ですね」
プロフィール
柴咲コウ/しばさきこう
俳優・アーティスト・レトロワグラース代表。数多くのテレビドラマ、映画に出演するほか、’02年に歌手デビューし、アーティストとしても活躍。
公演情報
KO SHIBASAKI LIVE TOUR 2025 ACTOR’S THE BEST ~邂逅~
- 11/3(月・祝) 18:00 宮城・トークネットホール仙台(仙台市民会館)大ホール
- 11/7(金) 18:30 ぎふしんフォーラム(岐阜市民会館)
- 11/16(日) 17:30 千葉・松戸 森のホール21 大ホール
- 11/22(土) 18:00 山口・KDDI維新ホール
- 11/24(月・休) 18:00 静岡・アクトシティ浜松 大ホール
- 11/29(土) 17:30 ザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県立県民文化センター)大ホール
- 12/7(日) 17:30 福岡国際会議場 メインホール
- 12/11(木) 18:30 トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)大ホール
- 12/13(土) 17:30 北海道・札幌市教育文化会館 大ホール
- 12/20(土) 18:00 神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
- 12/26(金) 18:30 NHK大阪ホール
- 12/28(日) 17:30 石川・本多の森 北電ホール
- ’26/1/4(日) 17:30 香川・サンポートホール高松 大ホール
- ’26/1/11(日) 18:00 東京・NHKホール
- ’26/1/17(土) 18:00 上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
- ’26/1/23(金) 18:30 ロームシアター京都 メインホール
- ’26/1/24(土) 17:00 なら100年会館 大ホール
インタビュー・文/永堀アツオ
構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載
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締切: 8/14(木)まで
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