【インタビュー】King Gnu
ニューアルバムを携え全国ツアーを開催!
2019年、TOKYO音楽シーンをひっくり返す新しい才能、King Gnu(キング・ヌー)が覚醒した。1月16日(水)にリリースするアルバム『Sympa』が素晴らしい。早くも年間ベストと断言したい大傑作アルバムの誕生だ。
詞曲を手がける、東京藝術大学出身の鬼才音楽家、常田大希を中心とした4人組ロックバンド、King Gnu。シアトリカルなアルバム冒頭、信号音が不穏な空気を生み出すカオティックかつヴァイオレンスな映画的イントロダクションの妙。中毒性が高いスキルフルな演奏力によって、混沌という知性にポップという名の秩序を与える極上のセンス。記憶を支配する強度なメロディーによって“初期衝動”を射抜く極上の高揚感。本作がメジャーデビュー作とは思えない、ずば抜けたエンターテインメント性の高さに驚かされる1枚だ。
井口 バンドの軸が定まってきてビジョンが明確になったというか。(常田)大希のやりようも固まってきたと思うんです。4人でどこに向かうかが見えてきたというか。絶好のタイミングでのアルバムになったと思います。
常田 アルバムに『sympa』というタイトルを付けたくらいなので、これからもっとデカくなろうっていう“Sympa(シンパ)”を募るという意味を持つ1枚になったと思います。名刺代わりとなる自信作ですね。
勢喜 音楽性は広いと思います。いろんな人に刺さるエッセンスを各曲に搭載できたと思うので、反応が楽しみですね。
新井 格段にポップネスが増していますね。でも、スタンスは一切変わってないのでマイナスにはなってないはず。ここまでポップにしても釣り合いが取れるんだなって認識できたアルバムです。自分たちのキャパシティーの大きさを改めて実感できた作品ですね。
King Gnuにとってメジャーデビューは通過点にすぎない。しかし、オーディエンスと向き合い、ライブを着実に重ねてきたことでSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)への出演、CHAIとともに回ったアメリカ・ツアー、二度出演した世界へ誇る国内最大級のロックフェス『FUJI ROCKFESTIVAL』、超満員となった『CINRA presents exPoP!!!!!』など、いくつものターニングポイント、忘れられないシーンを乗り越え成長してきた。
常田 ライブが与えてくれた影響は大きいです。この1年、かなりライブしてきたし。それで学んだことが反映されていると思います。ライブでの成長、それは絶対にありますね。King Gnuは自由自在に音楽をライブを楽しんで、ジャンルも関係なく無視してやっていきたいと思ってます。
バンドの好調さがあらわれた4曲目「Sorrows」に注目したい。疾走感溢れる高速ビートチューンという、従来のKing Gnuらしさから逸脱した新境地を感じたナンバーだ。今後のKing Gnuを占う、重要な方向性を指し示す楽曲かもしれない。そもそもKing Gnuは過去からの継承を卓越したオリジナリティーとして消化しており、その印象は誰にも似ていなく、何にも属さない。まさに“トーキョー・ニュー・ミクスチャー”を地でいく強靭なサウンドスタイルだ。多様性溢れる羅針盤なき時代に一片の光を指し示す、“ロックスター像”の21世紀解釈とでもいうべきか。
常田 King Gnu的には、これまでトライしてなかった感じで。でも、『Flash!!!』でちょっとつかんだ流れの延長ですね。元々は、アニメ・タイアップに向けて書いた曲だったんです。結果、違う曲になりました。
勢喜 いいレコーディングができたな、と。音楽的にもKing Gnuにありそうでなかったラインだし。けっこう作りがシンプルというか。
新井 最近、カバーしてくれるバンドが増えてるんですけど、難しい曲の多いKing Gnuの中では比較的カバーしやすい曲かもしれませんね。
ライブを重ねることで成長してきた4人。3月からスタートする、過去最大級となる全国8ヶ所11公演となるツアー『King Gnu One-Man Live Tour 2019"Sympa"』への意気込みを聞いた。
井口 全国をまわることで、いままで以上に聴かれることになると思うので気合い入れたいですね。アルバムを聴いたらライブに来たくなると思うので。そのときはローチケで買ってください(笑)
勢喜 やるべきことをやります。
新井 ツアーということで、これまで以上の積み上げがきっとあると思うので、最後、新木場STUDIO COASTの日にどうなっているかが自分でも楽しみです。ツアーの始まりと終わりでは、絶対に何かが変わっていると思うんですよ。
常田 アルバムを通じて“Sympa”を増やして。ツアーを経て、もっとデカい(ヌーの)群れになれたらと思っています。
プロフィール
キングヌー
クリエイター常田大希(Gt.Vo.)がSrv.Vinciという名前で活動を開始。常田、勢喜遊(Drs.Sampler)、新井和輝(Ba.)、井口理(Vo.Key.)の4名で、'17年4月からKingGnuの名で活動中。
公演情報
King Gnu One-Man Live Tour 2019 "Sympa"
2019/3/3(日)18:00 東京・新木場STUDIO COAST
3/7(木)20:00 愛知・ダイアモンドホール
3/9(土)18:00 福岡DRUM LOGOS
3/17(日)18:00 大阪・BIGCAT
3/18(月)20:00 大阪・BIGCAT
3/21(木・祝)18:00 香川・高松MONSTER
3/22(金)20:00 広島クラブクアトロ
3/30(土)18:00 北海道・cube garden
3/31(日)18:00 北海道・cube garden
4/5(金)20:00 宮城・仙台Rensa
4/12(金)18:30 東京・新木場STUDIO COAST
インタビュー・文/ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載