【インタビュー】神はサイコロを振らない
僕らというロックバンドにしか歌えないことを
エモーショナルなライブを積み重ね、シーンに揺さぶりを掛けて来た新進ロックバンド、神はサイコロを振らない。全詞曲を手掛ける柳田周作(Vo)は、5月にリリースするミニアルバム『ラムダに対する見解』で「新しいことにチャレンジしたかった」と語る。
「これまでにない色を出せたし、メッセージ性が高い作品になりました。元々強みだったバラードは、自分の曲なのに泣けるほどの名曲ができたなと(笑)。それはさておき、現時点での最高傑作を作ることができたと思っています」
冒頭の「アノニマス」は凄まじいグルーヴ感に乗せ、舌鋒鋭く言葉を吐き、社会に強烈なパンチを食らわせる。
「このSNS時代では皆、匿名で何でも言えてしまうし、自由をはき違えている危ない時代。中高生がSNSから始まったいじめに遭うなど、言葉一つで人の命が簡単に奪われてしまう世間に対する不満や憤りをぶちまけています。そういう、僕らというロックバンドにしか歌えないことをちゃんと歌いたかったんです」
亡き敬愛するミュージシャンへの感謝を歌った「CLUB 27」、突き抜けたポップなアプローチに挑み、「故郷・九州の旧友を思い浮かべながら書きました」と明かす「No Matter What」など、多彩な5曲を揃えた。作品名はバンド名同様、物理学者アルベルト・アインシュタインに因んでいる。
「相対性理論を証明する際、ラムダという宇宙定数の必要性を説いていたんですけど、それが間違っていたとバッシングを受けて。『生涯で最大の失敗』と後悔したまま亡くなったんですが、最近になって正しさが立証されたようなんです。自分が言うのもおこがましいですが、僕はアインシュタインに生前、後悔なんてしてほしくなかった。僕らはこの現代に音楽を産み落とせば当然いろんなレスポンスが来るわけです。でも、今まで以上に音楽に対する情熱を持ちながら取り組んだ作品だし、誰に何を言われようと、その信念を生涯貫き通したいんです」
6月からはワンマンツアーを開催。
「今までの“神サイ”をぶち壊したいです。このツアーを機に自分たちで波を作って行けるところまで行きたい。誰よりもカッコいいライブを見せたいです」
プロフィール
カミハサイコロヲフラナイ
柳田周作(Vo)、吉田喜一(Gt)、桐木岳貢(Ba)、黒川亮介(Dr)からなる4人組ロックバンド。
公演情報
「神はサイコロを振らない Live Tour 2019 “ラムダに対する見解”」
6/28(金)19:00 愛知・ell.SIZE
7/5(金)19:00 大阪・Zeela
7/12(金)19:00 東京・WWW X
7/19(金)19:00 福岡・Queblick
インタビュー・文/大前多恵
構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載