【インタビュー】JUON

【インタビュー】JUON

ロックバンドFUZZY CONTROL(通称:ファジコン)のギター・ヴォーカルとして2003年6月21日に「SHINE ON」でデビュー。SATOKO(Dr)、JOE(Ba)と共に3ピースバンドとは思えない圧倒的な演奏力とサウンドで頭角を現し、DREAMS COME TRUE、稲葉浩志、スガシカオなど錚々たるアーティストのサポートギタリストとしても活躍しているJUON(ジュオン)。ソロプロジェクトではEDM要素を存分に取り入れ新境地を開拓した1stアルバム『CHANGE THE GAME』をリリース、また「NIVEAブランド」 の2017年CMソングとして全国的にオンエアされた「“あいしてる”って言えなくて」では壮大なバラードを披露するなど、彼の音楽的才能を“感じるままに“、”余すことなく“発揮している。

そんなJUONが原点回帰、ギンギンのロックサウンドをひっさげ待望のセカンドアルバム『HOPE IN BLACK』を10/31(水)にリリース。“ギタリストとして思いっきりギターを弾いた”という新作たちを携え、ワンマンライブツアー「JUON ~CHANGE THE GAME 10音?2018」後半戦がスタートする!

「ギターヴォーカルとして一番カッコイイのは、ギターを弾いている時」その言葉を信じて思いっきり弾いて歌ってます(笑)。

 

―先日「11月を守る本」のインタビューでSATOKOさんに登場してもらった時、「とにかくJUONが天才だ」「JUONがいなかったら私のアルバムはできなかった」と繰り返し話してくれました(笑)。

JUON  (笑)。楽しくやらせてもらっただけなんだけどね。自分のレコーディングをしながらSATOちゃんの楽曲制作をやって、三代目J Soul Brothersの登坂広臣さんのツアーのサポートで各地を回る、みたいな状況だったからスケジュール的にはまあまあ忙しかったんだけど、自分は忙しくしている方がイイみたい。いろんなことが血となり肉となって自分自身の可能性が広がった気がするんだよね。登坂さんの歌声を聴いているだけでインスパイアされるし、みんなと音楽をやるのは何より楽しいから、自分の曲作りだけに集中する感じじゃなかったのが、僕の活動にとってもイイ方に作用したと思う。

―前作とは違い、最新アルバム『HOPE IN BLACK』は思いっきりロックサウンドのJUONが戻ってきた!という印象を受けましたが。

JUON  どういうアルバムにするかを考え始めた時、今度はもっとギターを弾こうと思っていたのが一番だった。今作でデザインをお願いしたデザイナーの河原さん(河原光TLGF)といろんな話をさせてもらっていくなかで僕が創りたい作品の方向が明確になったかな。コンセプトが研ぎ澄まされていった気がするんだよね。最初に河原さんが「ギターヴォーカルっていうのはギターを弾いて歌っている姿が一番カッコイイんだよ!」って言い切ってくれて、自分のイメージとピッタリだったから“思いっきり弾くぜ!”って (笑)。ギターロックを追求しながらダンスミュージックの要素も含みつつ、自分の頭の中にずっと流れていた様々なリフをふんだんに入れてみんなに新曲を届けようと思ってました。

【インタビュー】JUON

―最初に聞いてしまいますが、前作と大きく違うところは?

JUON  ソロプロジェクトが始まったこの2年間は“自分の歌を探す旅”だった気がしています。1枚目を作り出した時は冒険の嵐で、とにかく試行錯誤しながら「これから何が始まるんだろう」とか「どういう世界が見えるんだろう」、「やってみよう!」というワクワクが原動力でした。ロックのルーツはあるけれど、バンドから離れソロになったからいきなりジャンルレス(笑)。ダンスミュージックの要素とロックを合わせたらどんな風に曲が覚醒するか試してみる、やってみる、という感じだったかな。この2年で歌に対する気持ちにも変化があったし、自分の中で少しだけ何かが分かった気がするんだよね。だから、今回は最初から狙う先が見えていて、「こうなるだろう」「こうしたい」というところに自分で落とし込んでいくことができた。ワクワクはもちろんあるけれど、ちゃんと地に足が着いていたと思うし、洗練させた作品ができたと思ってます。コレって本当に経験が成せる業だよね(笑)。

―同じところに立っていても、1周回って来たか、回っていないかでは大きな違いがあるということですね。

JUON  そう。そこに立つ自分が全然違う。自分の引き出しの中にある過去の材料だけでいくらコネクリ回しても新しい音楽は生まれない気がするんだよね。時代の流れにアンテナを張って、取り入れるか入れないかは別だけど、いったん新しい音をインプットして自分の中にあるものと混ぜてみたり、並べてみたり、やっぱりいらないから捨てたりしてアウトプットするっていう感じかな。うまく説明できてるかわからないけど(笑)、自分の中にあるものだけじゃダメで、今の時代の感覚を知っていないと、テクニックでどう取り繕っても“もさッ”としちゃう気がするんだよね。

―アルバム『HOPE IN BLACK』はこれまでの経験を生かして原点回帰を成した1枚ということですね。

JUON  これまでの集大成だと思う。でも“これまで”ね(笑)。ここからはまた新しいことが始まると思うから。

【インタビュー】JUON

『HOPE IN BLACK』。聴いている時だけ落ち着かせてくれるんじゃなく、現実がやってきても「人生も悪くないか。明日もがんばってみよう」と思えるような、聴いた後でも寄り添ってあげられるような作品にしたかった。

 

―目だけ見えてるおもしろいデザインのジャケットですね。

JUON  このデザインに今回のコンセプトが詰め込まれてるんです。曲はもちろんなんだけど、このジャケットのデザインに注目して欲しいですね。最終的には黒で塗りつぶしているけれど、黒の中には10色のいろんな色が本当に塗ってあって、それを敢えて上から黒でつぶしてあるんです。黒の部分をヤスリで少し削ると、削り方によって下からいろんな色が出てくるというデザイン。人生だから辛いこととか、悲しいこととか、目の前が真っ暗になるようなことが大なり小なり毎日、誰にでもあると思う。でもたとえ暗闇に支配されても、この音を鳴らせば、その黒いものをちょっとでも削ってみれば、楽しかったこと、素敵な出会い、夢とか、好きな人でも何でもイイんだけど、“希望”につながるいろんな思い(色) があるはず、という意味を込めのタイトル『HOPE IN BLACK』なんです。

―1曲目がタイトル曲の『HOPE IN BLACK』。この骨太なロックサウンドが心地いいですね。ギュンギュン弾いてますね(笑)。

JUON  これからツアーが始まるなかで、「今回のライブ、気合入ってます!!!」という意気込みも感じて欲しかったので、自分と一緒に音を出してくれるツアーメンバーと録ろうと決めて、このアルバムのなかでは唯一、生でメンバー全員で一緒にレコーディングしています。みんなでガチャガチャ楽しそうな感じが伝わるでしょ(笑)。

―『HOPE IN BLACK』と『We Gotta Go』は決意表明通りのロックサウンドですが、さっきの言葉通りEDMも通ってきたからこそのロックに仕上がっていて、1作目との違いがハッキリありますね。

JUON  NEWSに楽曲提供した『BLACK FIRE』もそうなんですが、自分のプロジェクトでやるからには歌だけ変えるんじゃなくて、ロックとダンスミュージックの融合した感じを色濃く出しながらも、エグイくらいの音を作ったほうが自分らしさを表現できるかなと思ったんです。だからTeddyLoidさんとのタッグはメチャクチャ嬉しかったです。彼がプロデュースした「ダイキライ feat. ちゃんみな」のアレンジが自分のイメージにハマっていたので、『BLACK FIRE』をお願いしたんです。スゴく変化のあるサウンドに仕上がって大満足です。

―今回もいろんなアーティストのみなさんとコラボしてますよね。

JUON  I.N.Aさんとか、T-DOTさんとか本当に素晴らしい方々とご一緒させてもらいました。

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―それでいくと5曲目の『ZETTAI』は以前ならJUON作品に無かったタイプのサウンドですよね。

JUON  ソロプロジェクトならではの楽曲かもね。この曲は「朝でも昼でも夜でもない時間ってどこだろう・・・」ってふと考えたのがキッカケで作り出した曲なんだけど、自分は夕陽が沈んでボンヤリ周囲がオレンジと紫色に染まる、夜に切り替わる手前のあの瞬間がスゴく好きで、その時間を曲にできないかなと思ったんだ。一瞬しかないその時を表現したくて“永遠じゃない”という言葉が浮かんだんだけど、昔は「永遠に愛している」「永遠に一緒に」って使う「永遠」っていう言葉が自分はスゴく好きだった。でもある時を境に「“永遠”っていうのは単に言葉でしかなくて、永遠が無いことを知っている人間が作った、ある意味その場しのぎの言葉なのかもしれない」と思ったんだよね。

―確かにその通りですね。

JUON  それならば「永遠」っていう言葉は無いほうがイイと思ったから、「永遠はいらない」っていう歌詞につながるんだけど、朝でもない、昼でもない、夜でもないその限りあるひと時のなかに「“永遠”はいらないから、その変わりにずっと君のそばにいさせて」「君のそばにいられるなら、どんな形でもいいから一緒にいたい。僕はそれだけを望んでいるんだ」という想いをのせました。“永遠はないけれど、だからこそ逆にずっと・・・“というイメージが曲にできて言葉にできて嬉しかったな。自分の中ではとてもしっくりきてる曲です。

【インタビュー】JUON

―以前「歌詞を書くのはホント大変」と言ってましたが、今でも歌詞を書くのは苦労していますか?

JUON  昔は書かなかったというより、なかなか書けなかった(笑)。今でも変わらず僕は作詞が得意なタイプではないので、とにかく書いて書いて書きまくるスタイルです。メロディは言葉が持つ音だったり、イントネーションや韻とか、文字数でスゴく変わる。僕の場合は曲が先にできるから、鼻歌混じりのテキトー英語みたいな言葉で歌っているときのイメージが言葉ひとつで全然変わってしまう。この曲にどんな言葉を乗せたらイイんだろう?というところから始まって、書いて書いて言葉を探していく。歌詞というより言葉の響きなのかもしれないけれど、最初に下りてきた曲のイメージを超える言葉が揃うまでが大変。曲もそうだけど、やっぱりその時感じていることがそのまま出ることが多いし、一度書き上げても「これでいいの?」「これが書きたかったんだっけ?」って何度も何度も自問自答の繰り返しです。

これ以上悲しいことはない悲しみを知って作った曲があるから、もうこれ以上淋しい曲も悲しい曲も書く必要はない。だったら自分は前向きな曲を作ればいいと確信したんです。

【インタビュー】JUON

―デジタル配信された楽曲も収録されていますが、ここに『フレー』が入ったのがとても印象的ですね。

JUON  『フレー』は今回収録する他の曲との雰囲気が全然違うから「浮きすぎちゃうかな」と思ったけど、次の曲を『Shining Us』にしたことと、曲にメッセージがあるから逆にALBUMの中に入って存在が変化した気がしてます。この曲が全体の中でバランス良く収まったのが自分の中では大きな発見だったな。

―ギターを弾かずにはいられない、自分の中にある想いを書かずにはいられなくて生まれた曲でしたね。

JUON  僕には音楽があってくれて本当によかった。唯一、自分が思っていること、感じていることを表現できる方法だから。未だにあの時の感情の変化がどうだったのか自分では理解できてないけれど、とにかく悲しすぎて訳がわからなかった。人が生まれて”お空”に行くというのは自然の摂理でコントロールできないことなのは頭でわかっているけれど、どうやっても悲しい気持ちがなくなることはなくて、その感情とどうやって向き合っていくか、何とかして自分のなかで消化していくしかなかった。母への想いを曲にして言葉にしてみたけれど、自分の中にあるものが全て表現できたわけじゃなかった。そんな時、美和ちゃん(DREAMS COME TRUE吉田美和)に相談したんだよね。俺が何を思っていて、何が言いたいのか彼女は全部わかってくれていたから、俺が書いた歌詞を見て「JUONが言いたいことは、この表現じゃなくてこうかもね」って言葉を紡いでくれた。俺も自分の想いをどうやって言葉すればいいのか、その言葉が果たして正しいのかさえわからなかったから、「JUONの言いたいのはこういうことじゃないかな」ってアドバイスもらえる言葉が本当にジャストフィットで。「そうそう!何でわかるの!?!?」って(笑)。どう考えてもその言葉以上にピッタリはまる表現がなくて。彼女は「これしかない」っていう言葉で表現するんだよね、本当に天才です(笑)。アーティストとして常にリスペクトしてるのはもちろんだけど、このとき相談相手になってくれたことにスゴく感謝してるし本当にありがとうと伝えたい。美和ちゃんと一緒に作った『フレー』という曲ができたのは”お空”に行った母からの贈り物だと思ってる。

【インタビュー】JUON

―『Shining Us』への繋がりは、音を聞いているだけでも光が射すような、まさに“希望”を感じさせる流れでした。

JUON  そこは自分でいうのもなんだけど、『フレー』から『Shining Us』の部分を聴いていると自分の曲なのに自分が励まされるんだよね。気持ちが弱くなっている時でも「迷うな。振り返るな」って自分の背中が押されてる気がするの(笑)。自分がこういう気持ちになるということは、たぶんみんなの背中も押してあげられるんじゃないかって。淋しいとか悲しい感情を歌にすることは多いけれど、自分としては今後『フレー』を超える悲しみや淋しさを歌う曲はないということがわかった。これ以上悲しいことはないほどの悲しみを知ったから、もう淋しい曲も悲しい曲も書く必要はないと思ってる。だったら自分は思いっきり前向きな曲を作ればイイと確信したんです。いろんな音楽が溢れていて、自分を迷わせてくれるというか音の中に逃避できる曲もたくさんあるけれど、STOPボタンを押すと目の前には現実に戻るでしょ。音楽に包まれている時は一瞬現実から離れられるけど、今回自分はSTOPボタンを押した時に現実がやってきても「人生も悪くないか。明日もがんばってみよう」と思えるようなアルバムを作りたかった。聴いている時だけじゃなくて、聴いた後でも寄り添ってあげられるような作品にしたので、その感じがこの作品を通してみんなにも響いてくれると思ってます。

―このアルバムをひっさげワンマンライブツアー「JUON ~CHANGE THE GAME 10音?2018」後半戦がスタートです!

JUON  みんなが待っててくれるところに自分が新しい音楽を持ってライブをしに行けるのがメチャクチャ楽しみです。最初の時はアルバム1枚しかなかったから曲を全部やっても30分しかなかったんだけど(笑)、実際にライブは2時間以上やってて、僕ずっとしゃべってたのかな?みたいな感じだったよね(笑)。でも今回は1枚目と2枚目のアルバムが交差してスゴくいいライブになると思う。一緒にロックして欲しいし、一緒に盛り上がって欲しいです!その日にしかできない特別なライブにしたいと思います!遊びに来てね!

【インタビュー】JUON

公演情報

「CHANGE THE GAME 10音 ~vol. 6音~」

[開催日] 2018/11/9(金)
[会場] 名古屋・Electric Lady Land
[時間] 開場 18:30 / 開演 19:00
[料金] ¥4,300

「CHANGE THE GAME 10音 ~vol. 7音~」

[開催日] 2018/11/10(土)
[会場] 大阪・MUSE
[時間] 開場 16:30 / 開演 17:00
[料金] ¥4,300

「CHANGE THE GAME 10音 ~vol. 8音~」

[開催日] 2018/11/22(木)
[会場] 福岡・DRUM Be-1
[時間] 開場 18:30 / 開演 19:00
[料金] ¥4,300

「CHANGE THE GAME 10音 ~vol. 9音~」

[開催日] 2018/11/23(金・祝)
[会場] 沖縄・桜坂セントラル
[時間] 開場 16:30 / 開演 17:00
[料金] ¥4,300

「CHANGE THE GAME 10音 ~vol. 10音~」

[開催日] 2018/12/25(火)
[会場] 東京・品川プリンス ステラボール
[時間] 開場 18:00 / 開演 19:00
[料金] ¥4,500

■注意事項
未就学児童のご入場は出来ません
ドリンク代別

 

 

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