【インタビュー】INSPi
オーディエンスと一緒に楽しむクリスマスライブを開催!
15周年記念が『15(いご)ヨロシク』で16周年が『16(いろ)っぽいネ☆』、昨年の17周年は『17(いな)せだネ☆』と銘打ち12月のツアーをおこなってきたアカペラグループ・INSPi。
18周年はシンプルに、オーディエンスと一緒にクリスマスを楽しむタイトルをつけたという。北剛彦、渡邉崇文、吉田圭介、杉田篤史の4人に話を聞いた。
北 クリスマスライブでは『一緒にクリスマスを楽しみましょう』という姿勢で臨めるので、僕らも気負わずに楽しめるライブができると思います。クリスマス曲をたっぷりアカペラで聴けるライブもやりたいと思っていたので。
大学時代から活動していたため、その時期になるとアカペラの需要が高まりメンバーもライブによってクリスマスを実感してきた。歌やコーラスだけでなく、ボイスパーカッション担当の渡邉が「鈴っぽいシャンシャンする音を出すことになるので、それを聴くと一気にクリスマスだなっていう感じになれますね」と言うように、普段とは違う音も楽しめるツアーになりそうだ。
今年7月には5年ぶりのアルバム『ペラタゴニスタ』をリリース。“主役”を意味する言葉“プロタゴニスタ”にアカペラの“ペラ”を重ねた造語だ。「みんながそれぞれの人生の物語を歩んでいる」というイメージのもと、楽器レスとは思えぬ完成度の高いアカペラサウンドに、日常において忘れがちとなりながらいつか見ている風景が、リリックとして乗っている。
スパンでいうと15年分の作品を集めながら、難解な空想の世界ではなくやさしさが漂う現実味という点で統一感を覚えるのは、彼らが長きに渡り変わらぬ姿勢でやってきた証明にもなっている。メンバー全員がバンド以外の仕事を持っており、そこで培ったものをフィードバックすることで作品としての深みが増しているのも強みだ。
吉田 僕の場合はLittle Glee Monsterのコーラスディレクターをやっているので、ディレクターとして見ていた作業を自分たちでやる新鮮さを改めて味わえました。裏方として学んだことが生かされ、クリエイターとして見ている感覚やセンスを演者として表現できるようになったことで幅が広がりましたね。
リーダーの杉田はハーモニーの重要性を音楽の枠にとどめず世の中で役立たせるハモニケーション活動もしている。「企業の研修で、人間同士が調和して生きていくなかでのハモることの素晴らしさを体験していただくんです。ロックやジャズは文化として伝えようとしているのに対し、アカペラはその部分がまだ弱い。年齢的にもそれを伝える役割が回ってきたと思うんで」
昨年7月に西日本豪雨被害に遭った愛媛・野村町のために、杉田が地元の子供たちとのワークショップを通じ一緒に作った『のむらのうた~がんばってみるけん 応援してやなあ~』も収録。
「本当に音楽って力があるんですけど、まだまだ有効活用すべき場がある。音楽があれば知らない者同士が警戒心を解いてスムーズに仲間になりやすいじゃないですか」と力説する。各メンバーの仕事と並行しつつ16曲も収録したのは、INSPiとしても止まっていないという気概の表れでもある。
北 INSPiを続けているといろんな出逢いがあるので、一生やり続けることなんだと。続けるためにはどうしたらいいのか、心を砕いて頑張っているんで、まずは20周年を目標に活動できればと思っています。
プロフィール
インスピ
杉田篤史、北剛彦、大倉智之、奥村伸二、渡邊崇文、吉田圭介の6人組アカペラグループ。'05年2月より日立製作所CMソング「この木なんの木」を2代目シンガーとして担当。
公演情報
Oh!Christmas~やっぱり俺はインスピサンタが18(いいや)~
12/7(土)14:00/18:00 東京・表参道GROUND
12/8(日)14:00 宮城・誰も知らない劇場
12/21(土)14:00/18:00 愛知・CLUB SARU
Osaka!Christmas~やっぱり俺はインスピサンタが18(いいや)~
12/22(日)13:00/17:00 大阪・ROCKTOWN
インタビュー・文/鈴木健.txt
構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載