【インタビュー】布袋寅泰

必ず楽しんでもらえる、極上のステージをお届けします

布袋寅泰のニューアルバム『Still Dreamin'』が素晴らしい。アーティスト活動40年、ソロ通算20作目、60歳の誕生日を迎えた今もなお走り続ける、決意と自信あふれる傑作だ。

「ファンの皆さんの応援なくしてこの40年はありません。あらためて心から感謝しています。また自分自身もどの時代も、もがきながらも前向きに挑戦を重ねてきたつもりだし、とても充実した40周年、そして60歳を迎えることができました。このアルバムは頭で考えず、心と身体で感じるがまま作った、今までで一番ナチュラルな作品かもしれません。こんな時代だからこそ、自分を肯定できるようなポジティブなメッセージを込めて、軽快なロックンロールやダンスナンバー、そして口ずさみたくなるようなメロディーを、世代、性別を超えて楽しんでもらえる内容に仕上がったと、とても満足しています」

長年の布袋寅泰ファンにとって特別な意味を持つ「Dreamin'」というワードに、「Still」を加えた象徴的なタイトル。40年の疾走の果てに、“Still＝いまだに”、彼が夢見ているものは何なのだろう？

「小さな頃は誰もが夢を持っていましたよね？宇宙飛行士になりたい、とか、学校の先生になりたいとか、サッカー選手になりたいとか。だけど大人になるにつれ、夢を叶えることの難しさや大変さを知り、夢という言葉を使わなくなるものです。しかし、夢に“大きい、小さい”はなく、また“結果”より“過程”こそが大切なのだと気づくことになります。僕はロックスターになることが夢だったし、たくさんの夢を叶えてきましたが、まだ自分がゴールテープを切った気持ちはしません。むしろ死ぬまで夢を見ていたいから、叶えたくない自分がいます。いつかワールドツアーを成功させたいですね。その為に努力することは苦痛ではないんです。なんたって夢ですから！」

そして、布袋寅泰といえばライブ。ロックンロールの魅力を凝縮したそのパフォーマンスは、40年の中で数々の名場面を演出してきた。そんな彼が今、「良いライブ」だと感じるのはどんな時だろう？

「やはり若い頃はエネルギーを全部出し切り、文字通り燃え尽きるようなステージが目標だったし、ビートも音も熱く燃えたぎり、尖っていたと思います。今は、よりオーディエンスの心の深いところに響き届く音やメッセージを大切にしています。やはりオーディエンスの笑顔や涙を見ると感動しますよ。しょっちゅうもらい泣きしそうになります。昨年はコロナ禍で制限のある形でライブを実現しましたが、今まで以上に、音楽の力を分かち合うことができたように思います。心の声は届きますね」

そしていよいよ、5月から始まる『Still Dreamin'Tour』。どんな内容になるのか、どんな意気込みで臨むのか。最大限の興奮を約束する、最新にして最高のライブを期待しよう。

「もちろん新アルバムからの曲も初披露しますし、40周年ツアーを楽しみにしていたけど、コロナ禍でのそれぞれの事情で参加できなかった方達に、40年の歴史から懐かしいBOØWYやCOMPLEX時代の曲や、ソロのヒットナンバーも楽しんでもらえるような選曲にするつもりです。最近は昔からのファンに加え、女性や新しい若い世代のファンも多く参加してくれるようになりました。とても嬉しいことです。5月には皆の頑張りによりコロナの状況も好転していると信じています。必ず楽しんでもらえる極上のステージをお届けしますので、全国の皆さん、どうぞ楽しみにしていてください。僕も皆さんの笑顔に会えるのを楽しみにしています」