【インタビュー】グソクムズ
2024/4/15(月)
メジャー1stアルバムを携えたツアー。「歌ってほしいし踊ってほしい」
現代の生活や街に根ざした音楽を奏でるグソクムズ。はっぴいえんどや大瀧詠一など70年代の良質な音楽も、ネオソウルやロックンロール、ネオアコの要素も飲み込んだ、気骨のある名曲でファンを増やしている。そんな彼らが4月3日にメジャー1stアルバム『ハロー!グッドモーニング!』をリリースした。
堀部「メジャーデビューを目指して頑張ってたというよりはバンドをやっていく中でメジャーデビューという一つ通過点があるという感じでバンド的にはとらえているんですけど、やっぱお客さんに『メジャーデビューしたよ』って言って喜んでもらえたのは良かったなと思います」
気負いのない様子はメンバー全員に共通しているが、楽曲制作には気合を入れたという。メンバー全員が作詞作曲をできる強みが生かされた各楽曲の完成度の高さ。これまでバンドが抱かれてきた懐かしくて新しいというイメージを超える堂々たる13曲だ。1stがセルフタイトル、2ndが『陽気な休日』、今回は少し意外なタイトルでもある。
たなか「人生って出会いじゃないですか?ほとんど人だったりカルチャーだったり。そういうところにこう「ウス!」って入っていけるようなアルバムになったら素敵だなって。生活に溶け込むというか。だからこのタイトルにしたというか」
信号が変わる前に進もうとする、どこかバンドの今とも重なる「シグナル」に始まり、ざらついた聴き心地が新鮮なロックンロールナンバー「こんな夜には」、ラテンのリズムとそのジャンル感にとらわれないギターサウンドの融合が面白い「あるサンセット」など新機軸の楽曲も数多い。
「『こんな夜には』は一番触れてほしい曲だもんね?我々としてはこのアルバムで一番冒険してるかもしれない」(加藤)と言いつつ、レコーディングは最もスムーズだったそう。ライブでの演奏が難しそうという「あるサンセット」は「ライブの本数が以前に比べてだいぶ増えたのでその影響なのか、ライブでやって楽しそうな曲が今回多かった印象があって。「あるサンセット」は完全にライブを意識してて、みんなで聴いて踊れるようなのを作りたくて、ちょっとサンバっぽいというか、底抜けに明るい感じの演奏で歌詞がめっちゃ暗いっていう曲ですね」(中島)
ライブを意識するといえば、たなか作の「グッドモーニング」は「僕以外が歌うパートもライブをちょっと想定して作りたいなと思って。だからサビの“グッドモーニング”っていう掛け声はみんなで歌うようなイメージがあります」(たなか)
ちなみに「あるサンセット」は台湾のフェスのリハで演奏済みだそうで、「リハで踊ってくれたからOK」(たなか)と確信(!?)を持ったそうだ。その台湾のフェスは非常に盛り上がり、加藤曰く「それぐらいの方がやりやすい」とのこと。演奏をじっくり味わい、穏やかな様子のオーディエンスが多いグソクムズのライブだが、「シンガロングとかしちゃダメとか、はしたないみたいに思ってる人がいるかもしれないけど、全然歌ってほしいし踊ってほしい」(たなか)
本作を携えてのツアー。「東京も前より大きいところでできるようになったし、大阪は初めてライブしたところで2年後にワンマンできるようになってるって結構胸アツじゃない?」とたなか。大きな野望を言葉にするでもなく、こだわりはあくまでも曲へ昇華する。その真価をぜひライブで目撃してほしい。
プロフィール
グソクムズ
吉祥寺を中心に活動する4人組バンド。メンバーは、たなかえいぞを(Vo,Gt)、加藤祐樹(Gt)、堀部祐介(Ba)、中島雄士(Dr)の4人。
公演情報
グソクムズ ワンマンライブ“ハロー!グッドモーニング!”
- 5/10(金)19:30 大阪・梅田Shangri-La
- 5/24(金)19:30 東京・渋谷クラブクアトロ
インタビュー・文/石角友香
Photo/村上宗一郎
構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載