【インタビュー】藤巻亮太

 

藤巻亮太

自分の好きな音楽を耕して掘り起こしたい

 

2019年の藤巻亮太の活動は多岐にわたった。彼が主催のもと、ふるさと山梨県・山中湖交流プラザきららで9/29に開催された野外フェス『Mt.FUJIMAKI 2019』も見事に成功。しかも一昨年に続く2回目の開催だ。

「協力してくれる人も来てくれる人も増えていますし、手ごたえを感じています。自分の音楽を育んでくれた山梨に恩返しをすることと、県外の人に山梨の魅力を知ってもらうこと、そのテーマはずっと変わらないんですが、改善すべきところは改善して、長く続けていけたらと思っています」

6月には母校・笛吹高校でライブと講義を行った。笛吹高校は、彼が通っていた石和高校と山梨園芸高校が合併して誕生。藤巻は校歌の作詞・作曲を手掛けており、開校10周年記念行事に招かれた。そこでの講義のテーマは“変わる”だった。

「自分は30歳になってからソロ活動を始めて、大変なこともあったけど、勉強になったこともたくさんあったので、“自分が変わらなきゃ、世界は変わらない”ということをテーマに話しました」

彼はいまもその言葉を実践し続けている。カバーも変化・成長の源となっているようだ。昨年4月にはレミオロメン時代の曲をアコースティック・アレンジでセルフカバーした『RYOTA FUJIMAKI Acoustic Recordings 2000 - 2010』を発表した。

「バンド時代はアコギの弾き語りをやったことがなかったので、チャレンジではあったんですが、歪んだ音じゃなく、澄んだ音で演奏すると、より繊細なタッチとしっかりした歌が求められるので、改めて歌と演奏と出会えた気がしました」

「電話」「3月9日」「蛍」「恋の予感から」などの名曲にさらに新たな輝きが加わった。サントリーCM曲「ウイスキーが、お好きでしょ」のカバーも配信中。歴代カバーとは違う歌声が新鮮だ。

「浜崎(貴司)さんはウイスキー声ですが、僕はちょっとハイボールっぽいので、しゅわっとした感触をイメージして歌いました(笑)」

さらにBUCK-TICKのトリビュートアルバム『PARADE III ~RESPECTIVE TRACKS OF BUCKTICK~』に参加し、「JUST ONE MORE KISS」をカバーすることも発表された。ちなみに藤巻が初めて観たライブはBUCK-TICKだったとのこと。

「初めて聴いたのは中学のときで、なんて美しい曲なんだろうと思いました。彩と色っぽさは自分の原点です。カバーするにあたって、当時、聴いて培ったきたものを活かして、好きだった要素をオマージュ的に入れさせていただきました」

2/25(火)から五日間連続で開催される紀伊國屋サザンシアターでの公演には『Back to the Music!!!』というタイトルが付いている。

「歌い始めた頃の自分という意味での“Back to the Music”でもあるし、40代はもう一回勉強しなおせる時期だと思っているので、その意味もあります。メインをカバーにして、五日間違うセットリストにする予定なので、いま、絶賛練習中です。新曲も披露できたらと思っています」

日本人に馴染みのある童謡からBUCK-TICKの「JUST ONE MORE KISS」に至るまで彼のルーツである曲はもちろんのこと、Twitterではリクエストも募っているという。

「自分の好きな音楽をもう一回耕して掘り起こしたいということと、リクエストしてもらった曲はファンの皆さん一人一人の物語として歌うことで、当事者として参加してもらって、一緒に作っていけたらと考えています。耕した後の2020年は種をどんどん撒く年にしたいですね」

 

プロフィール

フジマキ リョウタ

'80年生まれ。山梨県笛吹市出身。レミオロメンの活動休止後、「光をあつめて」でソロデビュー。野外音楽フェス「Mt.FUJIMAKI」を主催。写真展を開催するなど、音楽以外にも活動の場を広げている。

 

公演情報

 

RYOTA FUJIMAKI 紀伊國屋サザンシアター 5days「Back to the Music!!!」

 

2/25(火)19:00 東京・紀伊國屋サザンシアター

2/26(水)19:00 東京・紀伊國屋サザンシアター

2/27(木)19:00 東京・紀伊國屋サザンシアター

2/28(金)19:00 東京・紀伊國屋サザンシアター

2/29(土)16:30 東京・紀伊國屋サザンシアター

 

 

インタビュー・文/長谷川誠

構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載

 

 

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