DracoVirgo
TVアニメ「ありふれた職業で世界最強」EDテーマ『ハジメノウタ』リリースインタビュー
2019/7/8 よりMX TVにて放送中のTVアニメ「ありふれた職業で世界最強」のエンディングテーマ『ハジメノウタ』をリリースしたDracoVirgo(ドラコヴァーゴ)。
MAAKIII (マーキー・Vo.)、mACKAz (マッカツ・Ba.)、SASSY (サッシー・Dr.)からなるこのバンドプロジェクトは、2017年の立上げ当初から大人気スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order Epic of Remnant」の4つ目の物語「亜種特異点Ⅳ 異端なるセイレム」のテーマ曲『清廉なるHeretics』に参加。iTunes総合チャートで1位を記録し、その勢いをひっさげ初のライブツアー「DracoVirgo 1st LIVE TOUR "Opportunity"」を開催。立て続けに『KAIBUTSU』、『Hanaichimonme』、『阿弥陀の糸』と新作を発表し、さらにはMAAKIII (Vo.)がソロでリリースしていたオリジナルアルバム『兎に角、ジェネシス!!!!!』(2015年作品)をDracoVirgo versionにリアレンジした9曲と、インストゥルメンタル楽曲3曲を配信リリース。その楽曲たちをひっさげ、これまで3度のツアーを敢行し、怒涛の2年を駆け抜けてきた。
中国上海で開催された「Fate/Grand Order」主催の「FGOフェス」から戻ったばかりの3人が今作『ハジメノウタ』について、そしてライブへの想いを語ってくれた。
音楽と一つになってそこから生まれるエネルギーをみんなとシェアできる喜び。自分の全てを乗せて届けたいという想いだけは消えなかった。(MAAKIII)
――上海の「FGOフェス」は盛り上がりましたか?
MAAKIII とても熱かったです。「Fate/Grand Order」は日本はもちろん世界で愛されている作品なので、イベント自体がとても熱気に包まれていました。私たちが参加させてもらった『清廉なるHeretics』も“こんなに聴いてくれてるんだ”と感動するくらい一緒に歌って盛り上がってくれて、私たちもその熱量に引っ張ってもらった気がします。とても幸せなステージでした。
mACKAz 僕は行く直前にお腹こわしちゃって若干体調面では不安もあったんですが(笑)、もうアツさと熱気がスゴくて。でも貴重な経験でした。
SASSY 展示スーペースのところにカラオケブースもあって、僕らの曲を歌ってくれた人もたくさんいたそうです。FGOのファンの皆さんとの素敵な縁をもらえたことに改めて感謝しました。みんなに喜んでもらえる楽曲を提供できたと思うと本当に嬉しかったです。
――この2年で楽曲制作はもちろん、3度のツアーと精力的に動いてきたDracoVirgoですが、これまでの活動を通して新たに発見したこと、気づいたことは?
MAAKIII このプロジェクトがスタートしたきっかけは、私の「音楽がやりたい」という強い想いからでした。音楽と一体になってそのエネルギーをみんなとシェアして交換していく感覚が好きで、そこに自分の全てを乗せて届けたい。自分の音楽人生のスピリットというか、根底にあるその灯だけは消えることがなかったので、このプロジェクトをやろうと決めたんです。とはいえ「音楽をやる」という漠然としたイメージでしたから、こうして3人で曲を作ったりツアーをしたり、3人の「今」を伝える作業と場所を得たことで、やっぱりこの時間が何よりも大切で楽しくて愛しくて。音楽を通じてコミュニケーションが取れる喜びを日々感じています。
SASSY 以前は元のバンドのサウンド感とは違うところで今の時流に合った曲作りをしてみようと意識していた時期もありました。でも3人のプロジェクトが動き出して最初にレコーディングした『清廉なるHeretics』に携わったことで、元々自分たちの得意だった曲の仕上がりにとてもしっくりきたんです。当時はその真っただ中にいたので、自分たちの音楽が正解なのかどうかなんてわからずいつも自問自答していましたが、時間が経って『清廉なるHeretics』やmACKAzが作曲した『KAIBUTSU』ができた時、思いきって自分たちの得意なサウンドに振り切ってみたら、客観的に考えても「やっぱりイイ曲だ」と思えたんです。その体験がDracoVirgoの方向性を示すものになった気がします。MAAKIIIの持つ世界観と自分たちの持つ音の世界を自然な流れで癒合させていくことができた、それが今回の『ハジメノウタ』にも繋がっていったと思います。
mACKAz 「バンドプロジェクト」という通り、DracoVirgoのコアになる部分はこの3人ですが、いろんな人たちと一緒に新しいことにチャレンジしていけたらいいね、といつも話していました。この2年を振り返ってみても、それまでにお世話になった方や仲間たちと一緒に、自分たちがカッコイイと思うDracoVirgoを作ってこれたと思っています。音楽を続けてきた時間と経験を最大限に生かしてこのプロジェクトに向き合ってこれたのは良かったと思います。
――確かに3人それぞれが曲が作れますし、ロックに限らずアレンジも多彩ですよね。
mACKAz 得意なロックサウンドも、みんなが踊れるようなダンスミュージックも、バラードも全てライブで見せれるところがDracoVirgoの多面的な魅力だと思っています。曲作りにはそれぞれの個性が出ますが、MAAKIIIに渡すとさらに独特のアレンジを希望してくるし(笑)、自分たちにも経験が増えましたし、やっぱり3人でいろいろアイデアを出しながらその時に必要なサウンドを持ってこれるのがDracoVirgoの強みだと思うんです。
SASSY 自分も曲作りのスタイルが昔と変わった訳ではなく、チャレンジの幅が広がっているんだと思います。昔はメロディやサビ部分を重視して構成を考えることが多かったですが、それはもちろん大事なんだけど、スゴく全体を見たり逆に細部を重視したり、まったく何にも縛られず曲を作ったり。変化していくことを楽しめるようになりました。MAAKIIIに送ると自分では思いつかないワードやメロディを乗せてくれるし、とっても刺激的なんですよね。
MAAKIII 「こんな曲できたよ」と二人が送ってきてくれて、そこに自分の気持ちを自由に乗せていくのは本当に楽しい作業です。素敵なお皿をもらってそれに美味しいものを乗せてお客様にお出しするのと同じイメージかな。何を乗せようかな?と考えるのが楽しくて仕方ないんです。みんなに喜んで欲しいし、一緒にシェアしたい。その時湧き上がってくるものをこれからも素直に表現していきたいし、自分のインスピレーションを大切にしてまずは3人でDracoVirgoの作品を作る。それを真摯に続けていきたいと思っています。少しずつでも同調してくれる人たちと繋がっていって、いつか大きな虹になるとイイなと。
ユエが語りかけてくれたというか、アニメの世界に呼ばれて引き出された感じでした。(MAAKIII)
――TVアニメ「ありふれた職業で世界最強」のエンディングテーマ『ハジメノウタ』がリリースされました。今作は作詞・作曲ともMAAKIIIが担当しています。
MAAKIII 本当にありがたいご縁です。お話を頂いた時に「ユエの気持ちにフォーカスした楽曲にしてください」というご要望は頂いていました。物語では“いじめられっ子”の主人公ハジメが、クラスメイトと共に召喚されてしまった異世界から生きて元の世界へ戻るために強くなろうと戦っていく。そこで不老不死の吸血鬼・ユエと運命の出会いを果たし、二人で力を合わせていくうちに二人は強い絆で結ばれていくのですが、彼女のハジメを想う気持ちに寄り添っていくうちに、ある日フワっとAメロのフレーズと音が出てきたんです。
――フワっとですか?
MAAKIII そうなんです。戦いから戻って来たときの「オフ」のシーンをイメージしていました。私たちも仕事から帰ってきて、メイクを落としてお風呂に入って、一日あったことを思い返したりするじゃないですか。ユエもハジメへの愛しい想いも含めていろんなことを思い出しながら寝るのかな、みたいなインスピレーションからからどんどん言葉が沸いてきて、それをメモしていった感じでした。愛しい人を思う気持ちがベースにあるので、浮かんだメロディも自然と温かいものになったんだと思います。ユエが語り掛けてくれたというか、アニメの世界に呼ばれて引き出された感じでしたね。こういうシンクロの仕方ができるのも、物語を作っている方、アニメを作っている方、この作品に携わっているいろんなクリエイターの方たちの思いが伝わってきて、そこに導かれていく楽しさがありますよね。この作品を愛してくれるみなさんにもその波動が少しでも伝わってくれたら嬉しいですね。
――M-2の『ABRACADABRA』は今のDracoVirgoらしい楽曲ですが、作詞のところに以前のバンドメンバーのYusukeの名前もありますね。
SASSY 最初のツアーを経て、MAAKIIIがソロプロジェクトで作っていた楽曲を“DracoVirgoアレンジ”にしたんですが、その時の流れでもう少しラウドのエッセンスを入れて、かつキャッチ―で尽き抜けたサビを持ってくるような曲が欲しいと思って作っていた曲です。ラウド部分は何となくあったんですが、シンガロングとメロディが重なるイメージで、MAAKIIIに送ったらすぐにそこにメロディを入れてくれて。でもまさかYusukeが歌うとは思ってませんでした(笑)。
MAAKIII 曲を聞いた瞬間にYusukeの声が聞こえたんです(笑)。「もしもし、ちょっとイイ曲があるんですが、参加しませんか?」とすぐに連絡して来てもらったんです。ライブにも参加してくれましたし、こうして作品として形にできたのはホントに嬉しいです。
――となると、M-3の『KALMA』はmACKAzが曲を作ってMAAKIIIに送るパターンですね。
mACKAz ですね。僕も以前はサビから作ることが多かったんですが、DracoVirgoではイントロから作るのが多くなりましたね。サビ始まりとかもチャレンジしたいですし、自分でこれまでやってこなかったジャンルや作り方も、DracoVirgoでチャレンジしたいと思っています。この曲ではテンポも少し押さえて、イントロのリフレインやシンセのフレーズから作り出しました。デモの段階では生楽器は使わず、ほぼ打ち込みで仕上げに近い状態まで完成させていました。
SASSY レコーディングしないでイイよね、って言ってたくらいまで仕上がってました(笑)。ただ、ライブでやるときにどうするかを考えて、バンドスタイルでもレコーディングしたという感じです。
mACKAz 自分の曲になればなるほどBa(ベース)がシンプルになっていくことが多かったので、この曲では敢えてBa(ベース)を前に出してみたり、ある意味実験的な曲になったかもしれませんね。
――そこまで作り込んだ楽曲の場合、曲のイメージから歌詞の方向性やキーワードを一緒にMAAKIIIに渡すんですか?
mACKAz いや、全然何も言いません(笑)。曲を渡して、それを聞いてくれたMAAKIIIが自由にイメージして書いてきてくれた歌詞やアレンジの要望をさらに楽曲に取り込んでいくんです。だから、今回も最初はこんなにアラビアンっぽいアレンジはしてなかったんですが、そういう雰囲気を取り込んでいこうというオーダーに合わせてイントロにシタールとかガムランの音を足して歌詞の世界観に合わせてアレンジしていきました。
――力のあるメンバーだからこそできるチャレンジですし、それが形になってしまうのがDracoVirgoの強みなんですね。さて、9/19(木)には『ハジメノウタ』リリース記念のワンマンライブが開催されます。ぜひライブへの意気込みをお願いします。
MAAKIII 新曲の『ハジメノウタ』を生でお届けする緊張感もありつつ、これまでの自分たち楽曲もまた彩を変えてお見せしたいですし、とにかく楽しいライブにしたいと思っています。まずは自分たちが楽しもうと思っています(笑)。毎回初披露の気持ちで頑張ります!遊びに来てくださいね!
SASSY 2年経ってツアーを重ねるごとにライブ会場がHOMEになってきているのを実感しています。みなさんがDracoVirgoのライブを楽しみにしてくれているのが伝わって、僕らも手ごたえを感じています。本当の意味で安心してチャレンジさせてもらえるというか、クセの強いDracoVirgoを応援してくる人たちと歩んできてここからまた新しい章が始まると思っているので、みんなと一緒に盛り上がりたいです。
mACKAz 僕らのライブは映像や装飾も会場全体の雰囲気も楽しんでもらえるエンタテインメントを目指しています。今回のライブでもまた新しいDracoVirgoの世界観を楽しんでもらえると思いますし、新曲『ハジメノウタ』も生で聴いて頂けるので楽しみにしていてください。ぜひ会場でお待ちしています。
プロフィール
DracoVirgo(ドラコヴァーゴ)
元HIGH and MIGHTY COLOR のMAAKIII (Vo.)、mACKAz (Ba.)、SASSY (Dr.)からなるバンドプロジェクト。2017/11/28にリリースされた大人気スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order Epic of Remnant」の「亜種特異点Ⅳ 異端なるセイレム」テーマ曲『清廉なるHeretics』」に毛蟹 feat.DracoVirgoとして参加。楽曲はiTunesで1位を獲得し話題に。2019/9/4にリリースする『ハジメノウタ』はTVアニメ『ありふれた職業で世界最強』のエンディングテーマに抜擢される。
リリース情報
DracoVirgo 1st Single「ハジメノウタ」
2019/9/4(水)発売
【初回限定「ありふれた職業で世界最強」盤】
品番:UMCK-7030
価格:¥1,296(税込)
※三方背スリーブケース付き
【通常盤】
品番:UMCK-5680
価格:¥1,296(税込)
※初回「ありふれた職業で世界最強」盤終了次第、スリーブケース無しの通常盤(UMCK-5680)に切り替わります。
[CD]
1. ハジメノウタ
2. ABRACADABRA
3. “KALMA”
公演情報
ワンマンライブ
DracoVirgo“Opportunity 2019~Rainbow butterfly~”
公演日時・会場
2019/9/19(木)19:00 東京・Shibuya WWW
料金
スタンディング ¥3,800(税込/ドリンク代別)