【インタビュー】あれくん

2025/5/15(木)

自身最大規模の全国ツアー決定。「一人じゃない」という思いを伝えたい

今年3月にリリースされたあれくんの新曲「アイラヴ」がとても良い。これまでにないほどヴィヴィッドな、弾けたポップチューンである。

「自分の曲の中でもこれほどアッパーな曲は今までなかったんじゃないかと思います。自分のなかで今、もっとライブをしたいという気持ちが強くなってきていて、ライブでリスナーさんとも一緒に盛り上がるような、楽しんでもらえる曲を作りたいと思って作った曲です」

確かに「アイラヴ」は一聴してライブ会場の空気感や景色をイメージできる、とてもキャッチーなダンスチューンでもある。

「自分もレコーディングの時からすでにステージに立って歌っているような、そんな景色が見えていました。お客さんとのコール＆レスポンスをイメージした歌詞もあったり、ハンドクラップも含め、ライブ感を意識した楽曲ですね」

あれくんは、活動初期から“恋”や“愛”を綴るラブソングを自身の音楽のテーマとして描いてきたシンガーソングライターである。今作にはどんな“愛”が込められているのだろう。

「活動初期の頃は、いわゆる恋愛を歌ったものがほとんどでした。でも最近ではラブソングの意味が広がってきていて、自分の好きなものや追いかけている夢も“愛するもの”のひとつだと思うんですよね。なので、今回も大きなスケールと広い視野で“愛”を歌いました。もちろん誰か好きな人のことを思い描いてもらってもいいし、そこを自分のやりたいことに置き換えて聴いてもらってもいいですし」

そんなメッセージが込められた楽曲だからこそ、「アイラヴ」はとてもオープンでポジティブなバイブスを内包する楽曲となった。

「僕の音楽は、誰かに寄り添う、誰かの救いになるというのがひとつ大きなテーマとしてあって、リスナーさんにも一緒に歌ってもらうことで、何か“幸せ”を感じてもらえたらいいなと。歌って言霊でもあると思うので」

ためらいなく“歌は言霊”と言うあれくんの創作活動は、今かなりの充実期に突入している。そのモードに呼応するように、自身のキャリア史上最大規模となる全国ツアーが決定した。弾き語り公演の『Action』と、バンド編成での『Not Alone』とで巡る全9カ所でのワンマンツアーだ。

「SNSが普及した現代社会では誰かと対面で知り合うという機会も少なくなって、初対面の人と距離を縮めるのは難しい時代ですよね。でも音楽や、アイドルを推すというのもそうですけど、ライブ会場には“同じものが好き”という共通項を持つ人が集まっているわけで、一人で会場に来たとしても、そこで誰かと知り合って仲良くなることもあるだろうし、人生を豊かにするきっかけがあるかもしれない。なので、これは自分自身にも言えることなんですけど、とにかくアクションを起こさないと何も始まらないよということを、今回のツアーでは表現できたらいいなと思っています。そうして行動を起こして、皆さんにも“一人じゃなかったんだ”と実感してもらえたら嬉しい。それに、僕自身がこれまで音楽活動を続けてこられたのも、家族や友達やスタッフはもちろん、リスナーの皆さんがいてくれたからこそで、その“一人じゃない”という思いも伝えていきたいです」

弾き語りとバンドセット、それぞれに違った表情で、あれくんのポジティブなモードを受け取るツアーとなることだろう。

「弾き語りはステージと近い距離でアットホームな空気感を、そしてバンド編成では演出を含め、どこかテーマパーク的な非日常感を味わってもらえたらなと、今いろいろと考えているところです。楽しみにしていてください」

誌面連動Q&A

• Q.
  手土産を選ぶポイントは？

A.
「あまり嫌いな人はいないと思うので焼き菓子を選ぶことが多いです。アーティストに渡すことが多いんですけど、皆さんあまり食べていないイメージがあるのでカロリーを摂ってもらおうかなと(笑)。」