【インタビュー】安藤裕子

 

安藤裕子

今の私が聴いてほしい歌を届けたい

 

デビュー15周年を迎えたシンガーソングライターの安藤裕子。'18年5月にはファンからのリクエストを基にした一夜限りのスペシャルライブを開催した。

「安藤裕子という個人の15年というよりは、“チームアンディ”の集大成でしたね。エイベックスでは、安藤雄司(ディレクター)/山本隆二(編曲)/安藤裕子という3人でサウンドプロダクトをやってきて。私はソロシンガーのテイだったけど、実際はユニットだったと思う。それを全うするための一夜だった感じがしますね。あのライブを終えて、ようやく私は本当の意味でのソロシンガーになるのかなと思いました」

6月には初のセルフプロデュースアルバム『ITALAN』をリリースし、8月には小編成による全国ツアー、12月にアナログ2枚組のベストアルバムをリリースする。アニバーサリーイヤーに自発的な活動を行ってきた彼女は、約2年ぶりにアコースティックライブツアーを開催。すでに長崎・福岡・仙台・札幌での4公演を終えている。

「歌い手として立ち返るためには、あんまり行ってなかった地方にも行って、今の私が聴いてほしい歌を届けたいなと思って。お客さんは望んでないかもしれないけど、私としては、『今の自分』にまっさらな気持ちで出会ってほしいんですよね。そうしないと、私はリスタートができないから。もう一回、旅を始めるというイメージですね」

ピアノにおなじみの山本隆二、ギターに名越由貴夫を迎えた3人編成でのライブは、これまでを振り返るというよりは、“個”として再スタートを切った今の自分を見せる場になりそうだ。

「ただ、もちろん、昔の曲もやりますし、普通に日々の暮らしの中の息抜きにして欲しいですね。本来、ライブに行くって、リフレッシュ作業のひとつだと思うんですよ。自分の生活で止まっていたスイッチを入れる機会にもなるので、何かいいキーワードを得て、帰ってもらえたら嬉しいかなと思います」

東京でのファイナル公演を終えた先の未来には何が見えているのだろうか。

「ツアーを終えた後は、もうちょっと個人的な音楽を育てたいと思っています。いろんな意味で、もう少し自分の足で立つ感じにしていきたいですね。みんなに『何してんの?大丈夫?』って心配されないくらいには、ガツガツ頑張りたいなと思います(笑)」

 

プロフィール

アンドウ ユウコ

'77年生まれ。シンガーソングライター。'03年にミニアルバム『サリー』でデビュー後、多くの映画、ドラマの主題歌も手がけている。

 

公演情報

 

2018-19 ACOUSTIC LIVE

 

12/25(火)19:00 愛知県芸術劇場 小ホール

12/28(金)18:30 大阪・ドーンセンター 7階ホール

'19/1/6(日)17:30 東京・なかのZERO 大ホール

 

 

インタビュー・文/永堀アツオ

構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載