【インタビュー】Ado

2025/8/15(金)

Ado

東京・大阪でドーム公演開催!

現在、5周年のアニバーサリーイヤーまっただ中の歌い手・Ado。「うっせぇわ」で衝撃的なデビューを飾って以来、前人未到の快挙を成し遂げてきた。2022年、劇場版アニメ「ONE PIECE FILM RED」のキーキャラクター・ウタの歌唱を担当し、主題歌の「新時代」は日本の楽曲として初めてApple Musicグローバルチャートで1位を獲得。2023年は、「唱」で自身3度目となるBillboard Japan HOT 100で1位に輝いた。国内外での人気を受け、キャリア初となるワールドツアー『Wish』を巡ったかといきや、休む間もなく『Ado SPECIAL LIVE 2024「心臓」』を開催し、女性ソロアーティストとして初めて国立競技場の舞台に立った。

2025年4月からは、全34公演に及ぶ大規模なワールドツアー『Ado WORLD TOUR 2025 “Hibana”』を開催中で、そこでも仏・パリ最大級のアリーナを日本人として初めてソールドアウトさせるなど偉業を達成している。まずは、8月まで続く世界ツアーで何を感じているのかを尋ねた。

「日本の音楽や文化を心から愛しているという思いや情熱が、ステージに立っている時の私にも直接伝わってきます。本当に皆さん全力で声を上げて歌って、すごく大きな拍手をしてくれて。それが本当に皆さんの心の内からステージにいる私自身にぶつけてくれているのが伝わります。もちろん国や地域によって音楽の乗り方が違うなとか、こういう音楽の乗り方が好きなんだ、この曲が意外と盛り上がるんだみたいな感じ方もすごく多いので、私自身も毎回ステージに立つたびに刺激をいただいています」

ワールドツアーは現時点で25公演が完売し、Adoの世界的な人気がうかがえる。だが、常に自分の表現にシビアな彼女は、現状に満足することはないらしい。

「オーディエンスともっとコミュニケーションをとりたいです。ステージパフォーマンスでもっと盛り上げていきたいし、何より前回のWishツアーから成長した姿を見せたいです。実際にファンの皆さんと1対1で直接話すのは難しいのですが、言葉の壁を越えた特別な時間を一緒に作って共有したいです。皆さんのために特別なショーをしたい。世界中のみんなのために、最高の思い出として記憶に残るようなショーをしたいです」

デビューから5年、真摯に表現力を磨いてきたことは5周年を記念したベスト盤『Adoのベストアドバム』からも感じ取れるだろう。

「メジャーデビューをした10代の頃は、自分の歌を聞いてもらいたい、自分の思いや考え、自分というものを見てもらいたい、という思いが強い部分もありました。怒りの感情だったり、感情をそのまま伝える部分が大きかったのですが、さまざまな歌を歌っていると、気持ちの寄り添い方や歌詞によって内容も違うので、自分の人生観を振り返ったり、自分の経験を歌に当てはめたりして、いろいろな感情と向き合う機会も増えました。インプットとアウトプットは変わらず大事にしておりますが、これからはたくさんの歌をいろいろな言語で歌えるようになりたいという気持ちが高まってきました。そのなかでも『エルフ』は、Adoの楽曲をより多くの方々に楽しんでもらえる歌い方になっています」

「エルフ」は、魂を揺さぶる切なくも力強いエモーショナルなナンバーで、ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』の主題歌として作品を彩った。心の繊細なひだを歌い分けられるのは、彼女が様々な経験を通してアーティストとして、人として成長したからにほかならない。そんな濃密な5年を過ごしたAdoにとって、2022年の2ndワンマンライブ『カムパネルラ』は特別だと振り返る。

「たくさんの思い出がありますが、とくに印象深い出来事は2022年におこなったさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブです。これはやはり外せません。『さいたまスーパーアリーナでライブをする』という、当時の自分にとっての一番の夢が叶い、自分自身の人生にも大きな影響を与えた一日でした。とても印象に残っています」

デビューから3年半で国立競技場に立ち、世界を股にかけるAdoの快進撃は、おそらくまだ序盤なのだろう。11月に開催されるドームツアーについて尋ねると、彼女らしい誠実さと真心を込めた回答が返ってきた。

「日本に帰ってきた後は、11月に東京と大阪でドームのツアーをおこないますが、そこで私はどういった姿でステージに立つのか、どういった自分として歌うのかというのを、私自身もなんとなく探しています。現在おこなっているワールドツアー「Hibana」を通して、私自身も次のチャプターをどう進めていくかというのを探している最中ではあります」

ドームツアーを前にしてもAdoが冷静さを失わないのは、きっと彼女が胸に秘める大きな目標のためだろう。最後に、現在のAdoは視線の先に何を捉えているかを尋ねた。

「幸い、昔からの大きなステージに立つという夢は、たくさんの皆さんの応援で叶えることができて、今の目標は世界中に日本の音楽と文化と、そして私自身の存在を届けるということです。次に目指したいと思っているステージは、自分のワンマンライブだけじゃなく海外のフェスに出たり、より一層私を通して日本の存在を知っていただくきっかけの何かイベントに挑戦したいな、と思っております」

Adoの描く次なる展開は、おそらくドームツアーにも内包されているだろう。彼女がどんな姿でその場に降り立つのか今から楽しみだ!

プロフィール

Ado/あど

’20年にメジャーデビューすると「うっせぇわ」が大ヒットを記録。その後もヒット曲を連発し、’24年には初のワールドツアーを成功させた。

公演情報

Ado DOME TOUR 2025「よだか」

インタビュー・文/橘川有子
構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載


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