クラシック

【インタビュー】LEO│LEO - microcosm

【インタビュー】LEO

【インタビュー】LEO

箏奏者のLEOが11月5日(水)、東京・新宿FACEで単独公演「LEO-microcosm-」を開催する。
和楽器界の新鋭として頭角を現し、国内外のオーケストラとの共演やブルーノート東京、サマソニなどにも出演を果たしている箏奏者LEO。最新アルバム『microcosm』では、フランチェスコ・トリスターノ、梅井美咲、網守将平、林正樹、U-Zhaan、坂東祐大など国境・ジャンルを超えた音楽家/アーティストとのコラボを展開し、邦楽、ジャズ、エレクトロ、現代音楽などを行き来する独創的かつ現代的なポップミュージックを表現している。今回のライブではアルバムにも参加している網守将平(Synth)、大井一彌(Dr)、さらに町田匡(Vn)、中川裕貴(Vc)がゲスト出演。360°のステージによる唯一無二の音楽世界をぜひ体感してほしい。
その公演を控えたLEOに、最新アルバムやライブについて話を聞いた。

最新アルバム『microcosm』は、“箏奏者・LEO”のイメージを更新する作品だ。

「もともとエレクトロ的な音楽やジャズが好きだったんですが、自分がやっている箏という楽器と上手く結びつけられなかったんです。前作の『GRID//OFF』で初めてそういう音楽の要素を取り入れたんですが、今回の『microcosm』は自分にとって、その流れの先にある作品と位置付けています。これまでは箏が音楽の中心にあって、いろいろなジャンルと組み合わせることで、この楽器の新しい可能性や魅力を引き出そうとしていたのですが、『microcosm』の制作においては、その考え方を一度捨てようと思って。箏の知識をいったん忘れて、“箱に弦を張った、この楽器をどう鳴らしたらいいだろう?”というプリミティブな感覚で作曲してみたり、これまでとは違うアプローチを試していたんです。コラボ相手に関しても、箏との相性とは関係なく、自分が好きな音楽をやっているアーティストの皆さんにお声がけして。今までが“箏を中心にした音楽”だったとしたら、このアルバムは自分自身の音楽が中心。7作目ではありますが、ある意味1stアルバムのような感覚があるし、自身の音楽を高い純度で表現できた作品だと思ってます」


フランチェスコ・トリスターノ、梅井美咲、網守将平、林正樹、U-Zhaan、坂東祐大など、幅広いシーンで活躍するアーティストや音楽家をフィーチャーした本作。LEO自身も「これまでに培ったスキルを発揮できた」と手ごたえを感じているようだ。

「伝統邦楽以外のミュージシャンと演奏しはじめたのは5年以上前ですが、当初はピッチやリズムの取り方を含めて、西洋楽器とセッションするのが大変だったんです。経験を重ねるなかで演奏のスキルを培ってきたし、今回のアルバム『microcosm』もそれがしっかり活かされたと思っています。これまでの積み重ね、様々な障壁をクリアにしてきたからこそ、いろいろな方と自由に音楽を作れるようになったのかなと」


11月5日(水)に開催されるライブ「LEO-microcosm-」は、アルバム『micorocosm』の楽曲はもちろん、この作品の世界観をさらに発展させた内容になるという。

「アルバム『microcosm』はたくさんのミュージシャンとコラボした作品なので、そのまま演奏するのはちょっと難しくて。もちろん何曲かはピックアップしますが、ライブのために新たにアレンジすることになると思います。それ以外にも考えていることがあって。これまでの楽曲を紡いで一つのストーリーを表現する舞台にしたいと思っているんですよ。トラック制作やアレンジなど、ライブに参加してくれるミュージシャンの皆さんと意見交換して、お互いの個性をぶつけ合いながら準備しています」


ライブに参加するのは、網守将平(Synth)、大井一彌(Dr)、町田匡(Vn)、中川裕貴(Vc)。名うての演奏家と生み出すアンサンブルも今回のライブの大きなポイントだろう。

「網守さんと出会った頃は“作曲家と演奏家”という関わり方だったんですが、何度がご一緒させてもらって、双方向のコミュニケーションが出来るようになって。今回アルバム制作にも参加してもらっていますが、新宿FACEのライブの準備でもすごく力になってもらっています。大井さんは網守さんとも一緒にバンドをやっているし、素晴らしいプレイヤーですよね。町田匡さん(Vn)、中川裕貴さん(Vc)はエレクトロニクスにも長けた稀有な演奏家で、どんな音を奏でてくれるのか僕自身も楽しみにしています」


新宿FACEは360°ステージ。ジャンルの概念を超えた唯一無二の音楽空間を体感できそうだ。

「アルバム『microcosm』もそうなんですが、ポップスの要素もあるし、エレクトロ、ジャズ、クラシック的な部分もあって。箏が好きな方はもちろん、ダンスミュージックが好きな若い方にもぜひ来ていただきたいなと思ってます。会場は歌舞伎町にあって、しかも360°ステージ。ライブハウスやクラブのような感覚で楽しんでもらえたらうれしいですね」


取材・文/森朋之

掲載開始日/2025年9月26日


「LEO - microcosm」公演情報│ローチケ[ローソンチケット]

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