指揮者 栗田博文インタビュー & コンサートマスター 石田泰尚メッセージ到着!
~
4/8(土)東京国際フォーラム・ホールAで開催される「シカゴ」シネマオーケストラ。「シカゴ」はブロードウェイでの大ヒットミュージカルが元になった映画。音楽的にもミュージカル映画ならでの魅力が満載!
本公演はこれまでに数多くのシネマオーケストラ公演を経験されている栗田博文が指揮を、演奏はドラマ「リバーサルオーケストラ」の演奏で話題になった神奈川フィルハーモニー管弦楽団が務めてくれる。
栗田博文には20年間愛され続ける名作「シカゴ」の見どころ、聞きどころを聞いた。また神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターであり、ご自身の弦楽合奏団「石田組」としても活躍される石田泰尚からはメッセージが届いた。
~栗田博文インタビュー~
――指揮者からみた、映画「シカゴ」の音楽的な特徴を教えてください
1920年代のシカゴを舞台にした作品。映画の開始直後にヴェルマが歌い、踊る有名なナンバー「All That Jazz」から分かるように全編、クールでジャジーな多くの楽曲を楽しめます。
――指揮者からみた、映画「シカゴ」ならではの聴きどころはありますか?
ロキシー(レネー・ゼルウィガー)/ヴェルマ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)/ビリー(リチャード・ギア)3人のメインキャストの素晴らしい歌唱力は聴きどころの一つですし、ダンス、タップは見どころ。また同様に、個性的な脇役達のキャラクターを活かした楽曲も聴きどころです。
――好きなシーンを教えて下さい
自分の欲望を満たすため、生きるため、手段を選ばない人々をコメディタッチで描くミュージカル。有名なヴェルマの「All That Jazz」、ロキシー「Roxie」も素敵ですが、ママ・モートン(クイーン・ラティファ)の「When You’re Good to Mama」、ビリーの皮肉が見事な「We Both Reached for the Gun」、同じくビリーの175小節の長いドラムソロだけで繰り広げる「Tap Dance」、ロキシーの哀れな亭主エイモス(ジョン・C・ライリー)による「Mr.Cellophane」などが好きです。
――指揮者からみた、映画「シカゴ」をシネオケで観ることの魅力は何ですか?
何と言ってもリアルなライブ感です。編集済みの完成されたオリジナルサウンドトラックとは一味違う、今、目の前で生み出されるサウンド。さらに、演奏者のアクション、息遣い、様々な要素が複合的に楽しめます。贅沢な時間になること請け合いです。
――ミュージカル映画では歌唱部分の演奏が多いですが、普通の映画(ミュージカル映画ではない映画)のシネオケと比べて難しさなどの違いはありますか?
ミュージカル映画のシネマオーケストラは、歌唱部分はオリジナル部分を残し、バックのオーケストラを完全に生演奏する訳ですが、普通の映画音楽より過酷な集中力と絶妙なタイミングでの演奏が求められます。
通常の映画では大まかなスタート地点から通過点、終着点を守る中でも多少の自然な音楽の揺らぎが許されますが、オリジナルの歌唱やダンスに合わせるのは経験も必要ですし、演奏中の緊張感は極限に近いです。逆の見方をすると、演奏側も「極限の緊張感」を楽しめる!というのが、ミュージカル映画の醍醐味です。
~石田泰尚からのメッセージ~
神奈川フィルとしては、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「E.T.」「ジュラシック・ワールド」inコンサートなど、映画全編に生演奏を合わせるシネマオーケストラコンサート(シネオケ)を何度か演奏させていただいていますが、私は2018年の「ホーム・アローン」がシネオケ初体験で、今回で2回目になります。この形態のコンサートは、何よりも指揮者が大変です。
今回の『シカゴ』はミュージカル映画なので、映画の中で歌って踊るキャストに合わせるだなんて、想像を絶します。
我々奏者は、指揮者の栗田さんについていくだけです!楽しみにしています!
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ソロ・コンサートマスター 石田泰尚