フルオーケストラとヴォーカリストの生演奏&歌でディズニー音楽を届けるコンサート『ディズニー・オン・クラシック ~夢とまほうの贈りもの 2026』が、2026年5~6月に全国で開催される。コロナ禍をきっかけに2020年からヴォーカリストを務めて以来、毎年出演する牧野元美と新堂由暁に見どころなどを聞いた。
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※写真は過去の公演です
――今回で7年連続の出演ですね
牧野 ニューヨークから来日していたヴォーカリストが戻るまでの気持ちだったので、まさかこれほど長く出演できるとは夢にも思いませんでした。私たち日本人の歌い手はオペラやクラシックを中心に活動してきたので、未知のジャンルを歌うだけでなく、マイク歌唱やダンスなど初めてづくしの挑戦でしたが、温かい声援に支えられ続けてくることができました。
新堂 声楽家として第一歩を踏み出したばかりの2020年、コロナで歌う場を失った最中に受けたオーディションを経てつかみ取った出演なので、思い入れが特に強いコンサートです。最初は不安も強く、勝手にアウェイ感もあったのですが、今では慣れ親しんだホームに帰ってくる感覚です。
――26年公演のハイライトは?
新堂 まずは『リメンバー・ミー』です。日本人キャストが出演した21年の秋冬ツアーでも披露した演目です。そのとき私はヘクター役を歌いました。ココ(ミゲルのひいおばあちゃん)のお父さんです。ヘクターが歌う「リメンバー・ミー(ララバイ・バージョン)」は、まだ幼い娘だったココへしばしの別れを告げる場面で、ツーフレーズぐらいの短いシーン。でも結局これがココとの永遠の別れとなる大事な場面なので楽譜を目にしても、「どうやって歌うのが正解?失敗できないぞ!」と大プレッシャーでした。ギター1本のみの伴奏でどう歌うのか悩みました。スクリーンにはそのシーンが映し出されていたのですが、舞台上には小さな椅子をちょこんと置いてもらいました。私が見つめる椅子の先に、お客様がそれぞれ大切な存在を見出してほしいなと思って、その椅子とは全国51公演を回
りました。来年の演出はこれからですが、21年公演を超えるようなパフォーマンスが出せるよう臨みます!
牧野 私は前回、ヘクターの妻のイメルダ役で「哀しきジョローナ」を歌いました。メキシコを感じる独特なリズムが難しいナンバーで、楽譜を何度見て歌ってもうまくいかなくて。指揮やオケに合わせようとすると面白みのない曲になってしまうし…。最終的には楽譜を取っ払って心のままに歌う形でやらせてもらったんです。お客様や指揮者にも「勢いがあってよかったよ」と言ってもらえ手応えがありました。
新堂 『シンデレラ』も、もう1つの見どころです。『白雪姫』や『バンビ』などと並ぶ古き良きディズニー音楽は、冒頭のコーラスから美しさが全開。継母に言いつけられた仕事を早朝から始めるシンデレラがカーテンを開ける瞬間にシャラーンと流れる音など、とにかく優雅です。
牧野 クラシカルな発声や歌い方を求められる作品。そんなハーモニーを、全員でどううまく歌いこなすかは我々、ヴォーカリストの腕の見せどころです。
新堂 ピクサー・アニメーション・スタジオ創立40周年を記念するプログラムも目玉の1つです。『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』『インサイド・ヘッド』からの楽曲をお贈りする予定です。
――最後にファンへ一言お願いします
牧野 5~6月の公演は日本人キャストが日本語の歌詞で歌うこともあって小学生のお子さんからの人気も高い。お子さん、お孫さん連れでいらしてください。ステージから客席に降りて歌う演出も復活しているので、大勢の方とハイタッチできるのを楽しみにしています。またペンライトを振る時間もふんだんに盛り込むつもりですので、ぜひご一緒に!手拍子も大歓迎です!
新堂 出演者だけでなく裏方も含めた全スタッフが、ディズニー・オン・クラシックを愛し、成功に向けて一致団結していると胸を張って言えるのがこのコンサートです。出演者とお客様が1つになって、大きな愛に包まれる時間を初体験、またはリピートしにお越しください。
インタビュー・文/山本航
構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載
【プロフィール】
牧野元美(マキノ モトミ)
『コジ・ファン・トゥッテ』でオペラデビュー。『こうもり』ロザリンデ、『セルセ』『雪の女王』などに出演。
新堂由暁(シンドウ ヨシアキ)
二期会『セルセ』題名役でデビュー。様々なジャンルで活躍中で、今後の活躍が期待される注目のテノール。
「ディズニー・オン・クラシック ~夢とまほうの贈りもの 2026」公演情報│ローチケ[ローソンチケット]