クラシック

【インタビュー】辻井伸行│富士山河口湖ピアノフェスティバル2022

【インタビュー】辻井伸行│富士山河口湖ピアノフェスティバル2022 ©Tomoko Hidaki

辻井伸行

日本のシンボルともいえる富士山を臨む河口湖で、ピアノフェスティバルが開催される。昨年に引き続きピアノ・イン・レジデンスにピアニストの辻井伸行を迎え、山下洋輔、加古隆、菊池洋子といったピアニストや、川久保賜紀、遠藤真理、三浦友理枝によるピアノトリオなど、豪華アーティストが河口湖に集結。大自然の中でピアノの魅力を堪能できるフェスティバルとなっている。どのような想いでフェスティバルに臨むのか、辻井に話を聞いた。


――昨年の公演で印象に残っていることは?

どの公演も印象に残っているのですが、円形ホールは100名限定で、普段はなかなか無い企画で楽しかったです。お客さまとの距離が近いので、ほんとうにお客さまと一体になったような感覚でした。緊張感もありましたが、とても楽しいコンサートになりました。ピクニック・コンサートはあいにく朝に雨が降ってしまって、開催できるかどうか心配しましたが、無事に開催することができてよかったです。みなさんが芝生の上でくつろぎながら音楽を聴いてくださって、非常に素晴らしいものになったと思います。

この音楽祭は、ピアノフェスティバルということでたくさんのピアニストの方を中心に出演していただいていて、ピアノと弦楽器、管楽器などの共演、ソロから協奏曲といった様々な編成やジャンルを超えた演奏をお楽しみいただけます。いろんな魅力を伝えられる音楽祭だと思っています。

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――今年のプログラムについて、特別な企画などはありますか?

今回で2回目となり、1回目がとても大成功でしたから、それを超える企画をどうしようか、といろいろ考えました。それで、山下洋輔さんや加古隆さんなど、ジャンルを超えて、クラッシックからジャズまで本当に素晴らしいアーティストに出演していただけることになりました。様々な会場で本当にいろいろな音楽をお聴きいただけますので、みなさまに存分にお楽しみいただけると思います。

加古隆さんは、以前からコンサートでもご一緒させていただいていて、昨年にも出演してくださいました。彼の音楽は本当に美しいですし、すごくお優しい方なんですよ。尊敬できる作曲家であり、ピアニストなので、今年もどんな演奏を聴くことができるのか楽しみです。

川久保賜紀さん(ヴァイオリン)、遠藤真理さん(チェロ)、三浦友理枝さん(ピアノ)のトリオは、違うコンサートでもご一緒していまして、川久保さんや遠藤さんは共演したこともあるんです。あの素晴らしい演奏をまた聴けるのか、と思うと楽しみですね。

山下洋輔さんはご一緒させていただくのは初めて。何年か前にコンサートには伺わせていただいたんですが、本当に素晴らしくてびっくりしました。また聴けるのを楽しみにしています。

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――このフェスティバルを通して辻井さんが伝えたいことはどのようなことでしょうか?

やはりピアノというのは、この1台でいろいろなことができる楽器ということですね。ピアノソロ、弦楽器や管楽器との共演など、本当に幅広いジャンルを演奏することができるんです。ピアノってこんなに素晴らしいんだということを、ぜひみなさまにお伝え出来たらいいなと思いますね。


――企画の中には音楽の街づくりということで、小学校の体育館で280名のお子さんたちとの交流もありましたね

昨年のその企画が、僕の人生で初めての音楽教室でした。子どもたちの前でピアノを弾いたり、とても楽しい企画でしたので、ぜひまたやりたいなと思っています。何をどうしたら、子どもたちが喜んでくれるかな、というのをいろいろ考えましたね。あえて題名をいわないで演奏して、どんなイメージを思い浮かべるか、とか。演奏後にそれぞれどんなイメージだったかの感想を言って、実はこの曲はこういうイメージでした、と解説するんです。そのあとにもう一度、聴いてもらいましたね。あとは、子どもたちからお題をもらって、僕が即興演奏をしたり。これはものすごく好評でした。たくさんの子どもたちが手を挙げてくれて、なかなか難しいお題を出してくるんです。神様から与えられた才能、とか広大なイメージのお題とかね。音楽の楽しさ、ピアノのすばらしさを存分に子どもたちに伝えられたんじゃないかと思っています。今年の交流もとても楽しみです。


――公演の直前に34歳の誕生日を迎えられます。34歳になって、チャレンジしたいことは?

まだまだいろんなレパートリーに挑戦していきたいですね。音楽家は一生勉強だと思いますので、いろいろやってきた33歳よりも、より成長した姿、いろいろな勉強をして新しい表現力を深めていきたいと思います。


――辻井さんにとって、音楽とはどのようなものでしょうか?

音楽のない人生は、自分には考えられません。音楽は、本当につらい時、喜びや悲しみなど、すべてを表現できるものですし、どんなに大変なときでも、音楽によって救われることもある。みなさまに少しでも寄り添うことができたらいいなと思っています。


――最後に、河口湖でのフェスティバルで楽しみにしていらっしゃることを教えてください

まずは、自然の空気を吸いながらピアノの演奏ができることですね。あの場でいろいろな素晴らしいアーティストの演奏を聴くことができるのをとても楽しみにしています。ピクニック・コンサートでは、芝生の上でくつろぎながら、大人から子どもまでみなさんに音楽を楽しんでいただけます。それと河口湖には、おいしいものもたくさんありますからね。食べることも大好きなので、すごく楽しみにしているんです(笑)。河口湖でお会いできるのを、今からとても楽しみにしています!

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インタビュー・文/宮崎新之

【インタビュー】辻井伸行│富士山河口湖ピアノフェスティバル2022 ©Tomoko Hidaki
【インタビュー】辻井伸行│富士山河口湖ピアノフェスティバル2022