音楽の街プラハの精鋭たちが奏でる、鮮やかなるボヘミアの響き!
注目の俊英を迎えて贈る魂を揺さぶる至高の名曲!
チェコの熱き魂を秘めたオーケストラがやってくる!
巨匠ビエロフラーヴェクによって創設され、今や音楽大国チェコ屈指のオーケストラとして国際的な名声を確立しているプラハ・フィルハーモニア。プラハの街、大地を感じさせる彼らの音楽には、チェコの伝統とともに新しい息吹の輝きがある。チェコを代表する指揮者レオシュ・スワロフスキー、ソリストには現在注目を集める2人の俊英を迎えて贈る、鮮やかなるボヘミアの響きをどうぞお聴き逃しなく!
今回の来日公演の聴きどころ
躍進するオーケスケストラで“チェコの今”を聴く!
独特の芳醇な響きと躍動感に満ちた演奏に注目
音楽大国チェコで最も勢いのあるオーケストラ、プラハ・フィルハーモニア管弦楽団が、6年ぶりに日本公演を行う。演目は、地元チェコの極め付けの名曲と、ゆかりの深いウィーン古典派やスラヴの人気作揃い。同国を代表する名匠の指揮、今後の世界を担う俊英ソリストたちの妙技にも注目が集まる。本公演は見どころが満載だ。
◆プラハ・フィルハーモニアの演奏の特徴と魅力
チェコのオーケストラは独特の魅力を有している。それは、距離も近い音楽の都ウィーンに通じる中欧の香りと、いぶし銀のような東欧のテイストを併せ持った、温かくまろやかなサウンドだ。柔らかくしなやかな弦楽器と瑞々しい管楽器が織り成す芳醇でコクのある演奏は、まさしく唯一無二。中でも、古都の風雅さやボヘミア地方の空気感を反映したプラハのオーケストラは、日本人にある種の懐かしさを与えてくれる。
こうした伝統の強みに、清新な活力、柔軟な対応力、完璧な機能性を加えた、“チェコの今”を代表するオーケストラが、プラハ・フィルハーモニアである。1994年に名指揮者イルジー・ビエロフラーヴェクによって創設された同楽団は、この巨匠の先導で強固な礎を築き、2008年から15年まで首席指揮者を務めたヤクブ・フルシャのもとで大きく躍進した。チェコ音楽のみならず、ウィーン古典派に強いのも特長で、これまでに海外ツアーや音楽祭への出演を重ねるほか、90タイトル以上のCDも多くの賞を獲得。短期間で国際的な評価を確立し、チェコのトップレベルにまで成長を遂げている。
中でも特筆されるのが、2010年「プラハの春」音楽祭におけるスメタナの連作交響詩「わが祖国」の演奏。1946年に始まったチェコの中でも特別な同音楽祭は、スメタナの命日の5月12日にこの代表作で幕を開ける。主にチェコ・フィルが担ってきたその名誉ある舞台を、創設して僅か16年の同楽団が務めたのは画期的な出来事。これは彼らの演奏への評価と信頼度の高さを如実に物語っている。
そのライヴ録音を聴くと、引き締まった構築の中で自然に高揚する濃密かつ瑞々しい快演に感嘆させられる。またフルシャ指揮による2012年と15年の来日公演でも、精緻かつ躍動的で生気に充ちた名演を展開し、大きな喝采を浴びた。その後さらなる熟成を加えた今回は、現在のチェコにおける最高クラスの演奏が披露されることになる。
◆今回のプログラムの聴きどころ:極め付きの決定版と、抒情と情熱あふれる人気曲
プログラムは大きく分けて2つ用意されている。1つは、チェコ国民楽派の両雄の作品、スメタナの「わが祖国」より“モルダウ”、ドヴォルザークのチェロ協奏曲、同じく交響曲第9番「新世界より」が並ぶ“チェコ音楽の決定版”プログラム。“モルダウ”は、ボヘミアの母なる川の源流から大河に至る情景が美しい音楽と共に描かれた、チェコの管弦楽曲の代名詞であり、ドヴォルザークの2曲は円熟期にアメリカで書かれた彼の代表作。チェロ協奏曲は、雄大な音楽の中に様々な名人芸と朗々とした歌が展開される同分野の最高峰で、「新世界より」は旋律美と迫力に溢れた史上屈指の人気交響曲である。
日本の伝統音楽と同じ五音音階が用いられたボヘミアの音楽は、日本人の琴線を刺激してやまない。そして、その哀感漂う民俗性を十全に表現できるのは、もちろん本場のオーケストラ。よってこれは文句なしに“極め付け”のプログラムだ。
もう1つは、ベートーヴェンの序曲「エグモント」と交響曲第7番に、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番が挟まれた“ウィーン古典派&スラヴの人気作”プログラム。重厚な「エグモント」の悲劇から勝利へ至る高揚感、リズムが躍動する交響曲第7番の生命力に溢れた音楽は理屈抜きにエキサイティングで、その迫力は生演奏ならばさらにアップする。ラフマニノフの協奏曲第2番は、ポピュラー音楽にもアレンジされた甘美な旋律と抒情味に溢れた音楽が連綿と展開されるロシアの大看板。濃厚なロマンティシズムとダイナミックなピアノ・ソロが、終始耳を引き付けて離さない。
モーツァルトがプラハでブレイクし、ベートーヴェンがボヘミアで英気を養ったように、ウィーン古典派はチェコとの関係が深く、またラフマニノフの作品は同じスラヴ民族の音楽。こちらは迸る情熱が、聴く者を魅了するに違いない。
◆チェコを知り尽くした指揮者と、瑞々しい演奏が期待される若手ソリストの共演
今回指揮をするレオシュ・スワロフスキーは、往年のチェコの2大巨匠ノイマンとコシュラーの薫陶を受け、プラハ室内歌劇場、ヤナーチェク・フィル、ブルノ・フィル、プラハ国立歌劇場等の首席指揮者を歴任したベテラン。シュターツカペレ・ドレスデンや都響への客演等、世界的にも活躍しているが、前記の手兵に加えて、チェコ・フィル、プラハ放送響といった同国の主要楽団と共演を重ね、チェコのオーケストラを知り尽くしている。再三来日し、正攻法のアプローチの中に生気を吹き込む迫力ある演奏、細かなフレーズが自然に呼吸する音楽は、日本でも高い支持を得ている。むろんプラハ・フィルハーモニアとの共演も多く、昨夏撮られた「新世界より」の映像では、曲のイメージと魅力をフルに表現した、こまやかにして迫真的な名演を展開しているので、今回も期待十分だ。
チェロはサンティアゴ・カニョン=ヴァレンシア。1995年コロンビア生まれの彼は、多数の国際コンクールで上位入賞後、2019年チャイコフスキー国際コンクールで第2位を受賞し、一躍脚光を浴びた。豊潤な音色、明確な音の運びや流麗な歌い回しを併せ持った演奏は、若手の中でもピカイチ。しかも今回は、演目が有名なドヴォルザークの協奏曲だけに、個性と真価が十二分に発揮される。
ピアノは務川慧悟。東京藝大とパリ音楽院で腕を磨いた彼は、数々の国際コンクールで上位入賞後、2019年ロン=ティボー=クレスパン国際コンクールで第2位を受賞し、大きな注目を集めた。内外の多方面で活躍している彼は、以前あるインタビューで、「ラフマニノフは強い共感を持って弾ける作曲家」と語っていただけに、豊麗なピアニズムときめ細かな表現で、名曲をフレッシュに聴かせてくれるだろう。
指揮者&ソリスト、オーケストラ、プログラムと魅力が3拍子揃った本公演。魂を揺さぶるボヘミアの響きを、ぜひ生体験したい。
柴田克彦(評論家)
指揮
レオシュ・スワロフスキー
管弦楽
プラハ・フィルハーモニア管弦楽団
チェロ
サンティアゴ・カニョン=ヴァレンシア
(Aプロ出演)
ピアノ
務川慧悟
(B・Cプロ出演)
予定プログラム
<Aプログラム>
スメタナ:交響詩「わが祖国」より“モルダウ”
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」
<Bプログラム>
ベートーヴェン:序曲「エグモント」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92
<Cプログラム>
スメタナ:交響詩「わが祖国」より“モルダウ”
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」
曲目、出演者は変更になる場合がございます。予めご了承ください。
公演日時・会場
| 公演 | 日時 | 会場 |
| 神奈川 |
9/18(土) 14:00開演 |
神奈川県立音楽堂 <Aプログラム> |
| 東京 |
9/19(日) 14:00開演 |
東京オペラシティ コンサートホール <Bプログラム> |
9/20(月・祝) 14:00開演 |
東京オペラシティ コンサートホール <Aプログラム> |
| 群馬 |
9/21(火) 19:00開演 |
高崎芸術劇場 <Aプログラム> |
| 滋賀 |
9/23(木・祝) 14:00開演 |
滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール <Cプログラム> |
| 愛知 |
9/26(日) 14:00開演 |
刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール <Cプログラム> |
料金
【東京公演】
| 席種 | 料金 |
| S席 | ¥13,000 |
| A席 | ¥11,000 |
| B席 | ¥9,000 |
| C席 | ¥7,000 |
【神奈川・滋賀 公演】
| 席種 | 料金 |
| S席 | ¥12,000 |
| A席 | ¥9,500 |
| B席 | ¥7,500 |
| C席 | ¥6,000 |
【群馬・愛知 公演】
| 席種 | 料金 |
| S席 | ¥1,1000 |
| A席 | ¥8,500 |
| B席 | ¥6,500 |