昭和の名優・森繁久彌が演じ続けた“ベンゲットの他(た)ぁやん”を、演出・森新太郎×主演・佐々木蔵之介のタッグで蘇らせる!
PARCO劇場オープニング・シリーズ第2弾として上演する本作『佐渡島他吉の生涯』は、昭和の名優・森繁久彌氏によって1961年に初演され、その後10回以上の再演を重ねた人情喜劇の名作です。坂口安吾らと共に無頼派の一人として知られ、今でもファンの
多い作家の織田作之助の「わが町」を原作に、椎名龍治が脚本を担当し、主人公・他吉を演じた森繁久彌本人が潤色と演出を兼ねつつ創り上げられてきました。
明治後期から第二次大戦終戦後の昭和21年まで、粗野で破天荒ではあるものの、家族思いでどこか憎めないバイタリティに溢れた人力俥夫“佐渡島他吉”の生涯を、当時のごみごみした大阪の裏路地を舞台に描いた名作喜劇。2016年に上演した『BENT』以来、4年越しの森新太郎と佐々木蔵之介のタッグで、この名作喜劇を現代に蘇らせます。
演出の森新太郎が織田作之助作品の愛読者であったことに加え、惑星ピスタチオ時代に関西の劇場で観客を笑わせ、沸かせていたコテコテの佐々木蔵之介をもう一度みてみたい、と森が熱望したことで、本企画がスタートいたしました。映像や舞台で洗練された役どころを演じることの多い佐々木としては珍しく、明治生まれの破天荒ながら情にも厚い他吉役。
東京進出以来、初の関西弁を駆使した役どころにご期待ください!
ストーリー
一旗揚げようと妻子を日本に残してフィリピンのベンゲット州の道路工事に従事していた人夫の他吉(佐々木蔵之介)。通称“ベンゲットの他(た)ぁやん”は、そこに働く荒くれ共の中でも名うての暴れん坊だった。しかし、ある日現地の白人との喧嘩が元で日本に強制送還されることが決まる。その地を離れることに未練はなかった他吉だったが、そこで知り合い心を通わせていた”からゆきさん“の静子(壮一帆)との別れはつらかった。
しばらくして大阪のごみごみとした河童(がたろ)路地(ろじ)にある長屋の自宅へと戻った他吉。夫を待ち続けていた妻のおつる(松永玲子)と幼い娘の初枝は、他吉に会うなり音信不通のまま自分たちをほったらかした家長を責め立てる。これからは二人のために人力俥夫となって働くと宣言する他吉に大喜びしていた二人だったが、ほどなくして妻のおつるが病死してしまった。それでも、隣家の噺家〆団治(石田明)をはじめとする長屋の人々の支えも借りながら、残された一人娘のために俥夫としてしゃにむに働き続ける他吉。
やがて成長した娘の初枝(谷村美月)は近所に住む桶屋の息子の新太郎といい仲になり、新太郎は借金をしながらも新たなお店を構え、二人は夫婦となって切り盛りし始めた。他吉も娘夫婦の借金返済に一役買おうと、まだまだ体を責めて働き続ける。ところが新太郎と初枝の店は隣家の火事に巻き込まれてしまい……。
明治38年から昭和21年まで、大阪の河童路地の長屋に住む“他(た)ぁやん”の、人情味に溢れながらも波瀾万丈な生涯を、笑いと涙を織り交ぜて描く大作舞台。
原作
織田作之助「わが町」より
脚本
椎名龍冶
潤色
森繁久彌
演出
森新太郎
出演
佐々木蔵之介 石田 明(NON STYLE) 壮 一帆 谷村美月 松永玲子 藤野涼子 大地洋輔(ダイノジ) 弘中麻紀 福本伸一 上川周作 どんぐり 陰山 泰 ほか
日程・会場
公演 | 日程 | 会場 |
東京 | 2020/5/13(水)~6/7(日) | PARCO劇場(渋谷PARCO 8F) |
大阪 | 2020/6/25(木)~6/28(日) | NHK大阪ホール |
料金
公演 | 料金 |
東京 | ¥10,000 |
大阪 | S席¥10,000 A席¥8,500 |
全席指定・税込
未就学児のご入場はお断りいたします。
チケットの不正転売禁止。