コンサート

【ライブレポート】Plastic Tree

【ライブレポート】Plastic Tree

Plastic Tree Phylogenetic Tree Tour Act.3 -a piece of “シロクロニクル”-』6月7日 @千葉・柏PALOOZA

Plastic Treeが6月7日、千葉・柏PALOOZAにて『Plastic Tree Phylogenetic Tree Tour Act.3 -a piece of 〝シロクロニクル〟-』公演を開催した。
本公演は、2027年に迎えるメジャーデビュー30周年へ向けて展開中のアニバーサリープロジェクト『Plastic Tree Phylogenetic Tree Live/Tour 2025-2027』の一環としておこなわれたもの。歴代アルバムを現在の視点で再訪するこのシリーズでは、Act.1で『Hide and Seek』と『アンモナイト』、Act.2で『ドナドナ』と『トロイメライ』をフィーチャー。そしてAct.3では、2003年発表の『シロクロニクル』と2015年発表の『剥製』を軸にライブが構成されている。

Plastic Tree

定刻となり場内が暗転すると、スクリーンにはモノクロ映像が映し出される。ワルツのリズムによって再構築された「最終電車」が、まるで古いサーカス小屋や活動写真を思わせるノスタルジックな空気を生み出し、オーディエンスを一気に『シロクロニクル』の世界へと誘った。
長谷川正(Ba)の歪んだベースが轟いた「イロゴト」からライブはスタート。続く「内臓マイク」では佐藤ケンケン(Dr)のタイトなビートがフロアを突き動かし、カオティックなバンドサウンドへとなだれ込む。「lilac」では有村竜太朗(Vo)が長身を回転させながらオーディエンスを煽り、掛け合いコーラスで会場が一体になるなかナカヤマアキラ(Gt)の鋭いギターソロが空間を切り裂いていく。

Plastic Tree

清々しくもメランコリックな「水色ガールフレンド」から、スリリングでソリッドな「Dummy Box」へ。ミラーボールが回り始めた「星座づくり」では、スクリーンに映し出された星座が会場を宇宙空間に。一方、「サンデー」では有村がハンドマイクを手にステージを歩き回りながら、オーディエンス一人ひとりに訴えかけるよう歌い上げた。
ライブ中盤のハイライトはやはり「秘密のカーニバル」だろう。「柏!」という有村の声を合図に16ビートのダンスグルーヴが炸裂。長谷川はステージを跳ね回り、ナカヤマはワウギターを響かせる。〈Hey!〉のコールでは観客も一斉にジャンプし、この日最大級の一体感を生み出した。メンバーものちのMCで、「こんなに楽しい曲になるとは思わなかった」と口々に語り、「いつか柏で『秘密のカーニバルフェス』をやりたい」と有村が提案、場内は大きな歓声に包まれた。

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後半は「hate red, dip it」のヘヴィなリフや「ピカソごっこ」の狂騒、「ナショナルキッド」の疾走感でフロアの熱量はさらに上昇し、本編ラストはやはり「最終電車」。スクリーンに投影された車窓の景色は、過去と現在を行き来する旅のようでもあり、このツアーそのものを象徴しているかのようだった。
アンコールでは西田敏行「もしもピアノが弾けたなら」、The ピーズ「バカになったのに」のカバーで会場を沸かせ、さらにダブルアンコールでは、雨の映像を背景に「六月の雨」、続く「メランコリック」を経て「バンビ」で観客とひとつになり、この日の幕を閉じた。
Plastic Treeにとって2度目の柏での公演は、〝シロクロニクル〟という作品を、現在の4人が改めて鳴らす意味を強く感じさせる一夜となった。過去を振り返りながらも、その表現は決して懐古にとどまらない。20年以上の時を経た楽曲たちは、「2026年の音」として鮮やかに鳴り響いていたのだ。

※月刊ローチケ 2026/7/15号より転載

文=黒田隆憲
撮影=村上宗一郎

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