【インタビュー】由薫
2024/2/15(木)
ライブでは一人ひとりが私の音楽の主人公になってほしい
包み込むような柔らかで奥深い歌声が印象的な「星月夜」(ドラマ「星降る夜に」主題歌)が、デジタル総再生回数4億回を突破したシンガーソングライターの由薫。2022年6月、映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』の主題歌「lullaby」でデビューし、数々の話題曲を手がけてきた彼女が1stアルバム『Brighter』をリリース。タイトルには、彼女の決意や願いが込められている。
「タイトルには、『光輝ける音楽を鳴らせるアーティストになる』という決意表明が込められています。アルバム制作の直前におこなったセカンドワンマンツアーのテーマが“夜が明けていく”だったので、制作中に『夜が明けた先に何があるんだろう』と考えました。最初に浮かんだのは“明るい”や“輝く”という意味のBrightでした。制作が進むうちに、聴いてくださる方が少しでも日々の中に明るさを見出せるような音楽を届けたい、そして、アルバムの曲や私自身ももっと輝ける存在になるんだと考えるようになり、より輝くという意味のBrighterをタイトルに決めました」
大きな瞳を輝かせながら、音楽へのあふれる思いを誠実に語る由薫。作詞や作曲、アレンジ、ジャケット写真など、細部に至るまで自分の意思を伝えながら丁寧にアルバムを制作したという。
「アレンジは自分の“好き”や“心地よさ”を信じて、1音までこだわりながら自分が思い描くサウンドに仕上げていただきました。また、幼いころに海外で過ごし大学でも学んだ英語は、日本語と同じように私にとって大切な言語。2つの言葉をルーツに持つことでいろいろな物の見方ができるのが私の個性だと思うので、すべて日本語の『星月夜』のほかに、『Crystals』(ドラマ『たとえあなたを忘れても』主題歌)の英語バージョンはぜひ入れたくてボーナストラックとして収録しました。
自分の曲は自宅でリラックスしながら作っているので、旋律がナチュラルで語り掛けるようだなと思います。Toruさんは、私の声をすごく分析して作曲してくださったので、私自身が気づいていなかった声の可能性を引き出してくれました。自分の中にはない旋律を歌うのは大変でしたが、その必死さも含めて“届けたい”という強い気持ちが表現できたと思います」
デビュー以来、フェスなどでライブを重ねてきたほか、2度のワンマンツアーを開催しライブアーティストとしてスキルを高めている。3月にLA公演をおこなったのち、6月には、全国6カ所を回る全国ツアーの開催も決まった。
「ファーストワンマンは、皆さんに会えた喜びがあふれて、本当に特別な時間でした。セカンドワンマンでは、観てくださる方に喜んでいただけるよう、ライブ前のサウンドチェックなどを丹念におこなうなどプロとして細部まで意識できるようになりました。6月のアルバムを携えたツアーでは、これまでライブで披露していなかった曲や、ライブならではのアレンジを施すなど、いろいろな届け方ができると思うので楽しみにしていてほしいです。
ライブって、場所や時間を共有し、音楽を全身で感じられる特別な空間だと思います。実は、私が音楽を始めたきっかけは孤独でした。一人ぼっちだと感じていた自分が、今は音楽を通じてたくさんの人とつながれています。ライブでは、聴いてくださる一人ひとりが私の音楽の主人公になって、自分の気持ちを大切にしたり、感情を解放してもらえたら。ぜひ一緒に楽しみましょう!」
プロフィール
由薫/ゆうか
’22年に「lullaby」でメジャーデビュー。’23年にはドラマ『星降る夜に』の主題歌「星月夜」が各チャート1位を獲得するヒットとなった。
公演情報
Tour 2024「 Brighter」
- 6/8(土) 17:00 宮城・LIVE HOUSE enn 3rd
- 6/15(土) 17:00 広島・ALMIGHTY
- 6/16(日) 17:00 福岡・ROOMS
- 6/22(土) 18:00 東京・Shibuya WWW X
- 6/29(土) 18:00 愛知・ell.FITS ALL
- 6/30(日) 17:00 大阪・梅田Shangri-La
インタビュー・文/橘川有子
構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載