【インタビュー】YOASOBI
2026/7/15(水)

Photo by Jun Yokoyama(上)、Photo by Risa Nishimura(下)
10大ドーム&スタジアムツアーを開催!
デビューから国内外で快進撃を続けてきたYOASOBI。その新たな挑戦が、いよいよ幕を開ける。
2026年10月からスタートする過去最大規模のアジアツアー『YOASOBI ASIA 10-CITY DOME & STADIUM TOUR 2026-2027』は、日本人アーティスト初となる「アジア10大ドーム&スタジアムツアー」だ。国内では大阪、名古屋、札幌、福岡、東京の5大ドームで計10公演。海外では台北、ソウル、香港、シンガポール、追加1都市の開催が予定されている。
2024年秋に開催された自身初のドームライブ『YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”』から大きなスケールアップを遂げた今回のドーム&スタジアムツアー。ツアーに向けてのビジョンを、Ayaseとikuraはこう語る。
Ayase「とにかく大きいライブをやりたいというのはありました。5周年記念の“超現実”を終えて、次はドームツアーをやりたいという目標があったので。それに加えて、我々もアジアを中心に精力的に海外での活動をやらせていただいて、そこでの手応えや自信も手にしていたので。“5大ドーム”ではなく“10大ドーム&スタジアム”という規模感なら、文字面としても、今まで見たことないインパクトを残せる。ならば大きく勝負に出てみようというイメージでしたね」
ikura「ドームの規模感の中でYOASOBIがやっていきたいことや、その未来も見えてきました。アジアツアーもライブハウス、アリーナとやらせていただいたので、次なるチャレンジとしてドームやスタジアムの規模感があって。それを日本とアジアでまとめて一つのツアーとしてやるというのはどうかって、みんなで話していたんです。今回それが叶えられることがすごく嬉しいですね」
「小説を音楽にするユニット」としての結成から華々しい成功を手にしてきた彼ら。YOASOBIがどういうユニットなのか、どこを目指して進んでいくのかをAyase、ikuraの2人がチームと共にしっかりと思い描いて形にするようになったのは、“超現実”の頃からだったという。
Ayase「“超現実”に向けての準備段階から、それまで以上に自分たちがちゃんと血を通わせていろんなものを作ってきて。“超現実”でその土台ができた、ある意味スタートラインに立ったという感覚があったので、そこをしっかり引き継いだ上で今回のドームツアーに臨もうというのはありますね。自分たちの中から出てくるテーマをちゃんと引っ張ってきて、どういうショーを見せたいのかを明確に形にしていく。現状でもそれができているし、そうやってライブに目標がフォーカスされていくと、作っていく楽曲も、日々やらせていただくお仕事の中で自分たちをどう見せていきたいのかも、今まで以上にクリアに見えるようになってきたというのを感じているので。やるべきことを明らかにしていきながら、着々と少しずつ前に進んでいる実感はありますね」
2025年は初の全国ホールツアー『YOASOBI HALL TOUR 2025 WANDARA』を開催し、海外フェスへの出演も含め、度重なるステージでライブバンドとしての魅力を磨き上げてきた。その経験が今のYOASOBIの強みになっている。
Ayase「海外でのライブでは未体験のことも多いし、自分たちを初めて見る人たちに対して、言語も違う中でどういったアプローチをするか。そういうところで培ってきた経験はもちろんあります。それに、去年のホールツアーは、正直、完全な武者修行ツアーだったとも思うので。フィジカルもメンタルも鍛え上げてきたというか、実際にやってきた本数が積み重なってきて、ライブバンドとしてのYOASOBIの経験値がしっかりと増えてきている。だからこそやれることの幅が広がっていることも実感していますね」
ikura「特に去年のホールツアーはすごく大きかったと思います。ライブバンドとしての強さもそうだし、あとはビジュアルやセットもどんどん進化していて。『今のYOASOBIが見せたい最新の姿はこういうものだ』っていうのを、衣装であったり、照明だったり、映像であったり、音楽だけじゃない部分のライブの演出の見せ方もチームでこだわってきているので。フェスや対バンライブでも『YOASOBIはこういう音楽をやってます、よかったら私たちと一緒に遊んでいきませんか?』みたいなワクワク感を、鳴らしている音だけじゃなく、目に見えるもの全てで表現していて。そこもチームで強くなっている部分なんじゃないかなと思います」
6月26日には新作EP『THE BOOK for,』が発売された。2021年より“読むCD”としてシリーズ化してきた「THE BOOK」シリーズの締めくくりとなる第4弾で、過去3作品を上回るボリュームの全12曲を収録。『オーバーウォッチ』コラボレーション楽曲として書き下ろされた最新曲「オリオン」を筆頭に、TVアニメ『花ざかりの君たちへ』オープニングテーマ「アドレナ」・エンディングテーマ「BABY」など、話題曲の数々が並ぶ。
Ayase「相変わらずバラエティ豊かな作品になったなと思います。あとは、作曲者目線で振り返ると、媚びてない作品だとも思いますね。前作に入っていた『アイドル』とかの時は、絶対にこれでムーブメントを起こすぞという気持ちを持っていた。そこで満足した部分もあったりしたので、今回の楽曲たちはヒットチャートとかにはあまり執着をせず、今YOASOBIがやりたい楽曲、原作小説を表現するのに最も適した表現方法を純粋に突き詰められた気がする。僕としては、のびのびと作っている感じはしますね」
ikura「前作からの2年半で、歌声としても引き出しがさらに増えたと思います。声色やニュアンスも曲によって全然違うし、ずっとライブをやっていたので、そこで磨かれていったものが次の曲に活かされているのも実感しました。Ayaseとikuraそれぞれが感じていたことや、2人の関係性とかもすごく変わったし、進化しているので。精神的なものも含めた人間としての成長、この数年間の歩みみたいなものを、自分個人としてはすごく感じています」
新曲「オリオン」は、ドラムンベースの疾走感と爽快なメロディが印象的な一曲。人気ゲーム『オーバーウォッチ』の世界観とリンクするような、近未来感のあるテイストに仕上がっている。スピーディーなikuraのラップパートも聴きどころだ。
Ayase「『オーバーウォッチ』のスピード感のあるゲーム体験と、ゲームに出てくるキリコ、ゲンジ、ハンゾーという3人のキャラクターの感情が上手く交わった、キラキラしつつ、疾走感、爽快感のある楽曲にしたいなというところから作っていきました。それと、最近は僕の中で宇宙とか惑星とか、そういうものがすごく好きで。音作りもキラキラしたものが好き。それも重なったと思います」
ikura「最初にデモを聴かせてもらった時からすごく素敵だなと思っていて。この曲の浮遊感とか、流れ星やオリオン座みたいな感じは、私としてもすごくイメージしやすかったです。あとは英語のラップパートがすごく印象的な曲になっていて。これまでもYOASOBIではいろんなラップをやってきたんですけれど、完全に英語で、声色もかなり落としたラップのアプローチというのは、新しい挑戦になりましたし。YOASOBIにとってもすごく大きい気がします」
『THE BOOK for,』の収録曲には、アニメ『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』主題歌「UNDEAD」や、PlayStation®30周年記念プロジェクト『Project: MEMORY CARD』楽曲「PLAYERS」など、エネルギッシュで疾走感に満ちた、ライブ映えするナンバーが多く並ぶ。そのあたりも、ライブと楽曲制作を共に進めてきたここ最近のYOASOBIの歩みを反映したものと言えるだろう。
Ayase「ライブをやっていると、例えば『もう1、2曲激しい曲あったらな』とか思う時もあるので。その影響もあるのかもしれないですね。あとは、基本的に僕が激しい曲が好きなんで。それもあると思います」
ikura「曲の並びを見ても、やっぱりライブでファンのみんなと一緒に作った景色が思い浮かびますし、みんなと成長させていった曲たちだという感じがしますね。私個人的にもそれぞれの曲の初披露の時を思い出したりしますし、ライブの絵が浮かぶというのは、今回の作品の特徴なのかもしれないと思います」
8月からは自身最大規模の北米ツアー『YOASOBI NORTH AMERICA TOUR 2026 “NEVER ENDING STORIES”』も開催される。ファイナルは約2万人を収容するロサンゼルスの歴史的会場“Hollywood Bowl”での公演だ。
Ayase「アメリカでも何度かライブをさせていただいてはいるものの、日本に比べるとまだまだ、YOASOBIというものがそもそもどういったユニットであるのかは全然知られてないと思うので。それをちゃんと見せられるツアーにしたいと思っています。我々としても原点に立ち返って、自分たちの世界観やキャッチーさ、J-POPとしての良さを丁寧にしっかり表現できるライブができたらいいなと思っています」
様々な活動を通して「誰もやったことのないことをする」「見たことのない光景を見せる」というアイデンティティを確立してきたYOASOBI。今回のドーム&スタジアムツアーもそういう「夢を形にする」場になりそうだ。
Ayase「誰もやったことのないことにチャレンジするという、その核は変わらないですね。常にそこを求めているし、結局そうやっていかないと自分たちもワクワクできない。そのぶん、準備が大変だったり、緊張するシーンも多いけど、その挑戦はたゆまずやってきたつもりではあるし、これからもそうしていきたい。ドームツアーも、いろいろなことを試行錯誤しながら、まだ誰も見たことのない景色を最大規模で見せられるようなものにしたいですね」
ikura「YOASOBIだからこそ、無限大な可能性の中で、いろんな挑戦ができると思っていて。規模が大きくなってしまいますけど、日本のみんなが夢を乗せられるユニットでありたいって、自分もここ数年でより思うようになったんです。だからこそ、何でも挑戦していきたいなって思いは年々高まっている感じがします。今まで見たことがないものを見られたって絶対に思ってもらえるものになると思うので、楽しみにしてもらえたらと思います」

Photo by Yoshihiro Mori.
プロフィール
YOASOBI/よあそび
コンポーザーのAyase、ボーカルのikuraからなる「小説を音楽にするユニット」。'19年に「夜に駆ける」デビュー後、「群青」「怪物」「アイドル」などヒット曲を連発し、高い人気を誇る。

Photo by Yoshihiro Mori.

公演情報
YOASOBI ASIA 10-CITY DOME & STADIUM TOUR 2026-2027
- 10/24(土) 18:00 京セラドーム大阪
- 10/25(日) 17:00 京セラドーム大阪
- 11/7(土) 18:00 愛知・バンテリンドーム ナゴヤ
- 11/8(日) 17:00 愛知・バンテリンドーム ナゴヤ
- 11/14(土) 18:00 北海道・大和ハウス プレミストドーム
- 11/15(日) 17:00 北海道・大和ハウス プレミストドーム
- 11/28(土) 18:00 みずほPayPayドーム福岡
- 11/29(日) 17:00 みずほPayPayドーム福岡
- 12/5(土) 18:00 東京ドーム
- 12/6(日) 17:00 東京ドーム
インタビュー・文/柴那典
構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載