【インタビュー】うぴ子

2022/11/15(火)

進化した魂のワンマンライブを思いきり楽しんでほしい

TikTokのフォロワーが20万人を超え、昨年7月にYouTubeに投稿したストリートライブの動画の再生数が約400万回に迫る(2022年10月現在)、うぴ子。さらに、ネットの誹謗中傷に対するアンチテーゼをテーマに書いた「匿名の檻」を、俳優・斎藤工が自身のラジオ番組でかけたことが大きな反響を呼び、彼女の存在はより多くの人に知られるようになった。

「学生時代のあだ名が“うっぴー”だったので、その流れで“うぴ子”にしたんですけど、「匿名の檻」のような現代社会の闇に切り込んでいくような歌と名前からくるイメージにギャップがあるとよく言われます(笑)」

「匿名の檻」が収録されている1stアルバム『人生初心者』には、「自殺願望者の唄」「メンヘラの唄」「あいへいちゅー・鬱」など、タイトルも含め、これまで誰も歌詞にしてこなかったような衝撃的な言葉が刻まれた楽曲が収められている。うぴ子が“生と死”“生きる”ということに気持ちが寄ってしまうのは、今も現役の看護師として働いているからなのだろうか。

「以前は病棟で働いていたこともあって、人生の最期を迎える瞬間を何度も見てきました。私も学生の頃に誹謗中傷されて気持ちが落ち込んでしまい、早く消えたいと思ったこともあった。生きているだけですごいのに、誰にも生きづらさはあるんだろうなと思ったとき、そういうことを歌にしている人が少ないなと思ったんです。だったら私が先陣を切って歌ってやる!という気持ちで音楽業界に切り込んでいきたい!と思ったんです」

歌にしたからといって世の中は変わらないのかもしれない。うぴ子も声高に感情を荒げてはいないが、彼女の歌には、諦めなければならないことがたくさんある今の世の中に生きている人の多くが抱えている孤独感や焦燥感をすくい上げてくれる。彼女の歌には“生きていくんだ”というエネルギーを持った魂の言葉が刻まれているのだ。

「私は歌いたいから歌っているし、書きたいから書いている。うまく言葉では言えないんですけど、それは本能のようなものかなって。そんな歌に反響があるのは、私と同じ気持ちの人がいるってことなんだなって思う。だからこそもっと歌を届けたい!という気持ちになるんです」

来年一発目のライブは「UPIKO NEW YEAR GIG 2023 ~わたしがここにいる理由~」と題し、1月21日にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催される。

「ライブは来てくれるひとりひとりの心臓をかっさらうような場所だと思って常にやっています。ライブに来てくれる人にどれだけのことを伝えられるかが勝負だなって。私がステージにいる理由、うぴ子という人間がなぜ歌を歌っているのかを見てもらいたいし、なによりもうぴ子のライブを思いっきり楽しんでもらいたいです」

1stアルバムだけでなく、11月下旬には自身初のライブアルバム発売が決定している。2023年はうぴ子にとって更なる飛躍の年になるだろう。

「1stアルバムを作っていた頃からは進化している自分がいる。書きたいことの幅も広がっているので、最近はいろんなうぴ子を伝えたいという思いで曲を作っています。まず、これからどうなりたいかじゃなく、目の前のものに集中していたい。“歌いたいことを歌う”ことを積み重ねて辿り着いた場所にどんな景色が待っているかは、これからの私の頑張りと成果だと思っています」

 

プロフィール

ウピコ

悩める人々の心情や社会の闇を圧倒的な歌唱力、表現力で歌い上げるシンガーソングライター。TikTok、YouTubeにてオリジナル曲、カバー曲を投稿し、多くの支持を集める。

公演情報

UPIKO NEW YEAR GIG 2023 ~わたしがここにいる理由~

  • '23/1/21(土)18:00 東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

インタビュー・文/松浦靖恵
構成/月刊ローチケ編集部11月15日号より転載

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