【インタビュー】植田真梨恵

2020/04/15(水)

 

ワクワクする実験から生まれる新作を携えて

 

昨年、メジャーデビュー5周年を迎え、シンガーソングライターとしての集大成を見せた植田真梨恵。そこから必然的に見えてきたものとは？

「セルフプロデュースでやっているからというのもありますけど、手を広げすぎて時間もパワーも足りなくなってしまうところをもう一度見直して、私がやるべきことをやりたいなと。それは歌をシンプルに歌うことだったり、歌詞を背伸びせずに書くことだったり、もっと言うとギターを弾かないで作ることも含めて」

手法の一つとして曲作りをギターではなく新しく買ったエレピで始めてみたり、エレピの音をボイスメモに録音し、そこにハーモニーを重ね、閃きの赴くままにデモを作っているそう。

「アナログの細かい楽器が家に増えてきて。今まで聴いたことがないようなものが作りたいというと、デジタルなものに寄りがちなイメージを持たれるのかな？ と思うんですけど、そうじゃなくて空気感や温かみもある、組み合わせの面白いものができたらいいなと思っています」

現段階では昨年10月に初めてのサブスク解禁に踏み切ったデジタル・シングル「Stranger」が、「ワクワクするような閃き」の発端といえるだろう。低めの地声からファルセットまで高低差のあるボーカル、アコギとエレクトロニックなサブベースの低音が新鮮だ。

「この曲ができてなかったら、これから先、やりたいことがもっと見えてなかったかなと思うので、大事な一曲になってますね」

さらに25時間生配信の中で作詞作曲編曲からレコーディング、MV撮影までおこなった「I JUST WANNA BE A STAR」は植田のライブメンバーが素でガレージロックを演奏しているような音像。

「（ファンの）みんなに『ワクワクすること』というテーマで言葉や歌詞を送ってもらって、私もそれを見ながらワクワクして作れたので、今29歳、ギリギリで、普通のロックチューンみたいなものができたのが嬉しかったですね」

 

 

他にも映画『ミセス・ノイズィ』の主題歌に起用されるソリッドな質感の「WHAT's」、7thシングル「REVOLVER」、今年に入って開催された恒例の歌とアコギとピアノによるライブ「LIVE of LAZWARD PIANO“Academic!”」でも披露された、およそ10年前に書いたという「スルー」などが完成している。加えて、シンガーソングライターであることに必要以上に拘泥しないスタンスも。

「今の私がいる状況の中で、今までやってないことをやるという意味で、あ、私、歌手だって思ったんですよ（笑）。シンガーソングライターですけど。そう思った時に、自分以外の人が作った曲も歌ってみたいと思って。どういうスタンスでとか、今私が思っていることをめちゃくちゃ長いメールにして作家さんに送ったんですけど（笑）。それぞれの作家さんの閃きと一緒に“ワクワク実験さん”の気持ちで作っていこうかなと思ってるんです」

「植田真梨恵らしさとは？ という自らの問いかけに納得のいく作品を作れない限り、この先はないと思うんです。この世界観は私の曲でないと触れられないというものでない限りはもう意味がないから」というシリアスな思いと、音楽を作ることに対して過去最高に自由なスタンスを感じる。

そして9月からはツアーもスタート。

「今年はいろいろ大変な状況もあるから、ライブができることが幸せだなって思える、そういう曲をいっぱい作ってツアーに行きたいですね」

バンドセットで全国11ヶ所を廻るツアーのなかで今の彼女にしか作れない音楽に出会いたい。

 

 

 

公演情報

 

植田真梨恵 LIVE TOUR 2020

 

9/18(金)19:00 高松DIME

9/21(月・祝)17:00 熊本B.9 V2

9/22(火・祝)17:00 福岡DRUM Be-1

9/25(金)19:00 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE

9/26(土)18:30 仙台darwin

10/3(土)17:00 金沢vanvan V4

10/4(日)18:00 名古屋クラブクアトロ

10/11(日)17:00 札幌Sound Lab mole

10/16(金)19:00 大阪BIGCAT

10/18(日)17:00 広島セカンド・クラッチ

10/25(日)17:00 EX THEATER ROPPONGI

 

※公演が中止・延期になる可能性がございますので詳細は各公演の公式HPをご確認ください。