【インタビュー】TK from 凛として時雨

 

TK from 凛として時雨

新たなる感覚を探求するツアーがスタート

 

今年春に、約3年半ぶりとなる4thアルバムをリリースするTK from 凛として時雨。アルバムについては、このインタビュー時点では制作中であり、また彼自身あらかじめコンセプトやテーマをもって作るタイプではないゆえその完成を楽しみにしたいが、近年の制作のモードについてこのように語ってくれた。

「年齢やキャリアも重ねてきて自分に対する期待値が怖いくらい上がっているんです。ここで己を打ちのめすような作品を作らなければいけないというプレッシャーがいままでにないくらいあって、何を生み出せるのかがもの凄い楽しみといういままでにはない感覚があるんですよね」

その新たな感覚や自身の可能性への探究心はライブにも表れているのだろうか。2019年にはTK from 凛として時雨名義で『Bi-PhaseBrain“L side”』を、そしてTK(凛として時雨)名義でアコースティック編成による『Bi-PhaseBrain“R side”』という2形態でのライブツアーを行なった。

「初めは別々のライブとして考えていたんですが、プロジェクトは違えど自分の脳内の別の思考を一つのパッケージとして捉えてみようと思ったんです。同じ曲でも構成する楽器やメンバー、スタートする意識の違いでまったく別の思考回路になるんですよね」

とくに“R side”は舞台美術に、ファッションデザイナーであり音と布で生み出す現代サーカス“仕立て屋のサーカス”として公演を行なうスズキタカユキに舞台美術を依頼。TKの生み出すイマジネイティブなサウンド世界、静かな激情を呼び起こす音をさらに立体化するように、ひとつの空間を作り上げ好評を得ている。

「ソロのライブではバンド・凛として時雨とは違った演出や視覚的なものを取り入れたいと思っていました。映像はこれまでも使ってきましたが、舞台演出という面ではいままでシンプルなステージが多かったので、スズキさんにお声掛けさせていただいたんです。普段から一緒にものづくりをしていても繋がっている部分や驚かされる部分が常にあって、僕の音楽の延長線を描いてもらうイメージでした」

音楽と服飾とでアウトプットは違えども、同じくものづくりをする者同士のコラボレーションの刺激やアイディアの交換は、制作へのモチベーションに繋がりそうだ。また2019年に配信限定でリリースされたシングル「melt(with suis fromヨルシカ)」ではゲストボーカルにヨルシカのsuisを迎えて、TK from 凛として時雨の音楽に新たな響きをもたらしている。

「suisさんの声は匿名性が高くて僕自身どうなるか分からなかったですが、いまでも聴くとドキッとするんです。自分だけでは生み出せないものへの憧れはずっとありますね」

ソロプロジェクトがスタートして8年。ジャンルレスかつ自由な発想で、己の深層で鳴り響く形なき音や声に耳を澄まし、慈しむように掬い取ってきたTK。さらに未知の景色へと手を伸ばしている現在は、来るアルバムに濃く刻まれるだろう。

そして4月よりはじまる全国ツアー『TK from 凛として時雨 2020 Album Release Tour』で、よりリアルにその現在を感じてほしい。

「見終わった時に、アルバムとライブが聴覚と視覚のなかで繋がってその先がその瞬間にだけ見えるようなものにしたいですね。さあ、どうしようかな(笑)」

 

プロフィール

ティーケーフロムリントシテシグレ

凛として時雨のフロントマンでVo&GのTKによるソロプロジェクト。

 

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公演情報

 

TK from 凛として時雨

 

4/22(水)19:15 東京・LIQUIDROOM

4/25(土)18:00 福岡DRUM LOGOS

4/26(日)18:00 広島クラブクアトロ

4/29(水・祝)18:00 神奈川・KT Zepp Yokohama

5/9(土)18:00 石川・金沢EIGHT HALL

5/17(日)18:00 北海道・PENNY LANE24

5/23(土)18:00 大阪・なんばHatch

5/24(日)17:00 香川・高松MONSTER

5/29(金)19:15 愛知・ダイアモンドホール

5/31(日)18:00 宮城・仙台Rensa

6/4(木)19:15 東京・中野サンプラザホール

 

 

インタビュー・文/吉羽さおり

構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載

 

 

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TK from 凛として時雨

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