【インタビュー】こっちのけんと

2024/11/15(金)

こっちのけんと

「こっちのけんと第1期最終回」のつもりで
こっちのけんとらしいステージにする

2022年からソロアーティストとしてのキャリアを踏み出したこっちのけんと。今年5月27日にリリースした楽曲「はいよろこんで」はTikTokをはじめとする動画プラットフォームを席巻し、各SNSでの総再生回数が130億回を超える大ヒット曲となった。

「夢の中にいるような感覚で、全然実感がないです。自分の人生じゃないみたい。精神的に悩んでる人に聴いてもらうため無作為に楽曲を届けようと思っていた僕にとって、SNSは偶然相性が良かったんだと思います。同じくYouTubeで音楽活動をしている方々からは『夢を見させてもらってるよ』という言葉をいただいていて、今後も様々なアーティストが通っていく道を作れてるのかな、なんて自惚れつつ。幸せですね」

大きな飛躍を果たし、初めての経験が満載だった今夏を、当の本人は「僕には見合ってないなと思う」と謙虚に振り返る。

「『CDTV』に出演したあとは、連絡が一気に増えて大慌てでした。『THE FIRST TAKE』のパフォーマンスではアカペラを経験してきた自分の強みを発揮できたのが嬉しかったし、あれから周囲の目も眩しくなった。自信に繋がりましたね」

中毒性の高いメロディとサウンド、そして耳馴染みの良い歌声がバズの引き金となった一方で、彼の音楽の魅力を語るのに欠かせないのが、自身の経験を基に綴られる繊細な言葉だ。

「大事にしているのは、自分の歌詞に自分で涙できるか。それと、曲の中で問題提起をして、100点じゃなくてもいいから解決案を出すこと。『辛いことは気にしなくていいよ』というだけではなくて、具体的なことを歌うように意識してます。それを受け取りやすい形に整えて曲にしていたら、リスナーの皆さんが無視されてもおかしくないような小さい仕掛けにも気付いてくれて。めっちゃ嬉しいです」

9月22日には『イナズマロックフェス2024』に出演。これまで音源リリースを中心に活動してきただけに、「今まで数字や文章でしか見えていなかったリアクションを直接肌で体感して、ちょっとめまいがした」という。

「ライブは楽曲をより深く伝えるための場。視覚情報や演出で彩りを加えることで、終演後に少しでも曲の印象が変わっていることを目指しています」

そんなこっちのけんとは、12月13日に東京・立川ステージガーデンにて自身最大規模のワンマンライブ『よいとこせ』の開催を控える。

「ワンマンだからできる、こっちのけんとらしいステージにしたい。『はいよろこんで』からの盛り上がりの一区切りとして、『こっちのけんと第1期最終回』のつもりでやろうと思っています。お客さんにはお腹いっぱいで帰ってもらいたいですね。『しばらくこっちのけんとはいいかな』っていうぐらい(笑)」

当日はどのようなパフォーマンスや演出を予定しているのか尋ねてみた。

「理想のイメージはディズニーランドのショー。豪華なだけじゃなくて、あえて素朴に、僕を身近に感じられるような演出もしたい。映像を制作するのも好きなので、自分のできることを全部やって、こっちのけんとの歴史を振り返るような一日にできればと思います」

最後に、『よいとこせ』に来場するファンへのメッセージを。

「昔からずっと自分に自信がなかったんですけど、このライブに関しては自信があるので、大船に乗る気持ちで楽しみに来ていただければ。『はいよろこんで』が広がっている今、ぜひこっちのけんとを脂が乗ってる状態で召し上がってほしいと思ってます」

プロフィール

こっちのけんと

キャッチコピーは「緑のマルチアーチスト」。老若男女、国籍関係なく楽しめる楽曲や映像などクリエイティブを得意とするマルチクリエイター。

公演情報

こっちのけんとワンマンライブ『よいとこせ』

  • 12/13(金)19:00 東京・TACHIKAWA STAGE GARDEN

インタビュー・文/サイトウマサヒロ
構成/月刊ローチケ編集部 11月15日号より転載

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