【インタビュー】SPICY CHOCOLATE
コアからポップまで幅広く彩る渋谷レゲエ祭
日本を代表するレゲエ・サウンド・クルー(DJチーム)・SPICY CHOCOLATEが主催するレゲエ・フェス「渋谷レゲエ祭」。11回目を迎える今年は9月21日(土)に新木場STUDIO COASTにて開催される。
このイベントについて、SPICY CHOCOLATEの中心人物であるKATSUYUKIa.k.a.DJ CONTROLERはこう語る。
「昨年で『渋谷レゲエ祭』は10周年を迎えたんですが、11年目となる今年は一つの壁とも感じています。どうすれば来てくれる人が増えるのかはもちろんのこと、楽しんで感動して、一緒に成長していけるかを考えてきた10年だったので、改めてその気持ちを見つめ直すことを、今年はより強く考えてますね」
SPICY CHOCOLATEは、90年代から渋谷のクラブ・シーンを中心に活動を開始した、現場叩き上げのベテラン・サウンドであるのと同時に、“ずっとfeat.HAN-KUN&TEE”や“同じ空 feat.ナオト・インティライミ&安田レイ”など、数々のポップ・ヒットを放つプロデュース・チームでもある。「渋谷レゲエ祭」はそういった彼らの活動ともリンクする幅広いアーティストの登場が印象的だ。
「招聘するアーティストは、カラーや世代的にもバランスが取れてると思いますね」
なかでも、RYO the SKYWALKERや、三木道三の名前で活動していたDOZAN11といった、日本のレゲエ・シーンを古くから牽引するアーティストの登場に注目が集まる。
「10代や20代の頃に聴いてた音楽は、大人になっても自然と口ずさめたり、歌詞が自然に頭に浮かんだり。その人のなかで色あせないものだと思うんですよね。その意味では、青春時代に『ジャパレゲ』を聴いてた人たちにも、改めてレゲエを楽しんで貰いたい。同時に、若い人たちにはベテラン・アーティストの凄さみたいな部分も気づいて欲しいですね」
そしてJ-REXXXやTAK-Z、寿君といった現在のレゲエ・シーンを牽引するアーティストに加えて、シンガー・ソング・ライターのハジ→や當山みれいなど、レゲエに限らないジャンルのアーティストの登場も、このフェスの魅力だ。
「渋谷レゲエ祭はアーティスト間の垣根を壊してきたし、僕ら自身、活動を通して音楽の壁を壊してきたと思うんですよね。だから、メジャーやアンダーグラウンド、ポップやハードコアっていう壁を壊して、『一つ』になれると嬉しいですね」
イベントに先駆けて、6月4日にSPICY CHOCOLATEの1年ぶりの新作「最後のPiece feat. シェネル & Beverly」がリリースされた。暖かな愛の形が描かれるバラードは、SPICY CHOCOLATEの真骨頂とも言えるだろう。
「お二人とも、母国語は日本語ではないけれど、日本語の歌詞を情緒深く、心に染みるように歌ってくれて。人生という一期一会のなかで、傍に寄り添ってくれたり、大切な存在は絶対に現れると思うんですね。そういう人に感謝を表せる曲になったと思います」
音楽活動を始めて今年で25周年を迎えるSPICY CHOCOLATE。
「リスナーひとりひとりのなかに染み込むような、その人の人生に寄り添えるような楽曲を、これからもひとつでも多く残していきたいですね」
プロフィール
スパイシーチョコレート
'94年に活動を開始したKATSUYUKI a.k.a. DJ CONTROLER 率いるレゲエサウンドクルー。'09年より渋谷レゲエ祭を主催。
公演情報
渋谷レゲエ祭 ~レゲエ歌謡祭2019~
9/21(土)15:30 新木場 STUDIO COAST
インタビュー・文/高木“JET”晋一郎
構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載