【インタビュー】REAL AKIBA BOYZ

2025/6/15(日)

REAL AKIBA BOYZ

武道館のその先をお見せしたい

昨年10月に初の日本武道館公演を大成功させたREAL AKIBA BOYZ(以下RAB)。アニソンでダンスパフォーマンスを繰り広げる彼らの大きな一歩となるのが、10月4日に開催される東京体育館でのワンマンライブだ。メンバーを代表して、けいたんが語ってくれた。

「最大級の会場は武道館にして、あとはZeppとかでやっていくスタイルで固めていってもいいのかなと僕は思っていたんですが、“さいたまスーパーアリーナくらいまで行けるんじゃない?”とメンバーが言いだして(笑)。“ダンス見づらくない?”みたいなことを話したら、“大丈夫でしょ。だってニコニコ超パーティーでもやってた会場だし、そこ目指そうよ”と」

公演のサブタイトル『ぼくらのマスターピース』には、彼らの強い想いが込められている。

「武道館のその先をお見せするのをテーマにしています。RABの『A』はアキバのオタクカルチャー。『B』は僕らが20年間踊り続けているブレイクダンス、ヒップホップカルチャー。それをミックスしてどこにもって行くのか?今回は僕らの新しいスタイルを提示しつつ、音楽シーンから見ても新しさのある公演にしたいと思っています。『A』と『B』のカルチャーの温故知新もあって、“これができるのってRABだけでしょ”というものにもなりますね」

アニメやゲームなどを含む『アキバカルチャー』とダンスをリンクさせているRABの活動は、DJ、MC、グラフィティ、ブレイクダンスで構成されている『ヒップホップカルチャー』の斬新な再解釈、再構築とも言えるのだと思う。

「最終的にやりたいことのイメージとしてあるのが、2022年のスーパーボウルのハーフタイムショーです。メアリー・J.ブライジとかヒップホップレジェンドが勢揃いしたじゃないですか。シンガーとバンドがいて、その前でダンサーが踊るというダンスが基盤のパフォーマンス。あれのオタク版をやりたいんですよ。視覚的要素と聴覚的な要素をいかに融合させてお客さんに届けられるか?そこはすごく考えています」

彼らと共にステージに立つREAL AKIBA BANDも頼もしい。アニソンやボカロ曲など、多彩な楽曲をフレッシュに躍動させてくれる。生歌、生演奏、ダンスの融合は、東京体育館にすさまじいエネルギーを渦巻かせるだろう。

「僕らは二次創作者で、原作者が神。カバーさせていただいたアーティストさんが聴いても嬉しいと思えることを音も含めて形にしたいんです。原作者へのリスペクトは一番大事にしています。なにかしらの形でお返しして還元したいので、推し活の一種なんでしょうね(笑)」

RABの表現が、超一級のダンススキルに根差している点にもぜひ触れておきたい。各メンバーは国内外の大会の優勝、上位入賞の常連ばかり。ブレイクダンスとアキバカルチャーという等しく大切な両方をなにがあっても決して手放さなかったからこそ今日の彼らがある。

「最初は叩かれましたけどね。今となってはそういう中で始めたことが形になっていって、諸先輩方にもお見せできていますし、後輩のダンサーとかにも示せているのは大きいです。オタクがオタク、プレイヤーでありながらご飯が食べられるようになったので、まあまあいい感じ(笑)。ダンサーって『有名アーティストのバックダンサー』というのがゴールでしたけど、そこを変えたいという意志が僕らは強いんです」

ダンス、音楽、アキバカルチャーの愛好家はもちろん、新しい何かを求めている人にも強力におすすめしたいのが今回のライブだ。「あれは2025年のエンタメ業界にとって大きな出来事だった」と、後々振り返ることになると思う。

プロフィール

REAL AKIBA BOYZ/りあるあきばぼーいず

レペゼン秋葉原のアニソンダンスパフォーマー。'06年の結成以来、アニソンでダンスを踊り続け、メジャーデビューを果たす。

公演情報

REAL AKIBA BOYZ ONEMAN LIVE~ ぼくらのマスターピース ~

インタビュー・文/田中大
構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載

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