【インタビュー】大黒摩季

2022/3/15(火)

大黒摩季

あの頃の輝きと意志を思い出すことで、みなさんの希望になれば

「あなただけ見つめてる」や「ら・ら・ら」といったJ-POP史に残る数々のヒット曲を世に送り出してきた大黒摩季が今年5月にデビュー30周年を迎える。社会現象にまでなった90年代の熱狂にはじまり、ひとりの女性として波乱万丈なライフイベントを経験してきた彼女はいま、自らの歩みを「怒涛の30年間だった」と振り返る。

「音楽的には恵まれてきたほうだと思いますが、ドラマティックで激しくて、映画にできちゃうような人生ですよね。常にいっぱいいっぱいで全力で。こんなトライアスロン人生、そうはないと思います(笑)。願ってはいましたが、30年も歌い続けられるとは全然想像できませんでした」

現在52歳。作品をリリースするごとに挑戦を重ね、いまやベテランの域に達したシンガーソングライターは自身の変化すらも心から楽しむ。

「アーティストとしてのクリエイティブは今が最高です。体は着実に老化しているはずですが、その分の知識やスキルが身に付いているし、メンタルも安定しているので、今の私の歌声は人生最高のレンジなんですよ。老化への不安はないことはないけれど、もがき続けたこれまでを肯定できて、やっと自分を許せるようにもなってきた。大人になることはやっぱり素敵なものでしたね」

2020年、通算15枚目のアルバム『PHOENIX』を引っ提げ、コロナ禍に開催した全国ツアーでは、音楽とエンターテイメントのチカラでお客さんを勇気づけようとする大黒の奮闘が胸を打った。

「あの頃は、まだコロナに対する知識や対処法が整っていなかったので恐怖感はありました。社会全体が様子をうかがい、身動きが取れなかったことで静かに減退していく、エンタメ自体が息絶えてしまう危機感に駆られたのを覚えています。だからこそ、私のような失うもののない独り者が突破口は開くしかないだろうっていう使命感に駆られていたんです。考えられる最善の感染防止対策を講じたつもりでしたけど、反発も軋轢も半端なかったです。それでも、ツアーの最終コーナーに差しかかる頃にはエールを送ってくれる人が増えてきて。そうやって、いまのエンタメ業界の感染防止対策マニュアルの礎となったことは、私がアーティストとしてやり遂げた最高の社会貢献だと思います。私は流行り物なだけではなかった。その証として一生の誇りとなりました」

そんな大黒の30周年アニバーサリーツアーは、全国を細かくまわるロングツアーになる。

「私の周年の考え方は、お祝いではなく、長く応援し、愛してくださるファンのみなさまへどう恩返しするかです。いつもこちらの都合で主要都市などに出向いてくださるので、15周年のタイミングからは、ご恩返しのかたちとして、私が会いに行く。つまり、47都道府県をまわることにしました。今回は30周年なので、それぞれの都道府県の市街地や遠い島までも行こうと思っています」

内容も周年ライブに相応しいものになりそうだ。

「みなさんが音のなかで少年少女に戻って、いい意味の現実逃避ができるようなライブにしたいです。あの頃の輝きと意志を思い出すことで、希望が湧き出るようなものになればいいなと思いますね。なのでショーアップというよりは、ヒット曲を中心に、どなたが来られても楽しく、気持ちが高揚するような演出を考えています。ありのままの摩季姐がお客様をジブリの大きな木のように心ごと抱きしめて、笑顔にするので(笑)。会場で私たちからのエネルギーを吸収してもらいたいです」

プロフィール

オオグロ マキ

日本のシンガーソングライター、作詞・作曲家。
代表曲に「ら・ら・ら」「あなただけ見つめてる」「DA・KA・RA」など多数。

公演情報

MAKI OHGURO 30th Anniversary Best Live Tour 2022-23 Season I

  • 6/1(水)18:30 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)
  • 6/4(土)17:00 福島・けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター)大ホール
  • 6/5(日)17:00 やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)
  • 6/11(土)17:00 岩手県民会館 大ホール
  • 6/12(日)17:00 リンクステーションホール青森
  • 6/18(土)17:00 福井フェニックスプラザ
  • 6/19(日)17:00 石川・本多の森ホール
  • 6/25(土)17:00 栃木・宇都宮市文化会館
  • 6/26(日)17:00 埼玉・羽生市産業文化ホール
  • 6/29(水)17:00 あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)
  • 7/1(金)18:30 大阪・新歌舞伎座
  • 7/3(日)17:00 ザ・ヒロサワ・シティ会館(旧 茨城県民文化センター)
  • 7/9(土)17:00 東京・J:COMホール八王子
  • 7/16(土)17:00 群馬・高崎芸術劇場
  • 7/17(日)17:00 長野・ホクト文化ホール

インタビュー・文/秦理絵
構成/月刊ローチケ編集部 3月15日号より転載

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