【インタビュー】川崎鷹也

2023/3/15(水)

自身初の大規模な全国ツアーが3月よりスタート

総ストリーミング回数が3億回を超え、多くの人たちに届いた「魔法の絨毯」。シンガーソングライター・川崎鷹也にとってこの楽曲は 「僕自身が音楽で伝えたいことや歌いたいことは何も変わっていないんだ」 ということを再確認できた作品だ。

「たくさんの方に「魔法の絨毯」を知っていただけたのは2020年以降ですが、この曲を書いたのは2016年で、リリースしたのが2018年なんです。この曲に込めた大切な人との何でもない時間が実はいちばん幸せなんだという思いが、当たり前のことが当たり前ではなくなってしまった日々の中で、「魔法の絨毯」を通してみなさんの心に届いて、共感を得られたのかなと思っています」

18歳の頃からステージに立ち続けてきた川崎にとって、コロナ禍で思うようにライブ活動ができなかったこの約3年間は、どのような思いを抱えて音楽と向き合っていたのだろう。

「友達にも会えないし、当時僕はサラリーマンだったので職場にも行けなかった。2020年になってからはライブができなくなったので、自分のいちばんの表現の場であるライブを届けられないならどうすればいいのか、非常に悩みました」

しかしながら、苦肉の策のひとつだったSNSなどでの発信が、「魔法の絨毯」が多くの方に届く大きなきっかけになった。

「それまではライブでしか届け方を知らなかったけれど、そうじゃない届け方を学ぶ機会になりました。と同時に、早く生の歌をステージで届けたい!という思いがより強くなりましたね」

川崎にとって初の大規模な全国ツアーとなる「LIVE TOUR 2023 『あなたとぬくもり』」が3月24日の横浜公演を皮切りにスタート。9都市をまわる今回のツアーでは、神奈川・愛知・大阪・福岡・東京の5公演はバンドセット、石川、山口、沖縄、宮城の4公演は弾き語りでのライブになる。

「僕の歌は会場の空気を味方にして、空間と共鳴させながら声を出していくので、会場によって声の成分が変わって、聞こえ方が異なるのが大きな特徴だと思っています。音源や動画で聴いていた歌とは違うし、お客さんの顔を見てメロディやアレンジが変わったりするので、ライブでしか聞くことできない歌になる。バンドセットと弾き語りでは同じ曲でも違うアレンジになるし、そこに乗せる歌も自然と変わってくる。これまでもライブでしかやらない曲や音源では1番までの曲を2番まで歌ったり、今回のセットリストも当日に変えちゃうかも(笑)。9公演あるけど同じステージはひとつもないんじゃないかな」

昨年リリースしたカバーEPでは、温度感のあるハスキーな歌声で美空ひばりの「愛燦燦」、玉置浩二の「メロディー」などの名曲をカバー。この経験も自身に大きな影響を与えてくれたようだ。

「僕がカバーしたことで、聴いて下さった方の楽曲に対する思いや思い出があらためて蘇ってきたり、原曲を知らなかった方に世代を超えて伝えていける架け橋のような役目を担うことができる。そんな面白さを発見できました」

「あなたとぬくもり」というツアータイトルには、川崎のライブに対する思いが凝縮されている。

「音楽って、歌って良いな、自分が生きているこの環境は素敵なんだって。そんなお客さんへのギフトのようなものをお届けできたらと思っています」

プロフィール

カワサキ タカヤ

'95年生まれ。栃木県出身。「魔法の絨毯」で総ストリーミング回数が3億回を超えた注目のシンガーソングライター。

公演情報

川崎鷹也 LIVE TOUR 2023『あなたとのぬくもり』

  • 3/24(金)19:00 神奈川・KT Zepp Yokohama
  • 4/2(日)17:00 石川県立音楽堂 コンサートホール
  • 4/7(金)19:00 愛知・ダイアモンドホール
  • 4/15(土)17:00 山口・周南市文化会館
  • 4/21(金)19:00 Zepp Namba(OSAKA)
  • 4/29(土・祝)17:00 沖縄市民会館 大ホール
  • 5/13(土)17:00 福岡スカラエスパシオ
  • 5/14(日)17:00 宮城・トークネットホール仙台
  • 5/18(木)19:00 Zepp Haneda(TOKYO)

インタビュー・文/松浦靖恵
構成/月刊ローチケ編集部3月15日号より転載

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